• 検索結果がありません。

第4章 Al-Steel 異種金属 FSW 継手の界面疲労き裂進展

4.4 実験結果

ップ数は倍率200倍のとき,3m,1000倍のとき0.6mである.それぞれ図の 上部がツール挿入面であるTop面,下部がBottom 面,界面より左がSteel,右 がAl合金を示している.全てにおいて,攪拌による結晶方位のばらつき及び結 晶粒の微細化が見られるが,後熱処理による相違は確認されなかった.平均結 晶粒径はAsweld材,PA材,PS2A材,PS24Aでそれぞれ11m,11m,11m,

10m,であった.一般的に,FSW 継手では溶体化処理によって撹拌部で結晶 粒が粗大化する,いわゆる異常粒成長が生じる.しかし,今回の異種金属継手 では認められなかった.これは,撹拌部に鉄片が分散しているため,ピニング 効果によって溶体化処理温度でも粒成長が生じなかったと考えられる.

Fig.4.8 Hardness distribution.

Fig.4.9 Hardness map of PS2A.

130

45 59 73 88 102 116

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 Distance from interface between SUS304 and A6061 0

1 2 3 4 5

Thickness

Fig.4.10 BSE images at interface.

(a) PS2A (x1,000) (b) PS2A (x10,000) (c) PS24A (x1,000)

Fig.4.11 BSE images of interface.

(a) Solution for 10h. (x1,000) (b) Solution for 24h. (x1,000) (c) Solution for 168h. (x200)

Fig.4.12 Relationships between IMC thickness and solution time.

Table 4.1 EDX analysis of IMC layer.

Element Mass concentration (%)

Atomic ratio (%)

Fe 33.33 19.00

Al 61.35 72.41

Si 2.36 2.68

O 2.97 5.91

0 50 100 150

0 10 20 30

solution time (h)

IMC thickness layer (m)

this study reference [62]

Fig.4.13 EBSD analysis of Asweld.

(a) SEM image at x200. (b) IPF map at x200.

(c) SEM image at x1000. (d) IPF map at x1000.

Fig.4.14 EBSD analysis of PA.

(a) SEM image at x200. (b) IPF map at x200.

(c) SEM image at x1000. (d) IPF map at x1000.

Fig.4.15 EBSD analysis of PS2A.

(a) SEM image at x200. (b) IPF map at x200.

(c) SEM image at x1000. (d) IPF map at x1000.

Fig.4.16 EBSD analysis of PS24A.

(a) SEM image at x200. (b) IPF map at x200.

(c) SEM image at x1000. (d) IPF map at x1000.

4.4.2 疲労き裂進展挙動

Al-Steel継手であるAsweld材,PA 材,PS2A 材,PS24A材および比較対象と

してA6061-T6母材についてもFCP試験を行った.ASTM E647に基づくCT試

験片の応力拡大係数範囲Kは以下の式で与えられる.

(4.6)

ここで, W:試験片幅,a:き裂長さ),P:荷重範囲,B:試験片板 厚である.本研究ではサイドグルーブ付き CT 試験片を用いて試験を行ってい るため,式(4.6)の試験片板厚 Bをサイドグルーブ底の幅 BNを用いた有効試 験幅Be(= )とした式(4.7)を用いている[72].

(4.7)

式(4.7)の信頼性を確認するため,A6061-T6母材でFig.4.6と同形状でサイ ドグルーブを設けていないCT試験片を作製し,FCP試験を行った.FCP試験 で得られたき裂進展曲線(a-N 曲線)を基に,5 点近似によってき裂進展速度

(da/dN)を算出した.結果をFig.4.17に示すがサイドグループの有無に関わら ず一致し,式(4.7)の信頼性が確認された.

この式(4.6)および式(4.7)はAl合金母材(一様材)においてはき裂進展 評価のパラメータとして用いることができるが,Al-Steel継手では4.2節で述べ た通り応力場の特異性が一様材と異なり,この式を用いた評価はできない.そ こで先行研究[73]では,Al合金母材およびAl-Steel継手の両方で式()の応 力拡大係数とエネルギ解放率Gをそれぞれ用いて同様の試験を評価している.

