第2章 並列コンバータシステムにおける新方式位相同期回路
2.3 位相同期回路
2.3.2.2 発振回路の動作原理
一般に矩形波や三角波発振回路はコンデンサと充放電回路および2つのコンパ レータ(または1つのヒステリシスコンパレータ)により構成される. PWM制 御回路に使用されている典型的な三角波発振回路[4]を図2-8に示す. 図2-8 においてコンデンサCは定電流源Ireflにより充電されるためその両端の電圧Vc は直線的に上昇する. VcがコンパレータCPlのしきい値電圧Vcmaxに達すると CP1の出力が高レベルとなりRS フリップフロップをリセット し 出力 Vswを低 レベルにする. これによりトグルスイッチSWは反対側ヘ切り替わり定電流源 Iref2がコンデンサに接続される. するとコンデンサCはIref2-Iref 1の大きさの定 電流で放電されるためVc は直線的に減少する. VcがコンパレータCPzのしきい 値まで減少するとRSフリッフ フロッフはセットされVswは高レベルとなりトグ ルスイッチを元に戻す.以上の動作を繰り返して発振が継続される. この発振回 路を外部信号により同期させるためには同期信号に応じてコンパレータ出力 を反 転させるレベルまでVc を変化させればよいことが分かる.
2.3.2.3
提案する同期回路
提案する同期回路を図2-8の発振回路に適用 した場合を図2-9に示す. こ こでは2台の発振回路が接続されている.図中に描かれたコンデンサCの電圧波 形Vcは発振器#1の固有振 動周波数が発振器#2より高い場合を想定している.
モジュール#1において同期信号VtはVswを微分回路に通すことにより得られ る.この信号はコンデンサCの両端に接続されたトランジスタのベース端子に供 給され, Vc の電圧をVoffレベルにクランフする. 同時に同期信号は同期バスを 通してモジ、ユ-}レ#2にも供給され発振器#2のコンデ、ンサ電圧VcをもVoffに する.従って全てのモジ、ユールの発振回路はリセットされCの充電 動作を初めか らやり直す.発振器#2の動作は発振周期が存1に比べて長いことを除けば同ー である.すなわちモジ、ユール#1の同期信号はモジ、ユール#2の発振回路より早 く発生するためモジュール#2の発振回路を同期させる. 以上のように電源、モ ジュールがn台接続されたシステムにおいて新同期方式を適用した場合,その同 期周波数 f はsyn
VCmin
図2-8 典型的な三角波発振回路
Fig.2-8 Conventional triangular waveform osci11ator.
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f.: i番目の電源モジュールの固有振動周波数
で表され, 同期周波数はモジ、ユール中で最も高い周波数となる.
(2-1)
また,同期動作は原理的にスイッチング周期の一周期以内に完了するため瞬時 に同期できる.
図2 - 1 0 (a)は図2-9の回路において同期バスを切り放した場合の各モ ジュールにおける発振回路の三角波波形Vcの実験波形を示している. 発振器#
1の発振周波数は#2より高い状態、であり同期していないことがわかる.この状 態、で同期バスを接続すると図2- 1 0 (b)に示すように発振器#2が発振器存1の 周波数で同期する.
図2-11は3台のモジュールの発振回路に提案する同期回路を適用し,さら に途中でモジュール#1を強制停止させた場合の各モジ、ユールの発振周波数の変 化を示している. モ、ン、ユール#1, #2, #3の固有振動周波数 f1, f2, f3はそれ ぞ、れf1=100kHz, f2=95kHz, f3=90kHzで、ある. はじめに同期パスを接続していない 非同期状態ではそれぞれの発振器は異なった周波数で発振しているが同期バスを 接続することによりモジ、ユール#2. # 3は固有振動周波数の最も高いモジュー ル#1の周波数f1に同期して100kHzイ寸近で動作する. この状態でやがて1 0秒付 近でモジ、ユール#1を強制的に停止させると直ちにモジ、ユール#2, # 3は固有 振動周波数の高い#2の周波数95kHz付近で同期し同期動作を継続する.以上の ことから提案する同期回路により固有振動周波数が最大の発振回路が自動的にマ スターとなり自身の振動周波数で他のモジュールを同期させることが分かる.
従ってマスターモジュールが停止した場合でも残りのモジ、ユールにおいて同期動 作が継続されるため高信頼化が達成できる. また この方式では最大固有振動周 波数のモジ、ユールがマスターとなるため図2-6の従来形マスタースレーフ守方エl と異なり発振器の周波数調整が不要である.
ここで提案する同期方式は原理的にコンデンサの充放電により発振動作を行う 発振回路すべてに適用できるため ピーク電流制御方式 周波数制御方式など任 意の制御回路に応用できる.
Vc (lV/div)
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Time:2.5μs/div (a) Before synchronizatioÌ1
図2-10 同期前後の発振器#1.#2の三角波波形 Fig.2-10 Experimental triangular waveforms of oscillator #1 and #2.
ート 15 Time[sec]
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同期前後の発振器#1,#2,#3の周波数変化 Fig.2-11 Frequency variation of oscillator #1,#2, and #3.
図2-11