第3章 土地利用制度活用に向けた取り組み 64
3 町田市の条例等
(1) 「町田市住みよい街づくり条例」の活用
①地区の土地利用の適切な規制・誘導に向けた「地区街づくりプラン」の活用
【現況・課題】
形成時期の古い土地区画整理事業が施行された戸建て住宅主体の区域等では、建築 協定等を定めている地区もあり、住民自らまちづくりに参加し、現在の良好な住環境 の維持・形成に大きく貢献してきた。一方、時間の経過に伴い、開発時に定められた 建築協定等の内容が地域の実態・動向に合わなくなっているケースも見受けられ、課 題になりつつある。
【土地利用制度活用方策】
以上の課題に対応するため、地区街づくりプランの枠組みを活用し建築協定等で定 められている土地利用規制の検証及び地区街づくりプラン等への移行を推奨する。
<建築協定等から、地区街づくりプラン・地区計画への移行>
地区街づくりプランは、身近な区域における街づくりを進めるための町田市独自 の街づくり手法(町田市住みよい街づくり条例)であり、アドバイザーの支援のも と、身近な地区の住環境を守り、又は改善するなどの街づくりを進めるために、地 区住民等自らが地区の目標や方針、建築物の建て方などのルールについての賛同を 取り、町田市に提案し、町田市が定めるまちづくりの枠組みである。(町田市住み よい街づくり条例第7条)
この地区街づくりプランの枠組みに基づく検討を契機に、既決定の建築協定等の 規制内容を検証し、社会状況や地域ニーズの変化に沿ったものに見直しを行い、地 区街づくりプラン並びに地区計画へ移行することが考えられる。
<市が主導し、まちづくりの誘導に取り組む「街づくり検討地区」の活用>
「街づくり検討地区」は、地域及び地区の特性を活かした個性ある街づくりを実 現するために、町田市が特に必要と認めた地区を指定し、地区住民等に対して地区 街づくりプラン案の検討・提案の要請や、町田市による地区街づくりプランの原案 の提示ができる仕組みである。(町田市住みよい街づくり条例第
16
条・第17
条)この「街づくり検討地区」を活用し、早急に課題解決に取り組むべき地区につい ては、市が積極的に地区の土地利用規制等の見直しなどに関与する方法が考えられ る。
【取り組みのスケジュール】
2018
年度までに着手予定○建築協定等から、地区街づくりプラン・地区計画への移行
○町田市が主導し、まちづくりの誘導に取り組む「街づくり検討地区」の活用
(※第1章 1-2 テーマ①(p.12)参照)
例えば・・・
・鉄道駅に近く利便性が高いなど多様な世代の流入を目指す地区では、建物用途及び敷地規模の規制 を緩和することで、二世帯住宅及び子育て世代のニーズに対応した規模の宅地の供給を促進する。
・住宅の更新期を迎える中、ゆとりある住環境の継承を重視する地区では、建築協定等から地区街づ くりプランや地区計画に移行することで規制の担保性を強化する。
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②開発事業の事前届出・助言の手続の仕組みの導入
【現況・課題】
近年、工場や教育施設、研究施設等の大規模敷地での土地利用転換により、周辺の 市街地環境に大きな影響を与える建築物の立地が進み、周辺住民とのトラブルが生ず るケースが見受けられる。
このような大規模な土地利用転換が行われる場合は、開発事業に係る事前協議の段 階で、周辺の市街地環境に大きな影響を与えないよう適切な土地利用・建築形態を誘 導する方策が求められる。
【土地利用制度活用方策】
以上の課題に対応するために、大規模な開 発事業に関する事前届出・助言の手続の仕組 みを強化する。また、土地の取引段階から予 期せぬ土地利用転換により周辺市街地環境に 大きな影響を与えることが軽減されるよう適 切な土地利用・建築形態の規制誘導を検討す る。
<大規模な土地の取引段階での届出・助言制度の確立>
大規模土地利用転換が行われる場合に、市街地実態に応じた適切な土地利用を誘 導するための仕組みとして、土地取引の段階における届出の義務付けと町田市によ る助言を行う手続の導入を検討する。
土地取引段階の手続のイメージ(例)
・市長は、土地利用の誘導を図るため、届出 者に対して土地利用形態に関する助言を行 うことができる。
●大規模な土地の取引段階における届出・助言制度の確立
●事前協議における、町田市による助言・指導の仕組みの強化
(※第1章 1-2 テーマ⑥(p.29)参照)
最高高さ の配慮
