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生産方式の検討①:生産能力を考慮しない場合

ドキュメント内 生産計画の立案プロセスに関する研究 (ページ 37-40)

第 2 章 生産計画問題の数理的解法

2.5 平準化と同期化の適用

2.5.2 生産方式の検討①:生産能力を考慮しない場合

以下3つの生産方式を考案し、それぞれについて検討する。3つの生産方式は、それぞ れにおいて設定したパラメータを変化させることで、平準化から同期化生産までを可能に している。

①カット生産

日々変動する受注量に対して、受注量と受注量の月平均の差にある割合(以下、カット率 と呼ぶ)を乗じた値を受注量から引いて生産量とする。式(2.11)で示すこの生産量決定ロジ ックをカット生産として検討する。

𝑃(𝑖, 𝑗) = 𝐹(𝑖, 𝑗) − {𝐹(𝑖, 𝑗) − ∑ 𝐹(𝑖, 𝑛)

𝑁

𝑛=1

/𝑁} ∗ 𝑍 式(2.11)

𝑃(𝑖, 𝑗) :製品iのj日における生産量(生産日に完了して納入可能とする) 𝐹(𝑖, 𝑗) :製品iのj日における受注量(受注日に納入する必要があるとする)

𝑁 :1ヵ月間の稼働日数 𝑍 :カット率(0 ≤ 𝑍 ≤ 1)

式(2.11)より、1ヵ月間の合計生産量を求めると、

図2-7 各製品の受注量(左:日々変動製品 右:突発変動製品)

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∑ 𝑃(𝑖, 𝑗)

𝑁

𝑗=1

= ∑ 𝐹(𝑖, 𝑗)

𝑁

𝑗=1

式(2.12)

となり、1 ヵ月の合計受注量と等しくなることから、カット生産は生産量を決定する基本 ロジックと考える。

図2-8にカット率を0%から100%まで20%刻みで変化させた場合の日々の生産量を示 す。同期化生産に対応する、カット率が 0%に近いほど生産量は受注量と等しく、生産量 の変動は大きくなる。また、平準化生産に対応する、カット率が 100%に近いほど生産量 は平均受注量近くで一定となり、生産量の変動は小さくなる。

②判定幅生産

図2-8に示すように、平均受注量(カット率100%の生産量と同値)の2980に比べて1日 目の受注量(カット率0%の生産量と同値)は3420と大きいので、カット率20%でも生産量 は 3326 と大きい。このように、受注量の大きさによっては、実際に対応できないほどの 大きなあるいは小さな生産量となる可能性がある。そこで、生産量をある範囲内に抑える ための生産量の決定ロジックを考案する。日々に追加可能な生産量を上限値に、削減可能 な生産量を下限値に設定する。受注量が上下限の範囲内であれば受注量を、受注量が下限 を下回れば下限値を、受注量が上限を上回れば上限値を生産量とする。式(2.13)から式 (2.16)で示すこの生産量決定ロジックを判定幅生産として検討する。

𝑃(𝑖, 𝑗) = 𝐹(𝑖, 𝑗) 𝐴(𝑖) ∗ (1 − 𝐷𝑍) ≤ 𝐹(𝑖, 𝑗) ≤ 𝐴(𝑖) ∗ (1 + 𝑈𝑍) 式(2.13)

図2-8 カット生産による生産量(日々変動製品A)

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𝑃(𝑖, 𝑗) = 𝐴(𝑖) ∗ (1 − 𝐷𝑍) 𝐹(𝑖, 𝑗) ≤ 𝐴(𝑖) ∗ (1 − 𝐷𝑍) 式(2.14)

𝑃(𝑖, 𝑗) = 𝐴(𝑖) ∗ (1 + 𝑈𝑍) 𝐴(𝑖) ∗ (1 + 𝑈𝑍) ≤ 𝐹(𝑖, 𝑗) 式(2.15)

ただし、

𝐴(𝑖) = ∑ 𝐹(𝑖, 𝑛)

𝑁

𝑛=1

/𝑁 式(2.16)

とする。

𝐴(𝑖) :製品iの平均受注量

𝐷𝑍 :生産の削減が可能な平均受注量に対する割合(下限率と呼ぶ) 𝑈𝑍 :生産の追加が可能な平均受注量に対する割合(上限率と呼ぶ)

上下限率は他職場の応援や残業などをもとに設定することを想定している。図2-9に上

下限率を 0%から 20%まで 5%刻みで変化させた場合の日々の生産量を示す。1 日目と 2

日目の受注量は上下限率が10%以下で上限を上回るために、どちらの生産量も等しくなっ ている。受注量の大きさに関わらず、生産量が実際に対応できない値になることはない。

③カット+判定幅生産

カット生産と判定幅生産はそれぞれ両極端のロジックであるので、それらを組み合わせ た中間的な生産量の決定ロジックを考案する。判定幅生産の下限を下回る(式(2.14)の条件 式)、もしくは上限を上回る(式(2.15)の条件式)受注量に対して、カット生産の式(2.11)を用 いて生産量を決定するロジックをカット+判定幅生産として検討する。

図2-10に上下限率を5%に固定して、カット率を0%から100%まで20%刻みで変化さ

図2-9 判定幅生産による生産量(日々変動製品A)

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せた場合の日々の生産量を示す。5日目から9日目の生産量においては、カット率に関わ らず等しくなっている。これらの日付の受注量が上下限を超えないために、生産量は受注 量と等しくなる。

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