一般に,エネルギ解放率Gは応力拡大係数と同様に破壊のパラメータとして よく用いられ,エネルギ解放率Gは混合モードの場合でも複雑な界面き裂を単 一のパラメータとして評価できるとされている.先行研究[73]の結果,応力拡 大係数とエネルギ解放率Gそれぞれの評価による差異は見られなかった.そ のため本節では Al 合金母材と Al-Steel 継手の結果を比較するために便宜上,

Al-Steel継手にも式(4.7)を用いて応力拡大係数範囲を算出した.

実際の試験では予き裂を導入後,漸減試験(K decreasing procedure)によ り下限界応力拡大係数範囲th を求めた後,漸増試験( increasing procedure)を行った.Fig.4.18にFCP試験によって得られたda/dN-K曲線を示

W a/

∆𝐾 = ∆𝑃 2 + 𝛼

𝐵 𝑊 1 − 𝛼 3 2(0.886 + 4.64𝛼 − 13.32𝛼2+ 14.72𝛼3− 5.6𝛼4)

𝐵 × 𝐵𝑁

∆𝐾 = ∆𝑃 2 + 𝛼

𝐵𝑒 𝑊 1 − 𝛼 3 2(0.886 + 4.64𝛼 − 13.32𝛼2+ 14.72𝛼3 − 5.6𝛼4)

す.

FCP 試験後の Asweld 材,PS2A 材,PS24A 材の CT 試験片の巨視的様相を

Fig.4.19に示す.Asweld材はき裂が界面で発生した後,漸減試験中では界面

近傍を進展し,漸増試験にて大幅にAl合金側へ屈曲してTMAZで破断した.

そのため Fig.4.18 上には屈曲前の結果のみを示している.また PA 材では予き

裂の段階でAl側への屈曲が生じたため,試験を中断した.PS2A材ではFig.4.19 の巨視的様相では界面で破断しているように見えるが,Fig.4.20 に示す疲労き 裂進展経路の観察により界面近傍の Al 合金側を疲労き裂が進展していたこと が確認された.PS24A材ではFCP試験中,き裂進展初期段階においてTop面側 で Al 合金側屈曲き裂,Bottom 面側で界面き裂の進展が確認された.その後,

両側においてAl合金側屈曲き裂,界面き裂の2つのき裂が確認され,最終的に は界面で破断した.一部材に対して2つのき裂を有する場合,式(4.7)を用い ることはできないが双方のFCP挙動を比較するために,双方のき裂に対してそ れぞれそのき裂のみが存在すると仮定して,式(4.7)を用いることでda/dN-K 曲線を算出した.Fig.4.21にAl合金側屈曲き裂,界面き裂および同時点におけ るそれらのき裂長さを用いて得られた平均き裂の da/dN-K 曲線を示す.これ よりAl 合金側屈曲き裂,界面き裂,平均き裂の間にFCP 挙動の差異は見られ なかった.そのため Fig.4.18 にはこれらを代表して平均き裂の結果を示してい る.

Fig.4.18からわかるように,Al-Steel継手である Asweld 材,PS2A 材,PS24A 材全てにおいて FCP 挙動に差異は見られなかったため,後熱処理は FCP 挙動 に影響は与えないと考えられる.しかし Al-Steel 継手と Al 合金母材では FCP 挙動は大きく異なっており,同一Kにおいて Al-Steel 継手の FCP 速度は遅い ことが確認された.特に低K領域(K<8 MPa m1/2)において,この差は顕著 であった.

Fig.4.17 da/dN-K curves for the effects of side grove.

Fig.4.18 da/dN-K curves.

10−11 10−10 10−9 10−8 10−7 10−6

K (MPam1/2 )

FCP rate da/dN (m/cycle)

1 5 10

Stress intensity factor range

20 side groove

flat A6061−T6

10−11 10−10 10−9 10−8 10−7 10−6

K (MPam1/2 )

FCP rate da/dN (m/cycle)

1 5 10

Stress intensity factor range

20 decreasing increasing decreasing

A6061−T6 Asweld

PS2A PS24A

Fig.4.19 CT specimens after FCP tests.

(a)Asweld (b)PS2A (c)PS24A (d)Crack curved toward Al side of PS24A.

Fig.4.20 FCP route of PS2A.

Fig.4.21 da/dN-K curves of PS24A.

(a) All,(b) Average of both crack,

(c) Al side crack,(d) Interface crack.

