第 2 章 生産計画問題の数理的解法
2.5 平準化と同期化の適用
2.5.3 生産方式の検討②:生産能力を考慮する場合
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せた場合の日々の生産量を示す。5日目から9日目の生産量においては、カット率に関わ らず等しくなっている。これらの日付の受注量が上下限を超えないために、生産量は受注 量と等しくなる。
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7 製品の合計生産量を生産能力以下にするため、2.5.2 で示した各日各製品の生産量
𝑃(𝑖, 𝑗)を暫定的な生産量𝑇𝑃(𝑖, 𝑗)として、暫定量の合計と生産能力の差を各製品の受注量の
割合で分配する。生産能力と一致させる生産量決定ロジックを式(2.17)と式(2.18)に示す。
𝑃(𝑖, 𝑗) = 𝑇𝑃(𝑖, 𝑗) + {𝐶 − ∑ 𝑇𝑃(𝑚, 𝑗)
𝑀
𝑚=1
} ∗ ∑ 𝐹(𝑖, 𝑛)
𝑁
𝑛=1
/ ∑ ∑ 𝐹(𝑚, 𝑛)
𝑁
𝑛=1 𝑀
𝑚=1
式(2.17)
ただし、
𝐶 = ∑ ∑ 𝐹(𝑚, 𝑛)
𝑁
𝑛=1 𝑀
𝑚=1
/(𝑀 ∗ 𝑁) 式(2.18)
とする。
𝑇𝑃(𝑖, 𝑗) :製品iのj日における暫定量 𝐶 :1日あたりの生産能力 𝑀 :製品数
以下の生産方式の検討では、合計生産量を生産能力に一致させることによって、部品・
製品在庫が不足して在庫保有が必要になると考え、部品・製品在庫の最大不足量を評価基 準とする。部品の納入量は平均受注量で日々一定と仮定する。
①カット生産
部品在庫は式(2.11)と式(2.17)と式(2.18)より、以下の式(2.19)で与えられる。
図2-11 7製品の確定量の合計とその平均
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𝑃𝐴𝐼(𝑖, 𝑗) = (1 − 𝑍) {𝑗 ∗∑𝑁𝑛=1𝐹(𝑖, 𝑛)∑𝑀𝑚=1𝐹(𝑚, 𝑗)
∑𝑁𝑛=1∑𝑁𝑚=1𝐹(𝑚, 𝑛) − ∑ 𝐹(𝑖, 𝑛)
𝑗
𝑛=1
} 式(2.19)
𝑃𝐴𝐼(𝑖, 𝑗) :製品iのj日における部品在庫 また、製品在庫は式(2.20)で与えられる。
𝑃𝑅𝐼(𝑖, 𝑗) = 𝑗 ∗ ∑ 𝐹(𝑖, 𝑛)
𝑁
𝑛=1
∗ {1
𝑁− (1 − 𝑍) ∑𝑀𝑚=1𝐹(𝑚, 𝑗)
∑𝑁𝑛=1∑𝑀𝑚=1𝐹(𝑚, 𝑛)}
− Z ∗ ∑ 𝐹(𝑖, 𝑛)
𝑗
𝑛=1
式(2.20)
𝑃𝑅𝐼(𝑖, 𝑗) :製品iのj日における製品在庫
図2-12にカット率を100%から0%まで20%刻みで変化させた場合の製品・部品在庫の 最大不足量を示す。
カット率が 100%に近いほど製品在庫の最大不足量は大きくなり、部品在庫の最大不足 量は小さくなる。また、図 2-12 左に示すように製品在庫の最大不足量はカット率に対し て比例的に減少しないが、図 2-12 右に示すように部品在庫の最大不足量はカット率に対 して比例的に増加する。製品在庫は部品在庫と異なり、各カット率において同一日に不足 量が最大とならないため、製品在庫の最大不足量の変化はカット率に比例しない(付録 A 参照)。
②判定幅生産
図2-13に上下限率を0%から20%まで5%刻みで変化させた場合の製品在庫の最大不足
図2-12 製品在庫(左)と部品在庫(右)の最大不足量
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量を示す。製品在庫は生産能力を考慮しない判定幅生産の結果とほぼ同じ傾向を示す。し かし、突発変動製品Gだけが上下限率に関わらず常に製品在庫の不足量がゼロとなってい る。製品Gの平均受注量は2400、通常受注量は2400、突発受注量が0(1日目と2日目)
と4800(15日目と20日目)であることから、下限を下回る突発受注と下限との差が、上限
を上回る突発受注と上限との差と等しく、それぞれが生じる日数も同じである。下限を下 回る突発受注の後に上限を上回る突発受注があるため、例外的に製品Gにおいては製品在 庫の不足量がゼロとなる。
部品在庫も同様に生産能力を考慮しない判定幅生産の結果とほぼ同じ傾向を示す(図
2-14)。突発変動製品EとFでは平均生産量が平均受注量よりも小さくなるため、生産能
力に合わせた生産量での部品在庫の不足は生じにくい。一方、突発変動製品Gでは平均生
図2-13 上下限率と製品在庫の最大不足量
(左:日々変動製品 右:突発変動製品)
図2-14 上下限率と部品在庫の最大不足量
(左:日々変動製品 右:突発変動製品)
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産量が平均受注量と等しくなるため、生産能力に合わせた生産量で部品在庫が不足する結 果となる。
③カット+判定幅生産
図2-15に上下限率を5%として、カット率を100%から0%まで20%刻みで変化させた 場合の製品Aの部品在庫と製品在庫の最大不足量を示す。生産能力を考慮しないカット+
判定幅生産と比較して、部品在庫の不足量が大きくなっている。1日目と2日目の7製品 の合計受注量は小さく、その合計生産量を生産能力に合わせると、各製品の1日目と2日 目の生産量は受注量に比べて大きくなる。平均受注量よりも大きな生産量となり、部品在 庫の不足量が大きくなっている。
生産量が受注量に比べて大きくなる傾向はカット率が小さくなるほど強くなるため、製 品在庫はカット率60%以下では製品在庫が不足しない結果となる。