① 中等症から重症のアトピー性皮膚炎患者を対象とした単独療法による国際共同第Ⅲ相試 験(R668-AD-1334試験、SOLO 1試験)3)4)
目的:
主要目的:
中等症から重症のAD成人患者を対象に、本剤単独皮下投与の有効性のプラセボとの比較検討 副次目的:
中等症から重症のAD成人患者を対象に、本剤単独皮下投与の安全性のプラセボとの比較検討 試験デザイン:多施設共同、ランダム化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間試験
対象:中等症から重症のAD成人患者 主な選択基準:
1. 18歳以上の患者
2. スクリーニング来院前の最低 3 年間、米国皮膚科学会(AAD)統一診断基準(Eichenfield 2014)により診断された慢性ADの患者
3. スクリーニング及びベースライン時のEASIスコア≧16の患者 4. スクリーニング及びベースライン時のIGAスコア≧3以上の患者 5. BSAに占めるAD病変の割合≧10%の患者
6. ベースラインのそう痒NRSスコアの平均最大値≧3の患者
7. スクリーニング来院前 6ヵ月以内に TCSで効果不十分又は安全性上の理由等から TCSが推 奨されない旨の記録のある患者
主な除外基準:
1. ベースライン来院前 4 週間以内に次の治療がされた又は治験薬投与の最初の 4 週間以内に、
治験責任医師/治験分担医師の意見で次の治療が必要となる可能性のある状態の患者
・ 免疫抑制/免疫調節剤(全身性ステロイド、シクロスポリン、ミコフェノール酸モフェチ ル、IFN-γ、ヤヌスキナーゼ阻害剤、アザチオプリン又はメトトレキサート等)
・ 光線療法
2. ベースライン来院の前 1 週間以内に TCS 又はタクロリムス及び/又はピメクロリムスにより 治療された患者
3. 下記の生物製剤により治療された患者:
・ リツキシマブなどの細胞枯渇剤:ベースライン来院前6ヵ月以内又はリンパ球数が正常に 回復するまでのどちらか長い方の期間
・ その他の生物製剤:ベースライン来院前16週間以内又は半減期の5倍の期間(既知の場 合)のどちらか長い方の期間
試験方法:
本試験は投与期(16 週)及び追跡調査期(12 週)より構成された。適格性の基準を満たしたAD 患者をデュピルマブ(本剤)300 mg Q2W群、本剤300 mg QW群又はプラセボ群に1:1:1の 割合で無作為に割り付けた。
治験薬及び投与方法:
本剤300 mg を2週間隔(Q2W)若しくは毎週(QW)又はプラセボ(QW)を16週間皮下投与 することとし、本剤300 mg Q2W 群及び300 mg QW 群の初回投与量は600 mgとした。
<デュピルマブ(本剤)>
300 mg Q2W 群:
初回用量として、投与 1 日目に本剤 600 mg 投与した後に、本剤 300 mg を 2 週ごと
(Q2W)に投与し、本剤を投与しない週にはプラセボを投与した。
300 mg QW 群:
初回用量として、投与1日目に本剤600 mg投与した後に、本剤300 mgを1週ごと(QW)
に投与した。
Ⅴ.治療に関する項目
AD-1334 試験<プラセボ>
プラセボ群:
投与1日目にプラセボを投与し、その後、毎週プラセボを投与した。
有効性は、AD の重症度の IGA スコア、EASI スコア及びそう痒 NRS スコアの日内最高値の週 平均により評価し、安全性は、有害事象、身体所見、バイタルサイン、心電図(ECG)及び臨床 検査により評価した。
評価項目:
<主要評価項目>
Week 16 時点でEASI-75(ベースラインから75%以上改善)を達成した患者の割合5)
Week 16 時点でIGA スコアが0(消失) 又は1(ほぼ消失)かつベースラインから2 点以 上減少(改善)した患者の割合
5):米国及び米国を参照する国では副次評価項目とした。
<副次評価項目>
副次評価項目
そう痒 NRSスコアの日内最高値の週平均がベースラインから Week 16までに4点以上改善
(低下)した患者の割合
