中等症から重症のアトピー性皮膚炎患者を対象として用法用量を検討した用量検討試験
(R668-AD-1021 試験)11-13) 目的:
主要目的:
中等症から重症のアトピー性皮膚炎(AD)の成人患者を対象にデュピルマブの複数用法・用量の有 効性をプラセボと比較して評価する
副次目的:
中等症から重症の AD の成人患者を対象にデュピルマブの複数用法・用量の安全性をプラセボ と比較して評価
中等症から重症の AD の成人患者を対象にデュピルマブの複数用法・用量の薬物動態(PK)を 評価
中等症から重症の AD の成人患者を対象にデュピルマブの複数用法・用量間で免疫反応の発現 可能性を評価し、プラセボと比較
試験デザイン:多施設共同、ランダム化、プラセボ対照、二重盲検、並行群間、用量検討試験 対象:中等症から重症のAD成人患者
主な選択基準:
1. 18歳以上の患者
2. スクリーニング来院前の少なくとも 3 年間、AAD 合意基準(Eichenfeld 2004)により診断さ れた慢性ADに罹患している患者
3. スクリーニング時のEASIスコア≧12かつベースライン時のEASIスコア≧16の患者
4. スクリーニング及びベースライン時のIGAスコア≧3及びBSAに占めるAD病変の割合≧10%
の患者
5. 局所治療に反応不十分な直近の治療歴(スクリーニング来院 6 か月以内)を有する又は局所治 療が推奨されない患者
主な除外基準:
1. ベースライン来院前 4 週間以内に次の治療がされた又は治験薬投与の最初の 4 週間以内に、治 験責任医師/治験分担医師の意見で次の治療が必要となる可能性のある状態の患者
・ 全身性の副腎皮質ステロイド
・ 免疫抑制/免疫調節薬(シクロスポリン、ミコフェノール酸モフェチル、IFN-γ、ヤヌスキ ナーゼ阻害剤、アザチオプリン又はメトトレキサート)
・ 光線療法
2. ベースライン来院の前1週間以内にTCS(ステロイド外用剤)又はタクロリムス及び/又はピメ クロリムスにより治療された患者
試験方法:
本試験では、適格性の基準を満たした AD 患者を以下の 6 投与群(デュピルマブ:5 投与群、プラ セボ:1投与群)に1:1:1:1:1:1にランダムに割り付けた。疾患の重症度(中等症AD/重症AD)及 び地域(日本/その他の地域)を層別因子として無作為化された。試験期間は、スクリーニング期 間、治験薬投与期間(Week 16)及び追跡観察期間(Week 32)で構成され、Day(D)1 から Week 15(Day 106)まで治験薬が毎週 1 回投与された。各群の初回用量は、次の通りであった。
Q2W及びQ4Wに割り付けられた患者は、本剤が投与されない週にはプラセボが投与された。
治験薬及び投与方法:
<デュピルマブ(本剤)>
100 mg Q4W群:初回用量400 mg投与後、毎週1回治験薬を投与した。
300 mg Q4W群:初回用量600 mg投与後、毎週1回治験薬を投与した。
200 mg Q2W群:初回用量400 mg投与後、毎週1回治験薬を投与した。
300 mg Q2W群:初回用量600 mg投与後、毎週1回治験薬を投与した。
300 mg QW群 :初回用量600 mg投与後、毎週1回治験薬を投与した。
Ⅴ.治療に関する項目
AD-1021 試験<プラセボ>
プラセボ群:初回用量としてプラセボ投与後、毎週1回プラセボを投与した。
有効性は、EASIスコア、AD 重症度に関するIGAスコア、そう痒NRSスコア、そう痒カテゴリー スケール、SCORAD、POEM(患者自身による湿疹評価)及び GISS(全般症状スコア)により評 価した。
安全性は、有害事象、身体所見、バイタルサイン、ECG及び臨床検査により評価した。
機能性デュピルマブ濃度、ADA 測定用、研究用及び探索的バイオマーカー分析用の検体を規定され た各時点で採取した。
評価項目:
<主要性評価項目>
有効性
EASIスコアのベースラインからWeek 16までの変化率
<副次評価項目>
有効性
Week 16 時点でIGAスコアが0(消失)又は1(ほぼ消失)を達成した患者の割合
IGA スコアがベースラインからWeek 16 までに2以上減少した患者の割合
そう痒NRSスコア及び4 カテゴリースケールのベースラインからの変化量及び変化率
EASIスコアのベースラインからWeek 16までの変化量
SCORADスコアのベースラインからWeek 16 までの変化量及び変化率
Week 16時点でEASI-50、EASI-75及びEASI-90を達成した患者の割合
Week 16時点でSCORAD-50、SCORAD-75及びSCORAD-90を達成した患者の割合
患者自身による湿疹評価(POEM)スコアのベースラインからWeek 16 までの変化量及び変化 率
全般症状スコア(GISS)の各評価項目(紅斑、浸潤/丘疹、擦過傷、苔癬化)のベースライン からWeek 16 までの変化量
GISS 累積スコアのベースラインからWeek 16 までの変化量 安全性
ベースラインからWeek 32 までの有害事象の発現頻度
<薬物動態及び薬力学>
血清中デュピルマブ濃度のトラフ値の推移
