れる。
(4) 継続的な運営・維持管理体制の確立
本計画対象地区では、環境・天然資源省の管轄の下に、メルー市上下水道サービス公社が 2001年7月に発足し、以後、同公社が既存の給水施設の運営・維持管理を行う予定である。
しかし、大半の職員は環境・天然資源省メルー中央県水道局から調達される事から、運営に 係るノウハウの不備、維持管理技術の不足、等により十分な給水サービスが出来ない可能性 もある。
本事業の実施においては、独立採算性の水道事業体である「メルー市上下水道公社」が既存 施設を含めた給水施設の維持管理を行うため、同公社にソフトコンポーネントを導入し運営 面および維持管理面での改善を図り、適切な体制整備を行う。
上記により事業実施後においては、現在65%と高い不明水率は30%まで改善される。また、
本基本設計で実施したコミュニティー給水利用者に対して実施したアンケート調査から支 払い意志が確認されている。特に、コミュニティー給水利用者は、給水された水を沸騰し飲 水として利用するため、月々平均500シリングを支出しており、煮沸せずに飲水が確保され る事なれば、これらの費用の一部が水料金に転換する事が可能となる。
このため、維持管理費は顧客から徴収する水道料金で賄うことが可能となり、継続的な運 営・維持管理体制が確立される。
5.2 技術協力・他ドナーとの連携
基本設計実施において、既にアフリカ開発銀行の資金援助により、首相府を実施官庁として エル・ニーニョ豪雨により被災したメルー市給水施設に係る修復事業を実施している。一方、
本基本設計では、同事業と連携を図りながら、実施された修復事業と重複する事なく、また 修復後の施設に対する改修計画を策定し、2005 年における水需要を満たすと共に「安全か つ安定した水供給」を実現する計画となっている。また、同事業は 2001年5月には完了す る事から、本事業の実施段階においては、他機関との連携をはかる必要性はないものと判断 される。
しかし、実施段階での日本の技術援助のスキームであるカウンターパート研修あるいは研修 生受け入れ等については、運営・維持管理要員の育成のため効果が期待される。
一方、事業実施後においても、更なる運営・維持管理能力の強化、要員の育成、等の面で日 本国が実施している研修生受け入れ、プロジェクト技術協力等も強化方策の一つとして期待 される。
5.3 課 題
本計画は上述のとおり、メルー市および周辺域住民 51,000 人のベイシック・ヒューマン・
ニーズである飲料水の安定的確保を早急に実現し、かつ今後の同地域における公共水道普及 に大きく寄与すると考えられ、我が国の無償資金協力で実施することが妥当と判断される。
更に、以下の点に充分な配慮・実施がなされるならば、本事業はより円滑かつ効果的に実施 されると考えられる。
(1) 環境・天然資源省による独立採算事業体への移行
環境・天然資源省は、メルー市水道局(DWO)を2001年3月に独立採算事業体制に移行し、
7月より業務を開始する予定である。本事業のコンポーネントの一つとして、継続的な事業 運営を実現するための運営強化を計画しており、同計画を実施するためには、移行後の円滑 な運営・管理を実施するための種々の作業が必要となっている。ケニア国側がこれらの作業 を適切に実施する事が、無償資金協力の下に事業を円滑に実施し、効果を発揮する上で重要 課題となっている。
(2) 独立採算事業体要員の確保
2001 年 7 月に移行後の営業開始が予定される独立採算事業体にとって、有能な幹部職員の 雇用は、初期の事業体経営方針の決定、これに基づく日常業務の指示・総括する上で、早急 に実施する必要が生じている。また、料金徴収率の向上は、事業の継続性を左右する重要な 課題となっている。本課題の取り組み方として、従量制度に基づく料金支払いの必要性を地 域住民へ広報・啓蒙活動が、重要な要素となる。
今後、独立採算性の下で事業体組織の詳細が検討される過程で、この点を加味した組織構成 および適切な要員配置(顧客窓口課および検針課)が、早急・適切に実施される事がケニア 側に望まれる。
(3) ケニア側負担事項の適切な実施および予算措置
本事業の実施に必要となるケニア国側負担事項の実施は、本事業を効率的に実施する上で不 可欠である。しかし、環境・天然資源省の開発予算が年々減少している中で、見返り資金の 利用が事業実施および事業体の初期費用(4百万シリング)を捻出する上で、重要な役割を 担う事となる。
実施に際しては、ケニア国環境・天然資源省が同国大蔵省と適切な連携を図り、同資金の時 宜を得た使用を可能とする様に調整を行う事が必要となっている。