大規模敷地 圧迫感の
軽減
緑化
壁面後退と 広場創出 誘導イメージ(例)
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<事前協議における、町田市による助言・指導の仕組みの強化>
大規模な土地の取引段階及び開発計画等の事業構想段階に際して、町田市による 助言・指導の強化を図る仕組みを検討する。
・土地取引段階及び開発計画等の事業構想段階
「街づくりのための指針」として、「町田市都市計画マスタープラン」等を 位置付け事前協議の基準の根拠として活用を図る。
・主に開発計画等の事業構想段階
事前協議において、助言・指導の基準の根拠となり得る大規模な開発行為、
建築行為などの誘導指針を定める。
【取り組みのスケジュール】
2016 年度までに着手予定
大規模開発建築行為等の誘導指針のイメージ(例)
<誘導を検討する項目の例>
・建築物の高さ、構造、配置等
・駐車施設
・道路
・歩道状空地
・公園等
・緑化
・防災 など
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③都市計画提案制度の運用の仕組みの創設
【現況・課題】
これまで、市民、事業者等による都市計画に対する提案及び要望については、関係 部署において個別に協議を行ってきた。
しかし、近年、地方分権や市民協働の高まりにより、町田市の説明責任及び透明性 の確保の必要性が求められており、都市計画に対する提案を受けるための手続、基準 等の明確化が必要である。
【土地利用制度活用方策】
以上の課題に対応するため、市民、事業者等からの都市計画に係る提案又は要望に 対応し得る手続及び基準の作成並びに地区計画等の案の申出制度の確立を検討する。
<都市計画提案の手続及び基準の作成>
都市計画提案制度は、都市計画法第
21
条の2に基づき、土地所有者等による都 市計画(都市計画区域の整備、開発及び保全の方針、都市再開発方針等に関するも のを除く)の決定又は変更の提案をすることができる制度である。当制度は、町田市の特性を踏まえて提案者や面積要件、手続等を条例で定めるこ とができるとともに、町田市「住みよい街づくり条例」に位置付けることもできる。
なお、検討に際しては、以下の点に留意する。
・法定の提案制度の手続の前段階での、事前相談手続の導入
・審査基準の明示(審査の根拠となり得る判断基準の事前明示)
・提案書の内容及び提案に係る判断の内容に関する公表・縦覧
・住民が提案しやすい要件の検討(区域面積要件の緩和、提案可能な主体の追 加等)
<地区計画等の案の申出制度の確立>
上記の都市計画提案制度を活用した住民による積極的な提案が求められるが、提 案に係る法定の同意要件(土地所有者等の人数の3分の2以上など)が厳しいため 全国的に活用が少ない状況である。
このため新たな手法として、例えば、提案の同意要件等を条例で柔軟に設定でき る「地区計画等の案の申出制度」の活用が考えられる。
「地区計画等の案の申出制度」は、都市計画法第
16
条第3項による条例で定め るところにより、住民又は利害関係人による地区計画等に関する都市計画の決定及 び変更等に係る案の申出を行うことができる制度であり、提案者、面積、同意要件、手続等について条例で町田市独自の内容を定めることができる。
●都市計画提案の手続等の作成及び「町田市住みよい街づくり条例」への位置付け
○住民提案の促進に向けた地区計画等の案の申出制度の確立
(※第1章 1-2 テーマ⑦(p.31)参照)
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□都市計画提案制度・地区計画等の案の申出制度の概要
都市計画提案制度 地区計画等の案の申し出制度
根拠規定 都市計画法第21条の2 都市計画法第16条第3項
対象計画
都市計画区域の整備、開発及び保全の方 針、都市再開発方針等に関するものを除 く全ての都市計画
地区計画等
提案者・
申し出者
土地所有者、まちづくりNPO、UR、地方 住宅供給公社など
※条例で団体を定める。
住民又は利害関係者
※条例で具体的に規定
面積
5,000㎡以上
※条例で定める場合は、1,000 ㎡以上ま で可能
※条例で具体的に規定
同意率 3分の2以上(人数及び面積) ※条例で具体的に規定
手続等 法及び政令の規定あり
※条例で具体的に規定 ※条例で具体的に規定
【取り組みのスケジュール】
2016
年度までに着手予定