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独占契約か非独占契約か

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アーティストの権利とお金の流れを知ろう!

2.  独占契約か非独占契約か

ある原盤に関する音楽配信をひとつの CPに独占的に許諾する場合が独占契約(独 占的利用許諾契約)です。独占契約には、

CH自身も配信することができない「完全独 占的利用許諾契約」と、CH自身は配信する ことができる「不完全独占的利用許諾契約」

がありますが、一般には完全独占的利用許 諾契約のほうが多いと思います。独占契約 の場合、非独占契約にくらべて原盤印税の 料率を高めに設定するのが普通です。

同じ原盤を他のCPにも許諾する余地を 残したい場合は、非独占契約を結ぶことに なります。その場合は、あとで別のCPと契 約をするときも非独占の契約でなければな りません。レコード会社に音楽配信の権利 を非独占的に許諾している原盤について も、CPとは非独占的な契約しかできませ ん。

配信の種類の特定

ひとくちに「音楽配信」といっても、配信 媒体(パソコンや携帯電話など)、配信目的

(リングトーン、リングバックトーン、1曲丸 ごと配信など)、配信形式(ダウンロードか ストリーミングか)、課金形態(楽曲単位課 金か定額制か)など、様々な種類がありま す。

このような種類のうちどれを許諾の対象 あるいは許諾の条件にするのか契約書に明 確に定める必要があります。CPによっては 行っていないサービスもあるので、なるべ く対象をしぼって契約したほうが良いでし ょう。特に、独占的な契約をする場合は慎 重に検討したいものです。

原盤に関連する素材や情報の提供

報としては、アーティスト名、楽曲名、作家 名、楽曲コード、ISRCなどがあります。

ジャケット写真やアーティスト写真はコン テンツ(配信する音)をユーザーに紹介する ときに必要な素材ですが、ジャケットは通常 レコード会社が制作し、利用権も持ってい るので、ジャケット写真をCPに提供すると きは、レコード会社の同意を得る必要があ ります。

また、アーティストの写真をコンテンツの 紹介のために使用することは、レコーディン グ契約上許されているので問題はありませ んが、アーティスト写真までダウンロード配 信すること(ジャケット写真にアーティスト の肖像が含まれている場合も同じ)は、パ ブリシティ権(氏名肖像権)の問題が生じる おそれもあるので、アーティストの同意が 必要と考えるべきでしょう。

関連情報はコンテンツの紹介の他に管理 面でも必要となりますが、これらのデータ は紙媒体ではなく電子化したメタデータと してわたしたほうが良いでしょう。このとき、

メタデータに原盤コード(コンテンツID)も 加え、これをCPが作成する原盤印税計算書 に表記してもらえば、CHが行う原盤印税の 再分配計算にも役立ちます。

配信に使用する部分の選定

携帯電話のリングトーンやリングバックト ーンとして配信する場合は、再生時間が短 い(通常45秒以下)ので、原盤に収録されて いる音の一部を使うことになります。この ため、どの部分を切り取って配信するかと いう問題が生じます。切り取る箇所はCHサ イドで決めるのが望ましいですが、CPサイ ドで決める場合には、あとでアーティストな どから変更要請があったとき、CPはこれに 無償で応じる義務があることを契約書に盛

販売開始日の設定

コンテンツの販売開始日(アップロード 日)をいつにするかということは、過去にレ コード発売された原盤や、レコード化の予 定のない原盤についてはあまり重要な問題 ではありませんが、レコード会社から新譜 として発売する予定の原盤については、大 きな問題です。

レコード発売前の配信はレコードの売り 上げに悪影響を及ぼすので好ましくないと 考えれば、アップロードをレコードの発売 日以降にする必要があるので、CHがアップ ロード解禁日(販売解禁日)を指定すること ができるよう、契約書に盛り込んだほうが 良いでしょう。

原盤印税の決め方

前述したように、原盤(音の原盤)には送 信可能化権はあっても公衆送信権はないの で、送信可能化つまりアップロードすること を許諾すればその後の配信行為(公衆送信)

