「①指導には児童生徒の食生活における実態を把握することが重要であることを認識した」、「② 食に関する指導の全体計画作成に中心的に参画しなければならないことを理解した」、「③学級担任 や教科担任、養護教諭等との連携した指導ができた」の3項目に関して80点近くやそれ以上の高得 点であった。①については研究授業を実施するための大学内での模擬授業の際にも配属クラスの実 態をつかむためにアンケート調査を実施し、その後実態により即した授業を組み立てていたことか らもその重要性を認識できたのであろう。②、③については実習校において実習目的をしっかり達 成できた結果であろう。本項目は項目別平均値でもっとも高値であった。
また、「②アレルギーやその他の疾病を持つ児童生徒への献立作成指導及び料理教室等の開催の 必要性を理解した」については81点と高い得点であり、教育現場でのアレルギー対応について実習 してきた様子が窺える。また、「④試食会、招待給食、親子料理教室などの開催の必要性を認識し た」については71点とやや低い得点でそのような内容を学習する機会がやや少なかったことも窺え る。
76 78 80
89 74
89 92 76 70
81 70 60
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100
①食に関する指導の全体計画作成に盛り込む要素が理解できた。
②食に関する指導の全体計画作成の手順を理解した。
③学習指導案の作成の手順を理解した。
④研究授業の教材作成や教材研究に積極的に取り 組めた。
⑤教科の特質を理解しながら食の指導ができた。
⑥子どもの発達段階に応じた指導が大事であることを認識した。
⑦毎日毎日の献立が食に関する指導の教材であることを理解した。
⑧給食時間の指導と教科等との指導の関連がはかれた。
⑨給食時間の指導が効果的にできた。
⑩給食時間の放送指導、配膳指導、後かたづけ指導等が理解できた。
⑪委員会活動における給食委員会の指導内容を理解した。
⑫学校保健委員会での栄養教諭の役割が理解できた。
86 78
79
74 76 78 80 82 84 86 88
①指導には児童生徒の食生活における実態を 把握することが重要であることを認識した。
②食に関する指導の全体計画作成に中心的に 参画しなければならないことを理解した。
③学級担任や教科担任、養護教諭等との 連携した指導ができた。
図3 児童生徒への教科・特別活動における教育指導
図4-1 食に関する指導の連携・調整(校内)
短期大学における栄養教育実習の実践と課題(永井)
5日間という限られた時間の中では栄養に関する教育の資質を養うというよりも、一通りの体験 に終わってしまいがちであり、養護教諭のように他の教職員との連携等の方法を実際に学ぶ機会が ほとんどなく、個別的な相談指導についても同様であった。前者の課題に関しては給食時間の参観 を含む直前指導やクラスの実態をつかむためのアンケート調査の実施、調査結果に基づいた指導案 作成と大学内での模擬授業及び授業研究会の積極的実施でフォローしていく。後者の課題に関して は具体的な質問内容として実習生が尋ねられるように事前指導していくことで対応していく。特に
「児童生徒への個別相談指導」「保護者への個別相談」は「重要」だが、「実践をあまり(まったく)
していない」と回答した栄養教諭が多く見られたという先行研究6)もあることから実施について難 しい状況が窺えた。
⑸ 自分の行動が変わった点
自分の行動が変わった点についての記述を表5にまとめた。「①行動変化(食行動)について」、
「②他者理解の姿勢について」、「③社会生活を行う上で」、「④人前で話す」、「⑤コミュニケーショ ン」、「⑥自分自身について(客観的視点)」、「⑦自分自身について(自信)」、「⑧自分自身について
(前向きな姿勢)」、「⑨栄養士・栄養教諭として」、「⑩状況把握力」の観点で分類すると「②他者理 解の姿勢」を記述した学生が最も多く、次いで「③社会生活を行う上で」、「⑨栄養士・栄養教諭と して」の順となった。対象者の行動変容を促すには他者理解の姿勢(柔軟性を持ち傾聴すること)
が第1でそれにより自分の発信力を効果的に活用できることを学んだ様子が窺える。それらにより 経済産業省が2006年から提唱している3つの能力と12の要素7)の、特に3つの能力のうちの「チー ムで働く力」を実感したことと思われる。次いでそれらを下支えし信用につながる「③社会生活を 行う上で」の項目も変化したと考えられる。それらが統合され「⑨栄養士・栄養教諭として」の自 分を振り返ることとなり、自分自身の「①行動変化(食行動)について」変容していった過程が窺 える。
今回のⅤ行動の変化を3つの能力と12の要素7)(前に踏み出す力(主体性・働きかけ力・実行 力)・考え抜く力(課題発見力・計画力・創造力)・チームで働く力(発信力・傾聴力・柔軟性・状
76
81 73
71
76 78
66 68 70 72 74 76 78 80 82
①主治医、学校医、病院の管理栄養士等との連携調整 の必要性を理解した。
②アレルギーやその他の疾病を持つ児童生徒の献立作 成指導及び料理教室等の開催の必要性を理解した。
③給食だよりなどの家庭への啓発活動について実践し、
理解した。
④試食会、招待給食、親子料理教室などの開催の必要 性を認識した。
⑤地域の栄養士会、生産者団体、PTA等との連携・調整 の必要性を認識した。