そう痒 NRSスコアの日内最高値の週平均がベースラインからWeek 16までに3点以上改善
(低下)した患者の割合
ベースラインからWeek 16までのそう痒NRSスコアの日内最高値の週平均の変化率
そう痒 NRS スコアの日内最高値の週平均がベースラインから Week 4 までに 4 点以上改善
(低下)した患者の割合
そう痒 NRS スコアの日内最高値の週平均がベースラインから Week 2 までに 4 点以上改善
(低下)した患者の割合 その他の有効性副次評価項目
ベースラインからWeek 16までのそう痒NRSスコアの日内最高値の週平均の変化量
ベースラインからWeek 16までのEASIスコアの変化率
Week 16 時点のEASI-50を達成した患者の割合
Week 16 時点のEASI-90を達成した患者の割合
ベースラインからWeek 16までのAD病変のBSAに占める割合(%)の変化量
ベースラインからWeek 16までのSCORADの変化率
ベースラインからWeek 16までのDLQIの変化量
ベースラインからWeek 16までのPOMEの変化量
ベースラインからWeek 16までのHADSの変化量
ベースラインからWeek 16までのGISSの変化率
ベースラインからWeek 2までのそう痒NRSスコアの日内最高値の週平均の変化率 等
<その他の有効性評価項目>
Week16時におけるPOEMスコア4点以上改善達成率
Week16時におけるDLQIスコア4点以上改善達成率
ベースラインからWeek 16までのEQ-5Dの変化量及び変化率 等
<薬物動態及び薬力学>
機能性デュピルマブ濃度:Ctroughの経時的推移、Clast、Tlast、定常状態に達するまでの時間、
定常状態のトラフ濃度など
ベースラインのバイオマーカー(TARC、血清総IgEなど)の変化率中央値の推移
<抗薬物抗体(ADA)>
抗薬物抗体陽性又は陰性の状態及び抗体価(詳細は、「(5) 検証的試験 1) 無作為化並行用量反応 試験」の項を参照)。
<安全性>
有害事象、身体所見、バイタルサイン、心電図(ECG)及び臨床検査 統計解析:
<有効性>
主要有効性解析はFAS で行い、補助的な解析としてPPS(Per Protocol Set) でも行った。
Week 16 時点で IGA スコアが 0 又は 1 であった患者及び Week 16 時点で EASI-75 を達成し た患者の割合は、ランダム化に用いた層別因子(地域及び疾患の重症度)で調整した Cochran-Mantel-Haenszel 検定を用いて解析した。
本試験を中止した患者は、中止時より後の時点で Non-responder として扱った。救済治療が行わ れた患者も、救済治療以後の時点でNon-responder として扱った。Week 16のデータが欠測であ った患者は、Week 16時点のNon-responder として扱った。
有効性の副次評価項目の2 値変数は主要評価項目と同様の方法で解析した。
連続変数の評価項目は主要解析として多重代入(MI)法を用いて共分散分析(ANCOVA)モデル で解析した。救済治療後 Week 16 までの患者の有効性データはまず欠測として取り扱い、次に MI 法で補完した。
主要評価項目/2つの主要評価項目及び主要な副次評価項目の解析では、serial gatekeeping 法を 用いて、2つの用法・用量に対する第一種の過誤を全体として0.05 に制御した。
米国及び米国を参照する国では、各用法・用量内での各検定では、主要評価項目が有意水準0.025 で有意であった場合、副次評価項目を事前に規定した順に階層検定手順に従って検定した。この 方法で、直前の項目の解析で 0.025 の有意水準で統計的に有意であった場合に、次の副次評価項 目の検定を行った。
EU、EU を参照する国及び日本では、各用法・用量について、intersection-union 法を2 つの主 要評価項目に適用し、有意水準を両側 0.025 として両方の主要評価項目が統計的に有意であった 場合、引き続き、米国及び米国を参照する国での解析と同じ階層検定手順で副次評価項目の解析 を行った。