<抗薬物抗体(ADA)>
抗薬物抗体陽性又は陰性の状態及び抗体価を含めた抗薬物抗体の変数
いずれかの時点での陽性
既存の免疫反応
治験薬投与下の抗薬物抗体
持続性陽性反応
一過性陽性反応
抗体価
抗体価カテゴリー
低抗体価(抗体価 < 1000)
中程度抗体価(1000 ≤ 抗体価≤ 10000)
高抗体価(抗体価 > 10000)
統計解析:
有効性の解析は、最大の解析対象集団(FAS)を対象に実施した。全ての有効性変数に関する解析 は、プラセボ投与群とデュピルマブの各用量群との対比較で行った。最大の解析対象集団(FAS)
は、無作為割り付けされた患者のうち、治験薬投与が少なくとも 1 回投与されたすべての患者、有 効性評価項目は FAS を用いて解析した。全ての解析は、プラセボ群と本剤投与との対比較で行っ た。
有効性の主要解析:
主要有効性変数は、投与群及びランダム化に用いられた層別因子(中等症/重症、日本/その他の 地域)を固定効果、適切なベースライン値を共変量とする共分散分析(ANCOVA)モデルを用いて 解析した。
欠測値は、最終観測値延長法(LOCF)で補完した。救済治療薬の使用又は患者が治験を中止した 時点以降の有効性データは欠測値として取り扱った。治験薬投与の中止以降も試験を継続した患者 の有効性データは解析に含めた。
統計的検定は、有意水準 4.9%で両側検定とした(中間解析の実施のため 0.05 から調整された)。主 要評価項目は、階層的検定手順を用いて、多重性の調整を行った。階層的検定手順は、事前に規定 した順序(最高用量から最低用量)で行われる逐次検定であり、ある用量に関する帰無仮説が棄却 された場合に限り検定を逐次的に継続した。プラセボ群との対比較の順序は 300 mg QW 群、
300 mg Q2W 群、200 mg Q2W群、300 mg Q4W 群、100 mg Q4W 群の順とした。
主要有効性変数の感度分析は、mixed-effect model repeated measure(MMRM)法で行った。本モ デルには、投与群、ベースラインの層別因子、来院、及び投与群×来院の交互作用を固定効果、ベ ースライン値及びベースライン×来院の交互作用を共変量として含めた。
主要有効性変数に関する部分集団解析は、次の因子別で行った:ベースラインの層別因子(中等症
と重症 AD、日本と他の地域)、ベースラインの体重(全体の中央値未満、全体の中央値以上)、年
齢、性別及び人種 有効性の副次解析:
有効性の連続変数(種々のスコアの変化量及び変化率)は、主要解析に用いた方法( LOCF-ANCOVA、MMRM、及び observed-case 解析)で解析した。カテゴリー変数は、ランダム化に用 いられた層別因子(中等症[IGA=3]/重症[IGA=4]AD)及び地域(日本/その他の地域)を層 とした Cochran-Mantel-Haenszel 検定を用いて解析した。カテゴリー変数の欠測値は、LOCF で 補完、若しくは治療不成功として定義した。
副次有効性評価項目に関する全ての検定は、多重性の調整を行わず、有意水準 4.9%で両側検定とし た。
安全性解析:
安全性解析集団(SAF)は、ランダム化割り付けされ、いずれかの治験薬が投与されたすべての患 者とし、投与された治験薬に基づき解析された。安全性データは、記述統計量を用いて解析した。
PK 及びADA データ解析:
PK 解析対象集団は、いずれかの治験薬が投与された全ての患者(SAF)とし、解析のために、ベ ースライン後にデュピルマブの測定データを 1 つ以上有する全ての無作為化された患者とした。ま た解析は、ランダム化された治験薬の群ではなく、投与された治験薬の群として行われた。採血時 点での記述統計量が求められ、定常状態濃度は最小二乗法により解析された。
ADA 解析対象集団は、治験薬が投与された全ての患者(SAF)とし、初回投与後に適切な抗薬物抗 体の測定データを 1 つ以上有する全ての患者とした。割り付けは投与されたとおりにされた。ADA データは、ADA 解析対象集団を用いて、投与群別に記述的に要約された。
試験成績:
<対象集団>
試験に組み入れられたAD患者380例のうち、治験薬未投与 1例を除く379 例(100 mg Q4W群 65例、200 mg Q2W群61例、300 mg Q4W群65例、300 mg Q2W群64例、300 mg QW群63 例、プラセボ群 61 例)が FAS 及び安全性解析対象集団とされ、FASが有効性解析対象集団と設定 された。
中止例は、100 mg Q4W群35.4% (23/65例)、200 mg Q2W群45.9%(28/61例)、300 mg Q4W 群15.4%(10/65例)、300 mg Q2W群18.8% (12/64例)、300 mg QW群17.5%(11/63例)、プ ラセボ群 31.1%(19/61 例)に認められ、主な中止理由は効果不十分(100 mg Q4W 群 7例、200 mg Q2W群5例、300 mg Q2W群1例、300 mg QW群1例、プラセボ群9例)、同意撤回(100