10–11 10–10 10–9 10–8 10–7 10–6

K (MPam1/2 )

FCP rate da/dN (m/cycle)

1 5 10

Stress intensity factor range

20 Average of both cracks Al side crack (Top–surface) Interface crack (Bottom–surface)

10–11 10–10 10–9 10–8 10–7 10–6

K (MPam1/2 )

FCP rate da/dN (m/cycle)

1 5 10

Stress intensity factor range

20 Average of both cracks

10–11 10–10 10–9 10–8 10–7 10–6

K (MPam1/2 )

FCP rate da/dN (m/cycle)

1 5 10

Stress intensity factor range

20 Al side crack (Top–surface)

10–11 10–10 10–9 10–8 10–7 10–6

K (MPam1/2 )

FCP rate da/dN (m/cycle)

1 5 10

Stress intensity factor range

20 Interface crack (Bottom–surface)

4.4.3 き裂開閉口挙動

Fig.4.22 に背面ひずみゲージを用いた除荷弾性コンプライアンス法で測定し

たAsweld材,PS2A材,PS24A材,A6061-T6母材の荷重-引算変位曲線を示す.

またき裂開口時のコンプライアンスとき裂長さ比a/wの関係をFig.4.23に示す.

なおコンプライアンスは,ひずみを負荷荷重で除したものであり,試験片剛性 の逆数に相当する.Al-Steel継手の方でAl合金母材よりもコンプライアンスが 低く,剛性が高いことが確認された.これは背面ひずみゲージを界面の中心に 貼付しているため,Al-Steel 継手では Al 合金よりも剛性の高い Steel の影響が 反映されているからである.

また荷重-引算変位曲線より求めたき裂開口応力拡大係数Kopを用いて,き裂 開口応力拡大係数比 Kop/Kmaxと応力拡大係数範囲K の関係を Fig.4.24 に示す.

Fig.4.18と同様に後熱処理による大きな差は見られないが,Al-Steel継手の方が

Al合金母材よりもKop/Kmaxが著しく高かった.

このKopを用いてFig.4.22 を再整理した da/dN-Keff曲線を Fig.4.25に示す.

き裂開閉口挙動を考慮したことにより,Al-Steel継手とAl合金母材のFCP挙動 の差は著しく小さくなり,高Keff領域(Keff>3 MPa m1/2)では同一直線上に重 なった.また低Keff領域(Keff<3 MPa m1/2)では,依然として最大30%程度の 差があるものの,Fig.4.18 に比べて小さくなっていることがわかる.この結果 から同種継手とAl-Steel継手でFCP速度の差が生じる要因としては,き裂開閉 口挙動が支配的であると考えられる.

Fig.4.22 P – d curves.

(a) Asweld (b) PS2A (c) PS24A (d) A6061-T6

0 5e−05 0.0001

500

1000 3.0

5.0 7.0 9.0 11.1 14.0 17.0

K

Subtructed displacement d

Load P

20.7 24.3

0 5e−05 0.0001

500

1000 7.2

7.5 8.0 8.5 9.0 10.1 11.1

K

Subtructed displacement d

Load P

0 5e−05 0.0001

500

1000 7.2

7.5 8.0 8.6 9.0 10.0 11.0

K

Subtructed displacement d

Load P

0 5e−05 0.0001

500

1000 6.9

7.6 8.1 8.5 9.1

K

Subtructed displacement d

Load P

(c) (d)

(a) (b)

69

Fig.4.23 Relationship between compliance and ratio of crack length.

Fig.4.24 Relationship between Kop/Kmax and K.

0.2 0.4 0.6

0 1 2 3 [110−6]

Ratio of crack length to specimen width a/w

Compliance(1/N)

A6061−T6 Asweld

PS2A PS24A

10 20 30

0 0.5 1

Crack opening ratio Kop/Kmax Asweld PS2A A6061−T6

PS24A

10 20 30

0 0.5 1

K (MPam1/2)

Crack opening ratio Kop/Kmax Asweld PS2A A6061−T6

Stress intensity factor range PS24A

Fig.4.25 da/dN-K curves.

10

−11

10

−10

10

−9

10

−8

10

−7

10

−6

K

eff

(MPam

1/2

)

FC P r ate d a /d N (m /cy cle )

1 5 10

Effective stress intensity factor range

20

関連したドキュメント