第5章 重防食塗装の維持管理
5.2 点検と調査
5.2.1 塗膜点検・調査の種類
参考:国土交通省道路局 橋梁定期点検要領
点検・調査の種類 内容 時期
初期点検
輸送,架設時の塗膜損傷や施工不良・品質不良に起因 する初期欠陥の有無および維持管理のための初期値を 測定する
供用後2 年以内
定期点検 防食機能,景観機能の劣化の進行状態から塗装系選定 の良否判断と塗替塗装計画に対するデータ収集を行う
初期点検 後5年ご と
詳細調査
補修,塗替えの必要性の判定や補修,塗替えの方法を 決定する際に、劣化原因や劣化程度をより詳細に把握す るために調査を行う
必要時
定点調査
塗膜の劣化メカニズムの解明や塗替時期の判定のため の耐久性評価(塗膜の消耗速度ほか)に関するデータ収 集と同一箇所で詳細調査を行う
架設直後 から5年 ごとに行 う
表5.2.1 塗膜点検・調査の内容と時期
5.2.2 点検方法と評価
(1)重防食塗膜の劣化形態
重防食塗膜は、防食機能の観点から防食下地のジンクリッチペイ ントが健全である間は、防食機能は維持されている。
⇒ 防食機能から塗膜劣化を考慮する必要はなく、景観の観点か ら上塗塗膜の消耗や剥離及び中塗塗膜の消耗について考慮す る。
部分的な重防食塗膜変状の例
写真5.2.1 上塗塗膜の剥離
(海上橋,ポリウレタン樹脂塗 料上塗,供用後約20年)
写真5.2.2 無機ジンクリッチペイ ントの剥離(陸上橋,ポリウレタン 樹脂塗料上塗,供用後約20年)
写真5.2.3 無機ジンクリッチペイ ントの剥離(陸上橋,ポリウレタン 樹脂塗料上塗,供用後約20年)
5.3 重防食塗膜の塗替方式
5.3.1 局部補修塗装
継手部,桁端部,漏水箇所,架設中の傷などで局部的な錆,剥がれ などの塗膜変状部位を対象
5.3.2 部分塗替塗装
特定の部位(たとえば、下フランジ)または部材の塗膜劣化が進ん でいる場合、その範囲
資料1:国土交通省道路局;鋼道路橋の部分塗替え塗装要領(案)
5.3.3 全面塗替塗装
鋼構造物の全体部位の塗替塗装
5.4 点検結果のデータベース化
・塗膜点検及び調査結果は、適切な塗膜の維持管理のための重要 なデータである。⇒ 橋梁維持管理システムや道路構造物のアセット マネジメントに活用
・データベースの基本的な項目
①橋梁情報:構造物名,所在地,形式,竣工時期,外観写真,製作
会社②設置環境:飛来塩分量,架設場所の環境(年間平均気温,湿度,
降雨量,結露時間)
③塗装仕様:塗装系,塗替えの有無及び塗替時期,塗料製造会社
④点検結果:目視調査(錆,割れ,剥がれ,膨れ,変退色),計器調
査記録⑤補修履歴:時期,素地調整程度,塗替塗装仕様,補修塗装箇所,
補修前後の記録写真,欠陥再発時の状況写真記録,原因調査資料