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照明型環境装置の造形イメージに対し製造主体と配置主体の捉え方

6.1 本章の目的

6.2 調査および分析の方法

6.2.1 調査の対象メーカーの選定

 

 これまで多くの製品デザインでは、“イメージ”用語を用いて“造形イメー ジ”を表現し、造形イメージに対応するように形の操作をしながらデザイン 開発する方法がとられており、関連する研究も多くなされている。本研究で は既製品の造形イメージに対する捉え方の調査のため、照明型環境装置のデ ザインの分類や評価の際の指針となる“造形イメージ用語”の抽出を行った。

その結果、製品のデザインや意匠イメージ、街路空間イメージに関する研究 など、また、各社のカタログで用いられている形容詞 193 個を抽出できた

(表 6-2-1)。調査を行う際にアンケート[注 1]により製造主体と配置主 体の両側から「昼景を配慮したデザインの観点から照明装置の造形イメージ を表現することができる言葉」選択をしてもらった。また、2回目のアンケー ト結果に多次元尺度構成法の 1 つである最小次元解析法[注 2]を適用する ことで“造形イメージ用語”の抽出ができ、いわゆる照明型環境装置の造形イ メージの分類ができた。この結果から、製造主体と配置主体の両側により比 較・分析することを行った。また、造形イメージに対応するように照明型環 境装置のデザインを選択するため、3 回目のアンケート調査を実施し、造形 イメージに対応する製品のデザインを抽出した結果を比較・分析した。

 既製品の造形イメージに対する捉え方の調査については結果を把握するた め、関係項目の表や画像、グラフを作成し、分析・比較を行った。

6.2.2 調査の方法

6.2.3 分析の方法

表 6-2-1 既往研究から抽出された形容詞一覧表

 カタログ調査[注 3]により、低ポール照明型環境装置は構造も灯部形態 も多様なタイプがあることがわかった。これは、低ポール照明型環境装置は 大多数が歩道系照明型環境装置なので車道系照明型環境装置よりもデザイン の自由度が高いためである。このような理由から、既製品の造形イメージに 対する捉え方の調査は低ポール照明型環境装置のみを対象として行った。

 P 社における既製品の造形イメージに対する捉え方の調査では、前述した 製品のデザインや街路空間のイメージに関する研究調査および各社のカタロ グで用いられているイメージ用語 193 個から、P 社のすべての低ポール照 明型環境装置に対し、昼景観を配慮する観点からみた照明型環境装置の造形 イメージを表現する言葉について、P 社のプロダクトデザイナー 5 人に対し てアンケートにより意見を伺った。アンケートの回答として、A)歩道系照 明製品の造形イメージが表現できる言葉、B)歩道系照明製品に対応する街 路空間のイメージが表現できる言葉、C)A と B の両方に該当する言葉、D)

いずれにも該当しない言葉の 4 つを設けた。その結果、P 社における 21 個 の形容詞が選択された(表 6-3-1)。

 これらの言葉には類似関係や従属関係が認められたため、P 社のデザイ ナーに対して 2 回目のアンケート調査を行った。21 個の言葉から2個を取 り出すときの全組み合わせ(21C2=210 通り)について、一対比較により 6.3.1 P 社における既製品の造形イメージに対する捉え方の調査

6.3 調査および整理結果

表 6-3-1 P 社により選択された形容詞

評価してもらい、その結果を多次元尺度構成法の1つである最小次元解析

(MDA)によって分析した。分析の結果、表現可能な最小次元は2次元と なり、散布図上に5つのグループが認められた(図 6-3-1)。

 そこで、P 社のデザイナーと検討の上、それぞれのグループを構成する言 葉の中から P 社の歩道系照明型装置の造形イメージに対し、その造形イメー ジを最もよく表現することのできる言葉として、グループ1からは「アーバ ン」、グループ2からは「スタンダード」、グループ3からは「モダン」、

グループ4からは「クラシック」、グループ5からは「和風」を選択し、5 個の言葉を P 社の歩道系照明型環境装置の造形イメージを表すイメージ用 語として抽出した。すなわち、P 社における歩道系照明型環境装置の造形イ メージについて「アーバン」、「スタンダード」、「モダン」、「クラシッ ク」、「和風」の 5 つタイプに分類できる。

 また、それぞれのイメージタイプに対応するデザイン造形を把握するこ と、および配置主体における造形イメージの捉え方に関する調査用のサンプ ルを抽出することを目的として、3 回目のアンケート調査を行った。P 社の 5 名のデザイナーにより、P 社のすべての歩道系照明型環境装置の画像を添

図 6-3-1 P 社における MDA の結果と抽出した 5 個のイメージ用語

付し、1 つのデザインについて、この照明型環境装置のデザインは「アーバ ン」タイプと思うか、「スタンダード」タイプと思うか、「モダン」タイプ と思うか、「クラシック」タイプと思うか、「和風」タイプと思うか、と言 う質問別に「非常に思う」、「やや思う」、「やや思わない」「非常に思わ ない」の 4 段評価を設けた。アンケート結果から各デザインタイプに対し、

