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伝熱量の計算

4.1.3 熱通過率

4.1 熱伝導による伝熱 151

Q 4.2 内径30 mm,厚さ8.0 mm,熱伝導率0.15 W/(m·K)の材料の外側に厚さ15 mm 熱伝導率0.03 W/(m·K)の円管状材料が密着してある.外側の円管外表面温度が 25C,内側材料の内面温度が200Cのとき,円管単位長さあたりの放熱量を求 めよ.

A 本例題は2重円管における半径方向熱量計算の例である.

(4.16)において,題意よりL= 1 mT1= 200CT3= 25Cであるから,

Q= 2πL(T1−T3) ln(r2/r1)

λ1 +ln(r3/r2) λ2

= 2π(20025)

ln(0.038/0.030)

0.15 +ln(0.053/0.038) 0.03

= 86.8 W

すなわち,円管の内側から円管外へ86.8 Wの放熱がある.

 なお,二つの材料が密着している位置の温度は,式(4.15)から内面温度または外面温 度を用いて得ることができる.すなわち内面温度からは,

T2=T1 Q 2πL

ln(r2/r1)

λ1 = 20086.8 2π

ln(0.038/0.030)

0.15 = 178.2C また,外面温度からは次式で得ることができる.

T2=T3+ Q 2πL

ln(r3/r2)

λ2 = 25 +86.8 2π

ln(0.053/0.038)

0.03 = 178.2C

T2

Tout T1

Tin

L l

流体が流れている 熱伝達率ain

熱伝達率aout

Q

流体が流れている

4.4 流体に接する固体と温度分布

る熱量は,熱伝達率をαinとすると,

Q1=in(Tin−T1) (4.18)

と表せるのは式(4.17)からも理解できる.壁を通過する熱量はフーリエの法則から

式(4.8)が適用される.壁を通過した熱量は壁の右側の流体へ放熱されるが,この

ときの熱伝達率をαoutとすると,平板に流入する熱量の場合と同様に次式となる.

Q2=out(T2−Tout) (4.19)

ここでは定常状態を考えているから,図4.4における各部分を通過する熱量は等し くなければならない.したがって,次の関係式が得られる.

Q=in(Tin−T1) =−Aλ(T2−T1)

L =out(T2−Tout) (4.20) ここで,式(4.20)の関係式において壁の両端温度T1T2を消去し,壁の両側にあ る流体温度のみを用いて熱量を表現すると以下のように示される.

Q= A(Tin−Tout) 1

αin +L λ+ 1

αout

(4.21)

壁の両面温度T1T2は,式(4.21)を式(4.20)に代入することにより簡単に得られ る.上式で1/αは熱伝達抵抗をまたL/λは式(4.10)で示したように熱伝導抵抗を 表し,

1 K = 1

αin+ L λ+ 1

αout (4.22)

は,これらの抵抗が直列に結ばれた全熱抵抗である.式(4.22)で示されたKを熱

通過率[W/(m2·K)]といい,熱伝達率と同じ次元をもつ.したがって,伝熱面積A

を単位時間に通過する熱量は熱通過率を用い以下のように示すことができる.

4.1 熱伝導による伝熱 153

Q=AK(Tin−Tout) (4.23)

多層平板(n枚)における熱通過率は,単層平板の熱抵抗の式(4.22)に多層平板の熱 伝導抵抗を考慮することで以下のようになる.

1 K = 1

αin+ L1 λ1 +L2

λ2 +· · ·+ Ln

λn

+ 1

αout (4.24)

Q 4.3 4.4において,厚さ150 mmのコンクリート(熱伝導率:1.2 W/(m·K))の壁 があるとき,単位面積あたり(1 m2)の通過熱量と両壁面温度を求めよ.ただし,

壁左側の室内温度は25C,熱伝達率は6 W/(m2·K)であり,右側の戸外温度は

15C,熱伝達率は20 W/(m2·K)とする.

A 単位面積あたりの通過熱量は式(4.21)より,

Q= A(Tin−Tout) 1

αin+L λ+ 1

αout

= 25(15) 1

6+0.15 1.2 + 1

20

= 117.1 W

として得られる.

 内表面と外表面壁温度は,式(4.20)からそれぞれ,

T1=Tin Q

αin = 25117.1

6 = 5.48C T2=Tout+ Q

αout =−15 +117.1

20 =−9.15C

を得る.通過する熱量が一定な定常状態においては,熱伝達率の大きな場合,物体表面 と流体間の温度差が少ないことがこの計算結果からわかる.

円筒座標において半径方向の熱量Qは式(4.14)で示された.円管の内外径を流体 が通過し,Tin> Toutの場合,管内流体から管外流体への熱量Qは次式で示される.

Q= 2πL(Tin−Tout) 1

αinr1 + 1 λlnr2

r1+ 1 αoutr2

(4.25)

また,多重円管については,

Q= 2πL(Tin−Tout)

1 αinr1 + 1

λ1lnr2 r1 + 1

λ2lnr3

r2 +· · ·+ 1 λn

lnrn+1 rn

+ 1

αoutrn+1 (4.26)

として通過する熱量を計算することができる.

◆ 4.2 ◆ 対流による伝熱

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