安全性解析対象集団(SAF)は、無作為化され、いずれかの治験薬が投与された全ての患者と し、投与された治験薬に基づき解析された。安全性は、SAF を用いて解析され、記述統計量を算 出した。
PK 解析対象集団は、いずれかの治験薬が投与された全ての患者(SAF)とし、解析のために、
ベースライン後にデュピルマブの測定データを 1 つ以上有する全てのランダム化された患者とし た。解析はランダム化された治験薬の群ではなく、投与された治験薬の群として行われた。採血 時点での記述統計量が求められ、定常状態濃度は最小二乗法により解析された。
ADA 解析対象集団は、治験薬が投与された全ての患者(SAF)とし、初回投与後に抗薬物抗体の 測定データを 1 つ以上有する全ての患者とした。解析はランダム化された治験薬の群ではなく、
投与された治験薬の群として行われた。ADA データは、ADA 解析対象集団を用いて、投与群別 に記述的に要約された。
Ⅴ.治療に関する項目
AD-1334 試験試験成績:
<対象集団>
ベースライン時の重症度(IGA スコア 3 又は 4)及び地域(アジア、東欧、西欧又は北南米)
を層別因子として無作為化された 671 例(300 mg Q2W 群 224 例、300 mg QW 群 223 例、
プラセボ群 224 例)全例が FAS とされ、FAS のうち治験薬未投与 2 例を除く 669 例*
(300 mg Q2W 群 229 例、300 mg QW 群 218 例、プラセボ群 222 例)が安全性解析対象集 団とされ、FAS が有効性解析対象集団とされた。中止例は300 mg Q2W 群 7.1%(16/224 例)、
300 mg QW 群 11.7%(26/223 例)及びプラセボ群 17.9%(40/224 例)に認められ、主な中止 理由は有害事象(300 mg Q2W 群 6 例、300 mg QW 群 6 例、プラセボ群 10 例)及び効果不 十分(300 mg Q2W 群 4 例、300 mg QW 群 3 例、プラセボ群 11 例)であった。
FAS のうち、日本人部分集団は 106 例(300 mg Q2W 群 36 例、300 mg QW 群 35 例、プラ セボ群 35 例)であった。中止例は認められなかった。
*:プラセボ群に無作為化された1例に本剤300 mgが投与され、300mg QW 群に無作為化された5例に予定よりも少量が投与さ れたことから、安全性解析では当該6例を300 mgQ2W 群として扱った。
全般的に、人口統計学的特性(FAS)及び AD の重症度に関する疾患特性(FAS)は、各投与群 間で類似していた。(表V-15)。
白人及びアジア人は、それぞれ全例の 67.1%及び 24.0%を占め、男性及び女性は、それぞれ全例 の 58.1%及び 41.9%であった。全例の年齢、体重及び BMI の平均値(SD)は、それぞれ 39.5
(14.31)歳、76.6(17.99)kg 及び 26.5(5.59)kg/m2 であった。また、日本人患者は全症例
(SAF)の15.8%(106/671例)を占め、各投与群での日本人の割合は(300 mg Q2W 群 16.1%
[36/224例]、300 mg QW 群 15.7%[35/223例]、プラセボ群 15.6%[35/224例])であった。
罹病期間の平均値(SD)は、プラセボ群29.5(14.46)年、300 mg Q2W 群28.5 (16.12)年及 び 300 mg QW 群 27.9(15.79)年であった。EASI スコアは、プラセボ群 34.5(14.47)、
300 mg Q2W 群33.0(13.57)及び300 mg QW 群33.2(13.98)、IGAスコアは、全ての投与群 で 3.5(0.5)、そう痒 NRS スコアの最高値の週平均値は、プラセボ群 7.4(1.77)、300 mg Q2W 群7.2(1.89)及び300 mg QW 群7.2(2.06)であった。