2 つの歩道系照明型環境装置が抽出でき、5 タイプで合わせて 10 つのサン プルが抽出できた(図 6-3-2)。

図 6-3-2 P 社により抽出できた歩道系照明型環境装置のサンプル

 T 社における既製品の造形イメージに対する捉え方の調査では、前述した 製品のデザインや街路空間のイメージに関する研究調査および各社のカタロ グで用いられているイメージ用語 193 個から、T 社のすべての低ポール照 明型環境装置に対し、昼景観を配慮する観点からみた照明型環境装置の造形 イメージを表現する言葉について、T 社のプロダクトデザイナー 6 人に対し てアンケートにより意見を伺った。アンケートの回答として、A)歩道系照 明製品の造形イメージが表現できる言葉、B)歩道系照明製品に対応する街 路空間のイメージが表現できる言葉、C)A と B の両方に該当する言葉、D)

いずれにも該当しない言葉の 4 つを設けた。その結果、T 社における 19 個 の形容詞が選択された(表 6-3-2)。

 これらの言葉には類似関係や従属関係が認められたため、T 社のデザイ ナーに対して 2 回目のアンケート調査を行った。19 個の言葉から2個を取 り出すときの全組み合わせ(19C2=171 通り)について、一対比較により 相互の意味内容の非類似性を「似ている=1~似ていない= 5」の 5 段階で 評価してもらい、その結果を多次元尺度構成法の1つである最小次元解析

(MDA)によって分析した。分析の結果、表現可能な最小次元は2次元と なり、散布図上に 4 つのグループと 1 つの独立した言葉が認められた(図 6-3-3)。

 そこで、T 社のデザイナーと検討の上、それぞれのグループを構成する言 葉の中から T 社の歩道系照明型装置の造形イメージに対し、その造形イメー ジを最もよく表現することのできる言葉として、グループ1からは「アーバ 6.3.2 T 社における既製品の造形イメージに対する捉え方の調査

表 6-3-2 T 社により選択された形容詞

ン」、グループ2からは「モダン」、グループ3からは「クラシック」、グルー プ4からは「スタンダード」を選択し、1 つの独立した「和風」を加えて 5 個の言葉を T 社の歩道系照明型環境装置の造形イメージを表すイメージ用 語として抽出した。すなわち、T 社における歩道系照明型環境装置の造形イ メージについて「アーバン」、「モダン」、「クラシック」、「スタンダード」、

「和風」の5つタイプに分類できた。この結果とP社は一致することがわかっ た。

 また、それぞれのイメージタイプに対応するデザイン造形を把握するこ と、および配置主体における造形イメージの捉え方に関する調査用のサンプ ルを抽出することを目的として、3 回目のアンケート調査を行った。T 社の 6 名のデザイナーにより、T 社のすべての歩道系照明型環境装置の画像を添 付し、1 つのデザインについて、この照明型環境装置のデザインは「アーバ ン」タイプと思うか、「スタンダード」タイプと思うか、「モダン」タイプ と思うか、「クラシック」タイプと思うか、「和風」タイプと思うか、と言 う質問別に「非常に思う」、「やや思う」、「やや思わない」「非常に思わ

図 6-3-3 T 社における MDA の結果と抽出した 5 個のイメージ用語

2 つの歩道系照明型環境装置が抽出でき、5 タイプで合わせて 10 つのサン プルが抽出できた(図 6-3-4)。

図 6-3-4 T 社により抽出できた歩道系照明型環境装置のサンプル

 I 社における既製品の造形イメージに対する捉え方の調査では、前述した 製品のデザインや街路空間のイメージに関する研究調査、および各社のカタ ログで用いられているイメージ用語 193 個から、I 社のすべての低ポール照 明型環境装置に対し、昼景観を配慮する観点からみた照明型環境装置の造形 イメージを表現する言葉について、I 社のプロダクトデザイナー 5 人に対し てアンケートにより意見を伺った。アンケートの回答として、A)歩道系照 明製品の造形イメージが表現できる言葉、B)歩道系照明製品に対応する街 路空間のイメージが表現できる言葉、C)A と B の両方に該当する言葉、D)

いずれにも該当しない言葉の 4 つを設けた。その結果、I 社における 18 個 の形容詞が選択された(表 6-3-3)。

 

 これらの言葉には類似関係や従属関係が認められたため、I 社のデザイ ナーに対して 2 回目のアンケート調査を行った。18 個の言葉から2個を取 り出すときの全組み合わせ(18C2=153 通り)について、一対比較により 相互の意味内容の非類似性を「似ている=1~似ていない= 5」の 5 段階で 評価してもらい、その結果を多次元尺度構成法の1つである最小次元解析

(MDA)によって分析した。分析の結果、表現可能な最小次元は2次元と なり、散布図上に5つのグループが認められた(図 6-3-5)。

 そこで、I 社のデザイナーと検討の上、それぞれのグループを構成する言 葉の中から I 社の歩道系照明型装置の造形イメージに対し、その造形イメー ジを最もよく表現することのできる言葉として、グループ1からは「アーバ 6.3.3 I 社における既製品の造形イメージに対する捉え方の調査

表 6-3-3 I 社により選択された形容詞