第 2 章 プロジェクトの周辺状況
2.5 環境への影響
(1) 工事期間中の環境への影響
本事業は都市域での給水工事であるため、工事期間中に1) 工事用車両・機械の移動・搬入 に伴う住民への騒音・土埃・交通事故の影響、2) 土取り場・土捨て場での事後処理問題が 考えられる。
工事用車両・機械の移動・搬入に伴う住民への環境影響は、要所での交通誘導・整理員の配 置すると共に、交通速度規制、土埃による住民への影響が最小となるよう専用散水車の使用 により影響緩和策の実施を検討する必要がある。
また、交通事故防止では、交通規則・速度制限の厳守、運転手の登録制度と私用の禁止、運 転手の教育・定期会合による注意喚起、交通誘導・整理員への指導等で対処する様に工事計 画を策定する必要がある。
(2) 工事実施後の影響 2-1) 水収支
カティタ川の確率低水流量および既存の水利許可に基づき既存取水地点における水収支を 以下の通り検討を行った(既存の取水量には家庭用水と灌漑の両方を含む)。
単位:m3/日
確率年 2 年 10年 25年
(1) 確率低水流量(カティタ堰) 102,20 0
(100%) 89,900 (100%) 83,600 (100%)
(2) 上流域 10,300 (10%) 10,300 (11%) 10,300 (5%)
(3) (2)〜観測所4F31 39,100 (38%) 39,100 (43%) 39,100 (47%)
(4) (3)〜既存取水地点(カティタ堰) 70,800 (69%) 70,800 (79%) 70,800 (85%)
下流への流量 -18,000 (-18%) -30,300 (-33%) -36,600 (-37%) 上記の水収支検討は、水利許可に記載されている家庭用水および灌漑用水の両方を含めた取 水量に基づいて試算したものである。現在の水利許可において家庭用水は低水期にも取水で きるのに対し、灌漑用水は豊水期のみ取水が許可されている。
環境・天然資源省によれば、渇水時には取水制限が発令され、違法な取水に対し取り締まり
も行われることになっている。しかし、水収支検討の結果に見られるように、特に、森林保 護区下流のカティタ川においては、過剰なほどの水利許可が付与されている。また、既存取 水施設の状況を見る限り、量水計等はまったく設置されておらず、実際の取水量は把握され ていないのが実態と考えられる。このような状況下で、適切な取水管理を行うのは困難であ る。河川流水の適正利用および既存給水施設への取水量の確保を図るためには、取水量の把 握および許可取水量の見直しが必要となっている。
2-2)下水量の増加に対する対応
事業の実施により、配水容量は約4,280m3/日から6,730m3/日へ増大する事となる。一方、メ ルー市当局が運営している既存下水処理設備としては、安定化池(3池)が建設されている が、維持管理技術の不足から1池は稼働していない状況にある。また、地形的に重力式下水 道施設の適用は、1ヶ所での処理を難しくしており、今後適切な下水道整備計画の策定をケ ニア側の責任の下に実施する事が望まれる。