• 検索結果がありません。

界面の力学について[60-69]

第4章 Al-Steel 異種金属 FSW 継手の界面疲労き裂進展

4.2 界面の力学について[60-69]

疲労き裂進展については,Elberによって提唱された疲労き裂特有の現象であ るき裂開閉口現象が深く関わっている[70].これは,き裂自身によってその先 端に形成された塑性域中をき裂が進展することで,き裂先端後方き裂自由表面 に残留引張変形が残り,これが周りの弾性域に拘束されることでき裂閉口時に き裂縁に圧縮残留応力が生じ,き裂開口の遅延,およびき裂の早期閉口が起き る現象として知られている.しかし,異なる材料で構成された接合材や構造体 においては,界面や界面端に応力が集中し,界面の強度が母材より弱くなり,

界面に沿った破壊が生じやすい.そのため,界面破壊現象に対するき裂の破壊 力学評価が重要である.

異種材料を接合した界面のき裂に関する研究は,Williams[60]によってき裂先 端近傍の応力の振動特性が指摘され,Erdogan[61],England[62],Rice[63]など によって種々の境界条件に対する界面き裂の弾性解が示された.

Fig.4.1に示す一様材料中のき裂先端の近傍の応力場は応力拡大係数Kにより

(4.1)

と表される.ここでのxはき裂先端からの距離を表しており,き裂先端に近づ くと(x→0)応力が無限大に発散するsy→∞という関係が成り立つ.二つの異 なる等方性材料が接合された界面上のき裂を考える.Fig.4.2に示すようにそれ ぞれの材料のせん断弾性係数,ポアソン比をi,i(i=1,2)とする.その場合

=0の界面上の応力分布は次式となる.

(4.2)

ここでlはき裂長さ,rはき裂先端からの距離,は材料1,2の組み合わせで決 まるバイマテリル定数であり,以下のように定義される

(4.3)

iは材料が平面応力状態,平面ひずみ状態かを示し,それぞれ x

K

y

s  2

 

 

sy xy i

l r r iK

i K

 

 

2

2 1 0









1 2 2

2 1 1

1 1 2 ln

1

 

 

(平面応力状態) (4.4)

(平面ひずみ状態) (4.5)

となっている.K1+iK2は界面き裂の複素応力拡大係数と呼ばれている.式(4.2)

は振動特異性を有し,Fig.4.3に示すようにき裂先端近傍で振動することがわか る.

界面き裂の特性を以下にまとめる.

1) 界面き裂先端では応力の振動特異性(oscillation singularity)が現われ,き裂 面開口部では変位のオーバーラップが生じることが知られている.

2) 界面き裂の複素応力拡大係数K1K2はMode I,IIの変形(Fig.4.4)による 応力拡大係数KIKIIと対応しない.

3) 界面き裂は一軸引張のような単純な負荷の場合でも混合モードとなる.

以上より,界面き裂の応力場・応力拡大係数は従来の一様材のそれと全く異な るものとなり,応力や変位の評価は複雑なものである.

Fig.4.1 Stress field near crack tip.

i

ii

 

  1 3

ii

 34

O

Fig.4.2 Schematic illustration of interfacial crack and coordinate system.

Fig.4.3 Interface crack model with oscillation singularity.

Fig.4.4 Mode of crack surface displacement.

Mode I Mode II

Mode III

関連したドキュメント