については権利が働きません。したがって、

音楽配信の対価としての原盤使用料は、送 信可能化だけの対価ということができるわ けで、それであれば、その対価の決め方は、

1原盤1サイトにつき月額(年額)何円という 定額方式のほうが理にかなっているような 気がします。しかし現実には、ダウンロード 配信に関する原盤使用料は、「印税単価×ダ ウンロード数」という完全な従量制(印税方 式)となっています。これは、定額方式にす ると、金額をいくらに設定するか判断が難 しいからだと思います。

「印税単価」の算出方法は、「販売価格(ダ ウンロード価格)×印税率」が普通ですが、

なかには、「(販売価格−キャリア手数料−

著作権使用料)×印税率」というのもありま す。後者の場合、印税率は前者にくらべて

数料や著作権使用料のような変動要素があ るため印税単価が把握しにくいという欠点 があります。

「ダウンロード数」はユーザーがダウンロ ードした回数のことです。なかには、実際に ユーザーから徴収したぶんのダウンロード 数を対象としたいと主張するCPもいます が、この方法だと、代金の未回収分に相当 する原盤印税が減額されてしまうので、認 めるべきではないでしょう。なぜなら、代金 回収はあくまでもCPサイドの責任で行われ るべきものであり、CHには未回収にともな う損失を負担する義務はないからです。

「印税率」は契約上もっとも重要なポイント です。ダウンロード配信の場合の標準的な 料率は、種類によって異なると思いますが、

おおむね50%から70%くらいでしょうか。

いずれにしても、レコードの原盤印税にくら べると非常に高い料率です。

ストリーミング配信に関する原盤印税の 決め方は、ユーザーから徴収する月額料金 の一定割合を原盤印税として設定し、これ を総リクエスト数で割って1リクエストあた りの印税単価を決め、これにコンテンツご とのリクエスト数をかけて1コンテンツの原 盤印税を算出する方法(この場合、印税単 価は毎回異なる)と、コンテンツごとに販売 価格を決めて原盤印税単価を確定し、これ にリクエスト数(ユーザー数)をかけて印税 額を算出する方法がありますが、これは、

CPが提案する方法に従うしかないでしょう。

契約金と最低保証金

音楽配信することを許諾してもリクエスト がなければ原盤印税がまったく発生しない という完全従量制の矛盾、欠点を補完とす る手段として、契約金や最低保証金(ミニマ ムギャランティ=MG)を契約時にCPから受 領することがあります。これは、独占的な契

なお、契約金は原盤印税から償還されませ んが、MGについては、印税前払金と同様 の性質のものなので、原盤印税から償還さ れます。

原盤印税計算書

音楽配信に関する原盤印税の計算書は、

アーティストなどに再分配するときのことを 考慮し、紙媒体だけでなくエクセルデータ などの電子媒体でも入手したいものです。

ただ、計算書を電子データで入手しても、

各CPから異なったフォーマットでデータが 送られてくるため、CHは再分配計算に多大 な労力を費やしているのが現状です。

この点については、MPAとNMRC(ネッ トワーク音楽著作権連絡協議会)が計算書 フォーマットの統一化について協議してい るので、近い将来、フォーマットの統一化が 実現すると思います。

著作権使用料

音楽配信に関する著作権使用料は音楽の 利用者であるCPが負担すべきものなので、

契約書にその旨明記する必要があります。

なかには、音楽配信ビジネスをCHとCPと の共同事業のような考え方に基づいて作成 したと思われる契約書を提示するCPもいま すが、その場合でも、著作権使用料はCPが 単独で負担すべきです。

契約期間

契約期間は1年から3年くらいが一般的で しょうか(自動延長規定付きの場合が多い)。 なお、契約対象となる原盤に、契約期間中 にCHが音楽配信の権利を失う可能性のあ る原盤が含まれる場合には、実際に権利を 失ったときに、CHが債務不履行の責めを負 うことなく、その原盤の配信を中止できる ようにしておく必要があります。

[メジャーレーベルの場合]

CD1枚の値段を3,000円(税別)

とした場合の内訳(概算)。

※プロデューサーが印税契約の場合は、原 盤印税から支払われるのが一般的です。

※この表はレーベルが原盤を制作していな い場合のものです。

[インディーズレーベルの場合]

インディーズレーベルの場合、自 由度が高いので、様々なケース が存在します。

2 著作権使用料の流れ

1 CD

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