第3章 防食設計
3.2.2 水仕舞い
①桁端部の風通しをよくする
②泥,塵埃の堆積及び滞水を防止する
③床版,伸縮装置,排水管からの漏水を防止する
④排水管は、排水枡から鉛直に下ろし、鋼部材最下端から の突出長を十分確保する
⑤横引き構造の排水処理とする場合は、十分な排水勾配を つけて大口径の管を使用し、管のジョイントからの漏水対策 を行う
⑥床版に水抜き孔を設ける場合は、ホースなどにより鋼桁に 直接排水がかからない位置まで確実に導水する
⑦非排水型伸縮装置を使用する
⑧桁端に設置されている伸縮装置からの漏水を防ぐため に、二重に止水工を施すなどして伸縮装置からの漏水を完 全に防ぐ
写真3.2.2 集水用仕切板の例
⑨箱桁継手部は、フランジ端面や添接板の隙間から箱桁内に侵 入するのでシール材で雨の侵入を防ぐ。桁端には、滞水を防ぐ ため集水用仕切板と排水孔を設ける。
工場塗装の留意点
・沿岸部の製作工場・塗装工場や仮置きヤードや、付着塩分量を 50mg/m
2
以下に管理する。必要に応じて水洗を行う。・非常に厳しい腐食環境(海上橋の飛沫部)や塗替塗装が行えない 部位には、環境遮断性能が優れた超厚膜形エポキシ樹脂塗料や ガラスフレーク含有塗料(300~1000μm)を使用する。
・工場塗装では、エアレススプレー塗装が適用されるが、現場連結 部や補修部分の塗装が刷毛やローラーの場合、上塗塗膜の外観 が若干異なって見れることがあるが、防食上の問題はない。
・現場連結部の防食性能を確保するため、連結部の部材は製作時 に無機ジンクリッチペイントを塗布する。
・摩擦接合継手の現場連結部には、部材製作時にすべり摩擦係数 0.4を確保するための無機ジンクリッチペイントが塗布される。
①接触面片面あたりの最小乾燥膜厚 :30μm
②接触面の合計乾燥膜厚 :90~200μm
③乾燥膜厚中の亜鉛含有量 :80%以上
④亜鉛末の粒径(50%平均粒径) :10μm程度以上
図3.3.1 塗膜劣化程度・変状深さによる局部補修塗装方法
(c)ボルト頭部の塗装
(a) 点錆部、打痕傷からの錆部の素調整
①局部補修塗装
写真3.3.2 局部補修塗装の例
(b) 点錆部、打痕傷からの錆部の塗装
図3.3.2 劣化部位に応じた塗装範囲の決定例
②部分塗替塗装
写真3.3.3 全面塗替塗装における素地調整(3種,4種)
③全面塗替塗装
3.4 重防食塗装のLCC
LCC =
I
+M
+R
LCC : 塗装のライフサイクルコスト
I
: 新設塗装のイニシャルコスト(工場塗装,現場補修,現場塗装を含む)
M
: 供用期間中に発生する塗装メンテナンスコストの合計(塗膜点検,局部補修塗装,部分塗替塗装を含む。)
R
: 供用期間中に発生する全面塗替塗装コストの合計3.4.2 100年間のLCC
(1)各塗装系の積算単価と期待耐用年数
塗装系 積算単価
(円/ m2)
期待耐用年数
(年)
新設重防食塗装系 7,286 一般環境 50 厳しい環境 30 新設一般塗装系 3,169 一般環境 10
厳しい環境 ―
塗替重防食塗装系 12,790 一般環境 40
厳しい環境 ―
塗替重防食塗装系 5,625 一般環境 50 厳しい環境 30 塗替一般塗装系 5,524
一般環境 10
厳しい環境 ―
表3.4.10 各塗装系の積算単価と期待耐用年数
(3)LCCの低減効果
塗装系の変遷
塗装費種別
新設重防食塗装系
↓
塗替重防食塗装系
新設一般塗装系
↓
塗替重防食塗装系
↓
塗替重防食塗装系
新設一般塗装系
↓
塗替一般塗装系
新設塗装費
(円/m2)
新設重防食塗装系 (期待耐用年数50年)
7,286
新設一般塗装系 (期待耐用年数10年)
3,169
新設一般塗装系 (期待耐用年数10年)
3,169 塗替塗装費
(塗替回数)
(円/m2)
塗替重防食塗装系
(50年-1回)
5,625
塗替重防食塗装系
(40年-1回)
12,790
塗替一般塗装系
(10年毎-合計9回)
49,716 塗替塗装費
(塗替回数)
(円/m2)
塗替重防食塗装系
(50年-1回)
5,625 供用年数100年間
のLCC(円/m2) 12,911 21,584 52,885 供用年数100年間
のLCC指数(一般 塗装系を100とした
場合)
24.4 40.8 100.0
表3.4.11 LCCの比較(一般環境)
0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000
0 20 40 60 80 100
(年)
(円/㎡)
新設 一般塗装系 G-Ⅰ → 塗替 一般塗装系 GR-Ⅴ
新設 一般塗装系 G-Ⅰ → 塗替重防食塗装系 HR-Ⅰ → 塗替重防食塗装系 HR-Ⅳ 新設重防食塗装系 H-Ⅰ → 塗替重防食塗装系 HR-Ⅳ
図3.4.1 供用年数100年間のLCC比較(一般環境)
4.1 施工
4.1.1重防食塗装の塗装工程, 4.1.2素地調整法, 4.1.3塗装方法
4.2 施工管理
4.2.1施工管理項目, 4.2.2素地調整の管理, 4.2.3塗装の管理
4.3 塗膜変状(塗膜欠陥)
4.3.1塗装時または塗装直後に発生する塗膜変状 4.3.2塗装後比較的短期間に発生する塗膜変状
4.3.3塗膜の耐久性低下による塗膜変状, 4.3.4塗膜変状の事例
4.4 安全・衛生管理
4.4.1火気に関する注意
4.4.2有機溶剤の摂取や中毒に関する注意 4.4.3安全衛生管理に関わる法規制,
4.4.4重防食塗装に関わる廃棄物の分類と対応 4.4.5騒音規制, 4.4.6粉塵対策, 4.4.7臭気対策