⑥地域の人材等の社会資源を把握し活用する必要性を 認識した。
図4-2 食に関する指導の連携・調整(家庭・地域)
明和学園短期大学紀要
①行動変化(食行動)について 自分自身の食生活を考えるようになった。
研究授業の内容のよく噛むことを実践しようとする意識をし 始めた。
ご飯を食べるときに、苦手なものも食べるようにし始めた。
ご飯を食べるとき、バランスよく食べるように意識し始めた。
朝ごはんをちゃんと食べるようになった。
料理をし始めた。
よく噛んで食べることをより意識するようになった。
栄養教諭として指導するうえで、まず自分自身の食生活を見 直そうと思うようになった。
食に対しての意識がより深まった。
積極的に料理するようになった。
②他者理解の姿勢について
児童とのふれあい方をさらに理解を深めることができた。
児童は大人をよく見ているということに気付けた。
子供の変化に気づけるようになった。
どうすれば子供が理解してくれるか考えて行動するように なった。
いろいろな価値観があると気づいた。
人のちょっとした変化に気づけるように意識し始めた。
もっともっと人にやさしくしようと思った。
子供に積極的に話すようになった。
児童と目線を合わせて会話ができるようになった。
子供と接することが少しうまくできるようになった。
人へ伝えるときわかりやすく伝える工夫ができるようになっ た。
児童とふれあうことで子供の考えや行動が理解できるように なった。
児童への対応がスムーズになった。
児童の些細なことでも気づけるようになった。
栄養指導や、発表のときなど、話を聞いてくれる人がどうす れば聞いてくれるのか、理解しやすいかなど意識して発表の 内容を考えられるようになった。
③社会生活を行う上で(挨拶・言葉遣い・報告連絡相談・時間等)
児童とのふれあい方をさらに理解を深めることができた。
児童は大人をよく見ているということに気付けた。
子供の変化に気づけるようになった。
どうすれば子供が理解してくれるか考えて行動するように なった。
いろいろな価値観があると気づいた。
人のちょっとした変化に気づけるように意識し始めた。
もっともっと人にやさしくしようと思った。
子供に積極的に話すようになった。
児童と目線を合わせて会話ができるようになった。
子供と接することが少しうまくできるようになった。
人へ伝えるときわかりやすく伝える工夫ができるようになっ た。
児童とふれあうことで子供の考えや行動が理解できるように なった。
児童への対応がスムーズになった。
児童の些細なことでも気づけるようになった。
栄養指導や、発表のときなど、話を聞いてくれる人がどうす れば聞いてくれるのか、理解しやすいかなど意識して発表の 内容を考えられるようになった。
報告・連絡・相談の必要性を理解し、行動に移せるように なった。
自然に笑顔ができるようになった。
わからないことをきちんと聞くようになった。
挨拶が積極的にできるようになった。
言葉遣いがよくなった。
責任感をもつようになった。
時間を守って行動するようになった。
言葉遣いを気にするようになった。
積極的に話せるようになった。
挨拶を積極的にするようになった。
言葉遣いが丁寧になった。
分からないことは自分から質問ができるようになった。
自分から誰にでも挨拶をすることができるようになりました。
④人前で話す
人前に出たとき、ゆっくり話すことができるようになった。
人前で話すことにあまり抵抗がなくなった。
実習に行ったことで、人前で話すことに自信が持てた。
前よりは人前で話すことが慣れた。
人に教えることが以前よりできるようになった。
以前より人前で話すことができるようになった。
人前で話すことへの抵抗が少なくなった。
⑤コミュニケーション 協調性の大切さを学んだ。
誰とでも気軽にコミュニケーションをとることができるよう になった。
違う年代の人と話すことに苦手意識を感じなくなった。
人と、普段からコミュニケーションをとる大切さに気が付く ようになりました。
⑥自分自身について(客観的視点)
自分の評価がどのようにされるのかが分かった。
頑張りは誰かが見ていて、評価してくれているということに 気付けた。
物事に真面目に取り組むと、周りの人が協力してくれる。
今しなければならないことを常に考えるようになった。
自分の考えを客観的に見ることができるようになった。
⑦自分自身について(自信)
自信がもてるようになった。
自分に自信が持てるようになった。
⑧自分自身について(前向きな姿勢)
つらいときでも笑顔でいるようになった。
くよくよしなくなった。
子供たちに負けじと勉強を頑張ろうと思った。
⑨栄養士・栄養教諭として 栄養教諭の重要性を改めて知ることができた。
大量調理の責任の重さに気が付くようになった。
栄養士の仕事の多さに気が重くなった。
栄養士の事務作業について知ることができた。
非汚染区域と汚染区域の分け方を学ぶことができた。
給食の重要性をさらに理解できた。
集団で給食を食べるということは、様々な意味を秘めている と学んだ。
栄養教諭という仕事により興味を持った。
説得力のある栄養教諭になりたいと思った。
実際に調理に関わらせてもらい調理の大切さを知った。
⑩状況把握力
一歩先のことを考え、行動できるようになった。
周りの状況を理解して動けるようになった。
周りをよく見られるようになった。
表5 自分の行動が変わった点
短期大学における栄養教育実習の実践と課題(永井)