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理論研究のまとめと仮説提示

(データー)

2.5 理論研究のまとめと仮説提示

組織経営においては、長い間に生産性・効率性の向上のための経済合理主義が走っ てきたが、人間の能動性、創造性を見落とした。知識社会では、人間主義を重要視し て、ナレッジワーカーの創造性、自己実現を目指してくべきである。知識は、信念で あったり思いであったりの個人の「主観」や経験と緊密に関わっており、その主観と、

普遍化・正当化の「客観」との相互作用の循環体系が知識創造である。企業は持続的 に顧客価値を提供するために、組織知識創造が重要であることに異論ができないが、

知識識創造の主体は個人のナレッジワーカー、あるいはその集まりのるチームである。

つまり、ナレッジマネジメントには個人またはチームの自律性の発揮は最も重要な要 素として抽出できる。ここで、「問題を認識し、自主的にアプローチを取る個人また はチームである」を「自律ユニット」と定義する。自律の反対は他律であるが、経営 の場合は統制に相当する(図 2-11)。この意味で、個人の人間、即ち、ナレッジワーカ ーが自主的・自律的に知創造行動を取り、彼らの行為を経営上位から捉えるのはナレ ッジマネジメントであり、それは経営のパラダイムである。本研究では、「自ら問題 を認識し、自主的にアプローチを取る個人またはチーム」を「自律ユニット」と定義 し、「組織の中で自律ユニットの存在と増殖が最も重要な要素として捉えるべきであ るという。

個人

組織(チーム、グループ、会社)

自律

個人

組織(チーム、グループ、会社)

自律

自律 統制

ユニット

統制

図 2-11 自律ユニットの位置づけ

一方、「見える化」についての考察で与えてもらった示唆で、「見える化」は、①ナ レッジワーカーの自律動機づけと知の創造活動の行動誘因となり、創造性を刺激し高 め、自律ユニットを形成していくのである。②「見える化」は「見える化」に「見る」

人間が関与し、知識創造の“場”を創出し、コミュニケーションを活性化する、③「見 える化」は、チーム全員を巻き込み、漸進にメンバーの自律動機づけを内面化してい くプロセスを提供する。したがってナレッジワーカーカーの自主的な創造活動を誘発

し、自律ユニットを増殖させ、人と組織を活性化する「見える化」仕組みを構築し、

そのうえ、現場で徹底的に実践することはナレッジマネジメントの実現に導く要因で ある。

最後に、知識社会にあたり、経済社会は「知識経済ネットワーク社会」であること が特徴付けられている。知識経済ネットワーク社会において、「個人のコラボレーシ ョンやネットワーキングが付加価値創造の原動力となる」といわれ、より高質な知識 を生み出すためには、システムネットワーク、戦略ネットワークに、自律ユニットが 中心となって知識・経験の連結、相互作用を目的にし、コミュニケーションなどの経 路を通じて新しい知識や問題解決方法を創出する知識ネットワークを加え、混合型な ネットワークの高次元の中で知識を創造・共有・活用するのが望まれる。

以上の三要素の一体となる「人と組織の活性化による三位一体のKMモデルを仮説 として提示する。(図 2-12)

現場での「見える化」

未来志向型の 人材育成 PFU未来塾

at川崎

PFU未来塾 at宇野気

混合型ネットワーク

現場での「見える化」

目的×対象×手段

個 人 チ ー

組織

自律ユニット

図 2-12 仮設モデル:人と組織の活性化による三位一体KMモデル