香川県1市町において、ナガエツルノゲイトウの発見から同定までに約5か 月、防除に着手するまでに7か月以上を要している。
同市町は、平成23年10月に香川県東讃土地改良事務所から、市町の池で特定 外来生物のナガエツルノゲイトウとみられる植物が発見されたとの連絡を受け、
同日、その防除を行うため、香川県みどり保全課を通じて中国四国地方環境事務 所高松事務所に同定を依頼した。
同事務所では、ナガエツルノゲイトウの同定を行う能力を有する専門職員がい ないため、外部の専門家に同定の依頼を行い、その結果、同定が平成24年3月
図表3-⑵
- 132 -通 知 説明図表番号 頃となった。
同市町は、その後同年5月に単独でナガエツルノゲイトウの防除を試みたが、
既に広く繁茂し、手がつけられない状況であっため、同年10月に中国四国地方 環境事務所から法第18条第1項に基づく防除の確認を受け、同年11月に香川県 の協力を得て、防除に着手したが、現在も完全な防除に至っておらず、当該ため 池から用水路を経由して流入する水田において、ナガエツルノゲイトウの繁茂が 確認されている。
ナガエツルノゲイトウは、主に水辺で生育し、たとえ茎の切れ端であっても繁 殖する等生命力が旺盛であり、また、乾燥に強いことから、ため池から農業用用 水路を経由して農地に侵入したり、農業機械に付着し他の農地に侵入し急激に増 殖することが懸念される。農地等で繁殖した場合には、水稲の生育を阻害し、収 穫量が減少することが考えられ、ため池の多い地域においては、特に早期発見と 防除についての啓発が重要となっている。
【所見】
したがって、中国四国地方環境事務所は、特定外来生物の防除等の適正化を図る ため、以下の措置を講ずる必要がある。
① 中国四国地方9県の特定外来生物を所管している自然環境担当部局等との間 で、それぞれが把握している特定外来生物の生息(生育)に係る情報の定期的な 共有を図り、必要に応じて、国が有する専門的な知見を提供すること。
② 地方公共団体や住民からの特定外来生物の同定依頼に迅速に対応するため、管 内外の特定外来生物の専門家の把握に努めること。
- 133 -図表3-⑴ 中国四国地方環境事務所、徳島県及び香川県による両県内における特定外来生物の
分布の把握状況
種類 特定外来生物名
徳島県内 香川県内
地方環 境事務 所によ る分布 の確認 の有無
県によ る分布 の確認 の有無
備 考
地方環 境事務 所によ る分布 の確認 の有無
県によ る分布 の確認 の有無
備 考
哺乳類 ① アライグマ ○ ○ ○ ○
② ヌートリア × (△) 県は伝聞のみ ○ ○
③ クリハラリス ○ × 県は未確認 ○ × 県は未確認
鳥類 ④ ソウシチョウ ○ ○ ○ ○
爬虫類
⑤ カミツキガメ ○ ○
県は 10 匹弱を確認 し、生息していると
判断 × (△)
3匹(いずれも別々 の市町で発見され、
ペットの逃亡が疑わ れるもの)
両生類 ⑥ ウシガエル ○ ○ ○ ○
魚類 ⑦ カダヤシ ○ ○ ○ ○
⑧ ブルーギル ○ ○ ○ ○
⑨ コクチバス ○ ○ ○ × 県は未確認
⑩ オオクチバス ○ ○ ○ ○
昆虫類 ⑪ アルゼンチンアリ ○ ○ × ×
無脊椎動物 ⑫ セアカゴケグモ ○ ○ ○ ○
植物 ⑬ オオキンケイギク ○ ○ ○ ○
⑭ オオハンゴンソウ ○ ○ × ○ 県は23年度に確認
⑮ ナルトサワギク ○ ○ ○ ○
⑯ オオカワヂシャ ○ ○ ○ ○
⑰ ナガエツルノゲイトウ ○ ○ ○ ○
⑱ アレチウリ ○ ○ ○ ○
⑲ オオフサモ ○ ○ ○ ○
⑳ ボタンウキクサ ○ ○ ○ ○
㉑ ア ゾ ラ ・ ク リ ス タ ー タ ○ ○ ○ × 県は交雑種を確認
計 20 19 18 16
(注) 1 四国行政評価支局の調査結果による。
2 環境事務所(環境省)、県のいずれかが生息(生育)を確認しているもののみについて記載した。
3 「環境事務所が分布を確認」しているものは、平成21年度までに環境本省において分布を確認したものに加 え、中国四国地方環境事務所が現時点で両県において生息(生育)を確認しているものを計上している。
また、徳島県及び香川県が分布を確認しているものについては、当局の調査結果による(平成25年9月末現 在)。
4 太字は、環境事務所(環境省)と両県で生息(生育)の確認状況に差異のあるものを示す。
5 カミツキガメについて、香川県(ホームページ)では、生息を確認している特定外来生物としてあげているが、ペ ットが逃げ出したもの(1匹のみ)と考えられるため、当局の調査結果では、生息を確認しているものから除外した。
6 徳島県のホームページ(特定外来生物19 種類)では、ヌートリアは生息が確認されているものとして、逆に、コ クチバスが生息は確認されていないものとされている。
7 △は、生息しているとは判断できないため、それぞれの計には参入していない。