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燃焼および排気特性

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第 5 章  2元燃料圧縮着火機関に関する実験結果および考察

5.1  天然ガス予混合気の燃焼

5.1.1  燃焼および排気特性

Pme=0.33[MPa]、TIN=120[°C]、θinj=5° BTDC、dN=0.20 [mm]およびε=18.2 の場合について、軽油噴射量の減少に基づく燃焼時間履歴の変化、および排気 特性と燃料消費率の変化を図 5-1(a)および(b)にそれぞれ示す。図 5-1(a)の縦 軸 P は筒内ガス圧力、dQ/dθは熱発生率、Lift はノズル針弁リフトを、横軸 CA は ク ラ ン ク 角 度 を 示 す 。 凡 例 の 数 字 は 1 サ イ ク ル 当 た り の 軽 油 噴 射 量 [mg/cycle]と天然ガスの当量比を、括弧内の数字は全供給熱量に対する軽油の 供給熱量の割合を示す。図 5-1(b)の縦軸 Te は排気平均温度、THC は未燃化炭 化水素排出率、NOx は窒素酸化物排出率、Smoke は粒子状物質排出率を表す。図 5-1(a)において、軽油噴射量が最大の 2.45[mg/cycle]の場合、熱発生率の第 1 ピークと 2 ピークは明確に区別できる。軽油噴射量を減少すると、着火源が減 少することによって第1ピークが低下し、同時に燃焼速度が遅くなり、その結 果、第 2 ピークが下がり、燃焼期間が延びる。軽油噴射量が最小の 0.98  [mg/cycle]の場合は、軽油噴射量が少ないため、第 1 ピークが明確に現れず、

第 2 ピークとの区別ができない。これらの結果から判断すれば、軽油の着火に より第 1 ピークが現れ、軽油噴霧が火炎核となり、天然ガス予混合気内を火炎 が伝播し、第 2 ピークが現れるものと推定される。図 5-1(b)に示すように、

軽油噴射量の減少により排気温度が上昇するのは燃焼期間が増大することに基 づいており、排気損失の増加につながる。また、天然ガス当量比の増加によっ て THC 排出率が増加することも、燃費増加の要因になっている。一方、最高筒 内圧力が低くなるため、筒内平均ガス温度が低下し、NOx 排出率が減少する。 

(a) Change in combustion history (b) Change in exhaust emissions and fuel consumption Figure 5-1 Effect of amount of gas oil as ignition source in NG PCCI engine

(Pme=0.33[MPa], TIN=120[°C], θinj=5° BTDC, dN=0.20[mm], ε=18.2)  

安定着火のための最小軽油噴射量の吸気温度による変化を図 5-2 に示す。○

印は負荷 Pme=0.33[MPa]の場合、▽印は負荷 Pme=0.58[MPa]の場合である。最 小軽油噴射量は、着火のために必要な最小着火エネルギーで、失火限界である。

吸気温度の上昇に伴い混合気温度が上昇し、着火に必要なエネルギーが小さく なるので、最小軽油噴射量が減少する。また、負荷の増加により燃焼室内の混 合気温度が高くなり、小さいエネルギーで着火できるため、最小軽油噴射量が 減少する。なお、Pme=0.58[MPa]の場合、吸気温度 80[°C]以上では、吸気温度 が過度に高いため、着火と同時にノックが発生した。 

Figure 5-2 Effect of injection amount of gas oil as ignition source on misfire limit in NG PCCI engine (θinj=5˚BTDC, dN=0.20[mm], ε=18.2)

Figure 5-3 Change in combustion history due to engine load in NG PCCI engine (TIN=80[°C], GGO=1.47[mg/cycle], θinj=5° BTDC, dN=0.20[mm], ε=18.2)

負荷の増加に基づく燃焼時間履歴の変化を図 5-3 に示す。実験では、軽油噴 射量を一定に保ち、天然ガス当量比を増加させて負荷を増加している。天然ガ ス当量比の増加にも拘わらず、着火遅れが増加しないことから、天然ガス混合 気濃度は軽油の着火に影響を与えないことが分かる。また、負荷が増加するに つれ、軽油の着火に基づく熱発生率の第 1 ピークは顕著でなくなり、天然ガス の燃焼を代表する第2ピークだけが顕著に高くなる。高負荷ほど天然ガス当量 比が理論混合比により近づくため、燃焼速度が速くなり、その結果、燃焼期間 が短縮される。 

 

Pme=0.33[MPa] (b)Pme=0.49[MPa]

Figure 5-4 Change in combustion history due to intake temperature in NG PCCI engine (GGO=1.47[mg/cycle], θinj=5° BTDC, dN=0.20 [mm], ε=18.2)

吸気温度上昇に基づく燃焼時間履歴の変化を図 5-4(a)と(b)に示す。 (a)は Pme=0.33[MPa]、(b)は Pme=0.49[MPa]の場合である。吸気温度の上昇に伴い、

いずれも場合も、軽油による着火が僅かに早くなる。低負荷の Pme=0.33[MPa]

の場合、吸気温度上昇に伴う天然ガス燃焼速度の増加は僅かである。また、高

負荷の Pme=0.49[MPa]の場合には、吸気温度上昇に伴い天然ガス予混合気燃焼 速度が速くなって燃焼時間が短縮される傾向が見られる。吸気温度が過度に高 い場合は、天然ガスの急激な燃焼が起こり、ノックに至る。Pme=0.49[MPa] の 場合、ノック限界吸気温度は 120[°C]である。 

図 5-5 は、EGR 比の増加に基づく燃焼時間履歴の変化を、低負荷 Pme=0.33[MPa]

の場合について示す。XEGR=0.20 の場合は EGR による着火遅れの増加は僅かで あるが、XEGR=0.34 の場合は EGR により着火遅れが顕著に増加し、着火時期が TDC 以後に遅延され、最高燃焼圧力が低下する。EGR 比が小さい場合に着火遅れ が増加しないことについては 5.1.2 節で述べる。 

EGR 比の増加により筒内平均ガス温度が低下するので、図 5-6 に示すように、

NOx が低下する。一方、吸気温度上昇により NOxは増加する。EGR 比の増加に 伴い、クレビス内の未燃混合気が減少するので THC 排出率が低下し、また、吸 気温度上昇によっても THC 排出率が顕著に低下する。THC の減少に基づく燃焼 効率の向上が、燃料消費率低減の要因と推定される。 

Figure 5-5 Change in combustion history due to EGR ratio in NG PCCI engine (Pme=0.33[MPa], TIN=80[°C], GGO=1.47[mg/cycle], θinj=5° BTDC, dN=0.20 [mm],

ε=18.2)

Figure 5-6 Effects of EGR and intake temperature on exhaust emissions and fuel consumption in NG PCCI engine

(Pme=0.33[MPa], GGO=1.47[mg/cycle], θinj=5° BTDC, dN=0.20 [mm], ε=18.2)  

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