通常の状況下では、TCD に定期的な保守操作は不要です。ただし、化学物質が検出器 内で濃縮または重合するおそれがあり、検出器がそれに曝されて性能が低下する可能 性がある場合、フィラメントを高温 (最大 300°C) で焼き出してクリーニングする方法 が考えられます。この手順の間、不活性キャリアガスのフローを維持してください。
フィラメントの温度を焼き出しに適切な設定ポイント温度まで上昇させることも必要 です。汚染を除去するのに 24 時間の焼き出しでは不十分な場合は、ユニットを工場 に返却して分解、クリーニングしてもらう必要があります。
TCD の停止
分析サイクルの終了時に検出器を停止するには:
1. フィラメントをオフにします。
2. キャリアガスフローを通常運転時のフローの 50% にまで落とします。
155
Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル
ECD の保守
このセクションでは、ECD (電子捕獲検出器) を保守する手順について説明します。
モジュールと検出器のコンポーネントを図 110 と図 111 に示します。
図 110. ECD モジュールのコンポーネント
モジュールの フラップカバー
信号ケーブル エキサイテーショ ンケーブル 集電極 (陽極) 平行ネジプラグ 図 111 を参照 チムニー 検出器セル 絶縁カバー
図 111. 集電極 (陽極) 平行ネジプラグ
集電極 (陽極) 平行ネジプラグ
ECD の保守
ECD 検出器の定期保守に含まれる操作は以下のとおりです。
• 集電極 (陽極) の洗浄
集電極の洗浄は、年に 1 回、または検出器の汚れが原因で高ノイズのベースライ ンが検出されたときに実施することをお勧めします。必要に応じて集電極を交換 してください。
「集電極 (陽極) の洗浄または交換」を参照してください。
検出器の保守操作を始める前に、以下の注意事項をよくお読みください。
警告 ECD (電子捕獲検出器) には、63Ni β 線放出放射性源が含まれています。
最大動作温度は 400°C です。安全装置が過熱を防止します。ソースの過熱は活性 の消失につながる可能性があります。通常の動作条件で、固体または気体の放射 性物質が拡散することはありません。これにより、直接放射線および二次放射線 の危険はすべて除去されます。
ユーザー自らこの検出器を開けたり取り扱ったりすることは絶対にやめてくださ い。検出器の一部だけを分解する場合を含め、いかなる保守点検操作の実施も サーモフィッシャーサイエンティフィックの施設または特殊な放射性物質取扱免 許を交付されたラボにしか許可されていません。
重要 米国原子力規制委員会 (US NRC) の管轄下のお客様は、 ECD のような一般 免許と特殊免許の両方の対象となる装置に関する契約内容のリスト、および規制 当局の最新の連絡先情報を http://nrc-stp.ornl.gov/rulemaking.html で確認することが できます。これらの情報は US NRC が管理しています。
警告 火傷を防ぐため、すべての操作は低温時に実施する必要があります。
そのため一連の操作を始める前に、検出器を室温まで冷却する必要があります。
ECD 検出器の保守に必要な用品 超音波洗浄器
GC グレードヘキサン GC グレードトルエン 目の細かい紙やすり 小型のマイナスドライバー T20 トルクスドライバー 鉗子またはピンセット 必要な場合、集電極 (陽極)
157
Thermo Scientific TRACE 1300/TRACE 1310 ハードウェアマニュアル