4.2 光電子増倍管までの導光路による違い .1 測定機器.1測定機器
4.2.2 測定結果
波高分布(波高分解能と下限エネルギー)
図4.4に取得されたベータ線エネルギースペクトルを示す。横軸のベータ線エネルギーは Cd-109の オ ー ジ ェ 電 子 、内 部 転 換 電 子 ピ ー ク とCs-137の 内 部 転 換 電 子 ピ ー ク に よ り 波 高 を 校 正 し た。Co-60、Cs-134、Cs-137、Sr/Y-90の横軸は同一スケールとしたが、Cd-109の場合は低エネ ルギー側を10倍に拡大して表示している。スペクトル上限に見られるピークは、ADCが受けら れる最大波高を超えたイベントが計数されている。各核種のエネルギー点は表4.1の通りである。
各グラフの水色線は1枚のシンチレータの厚さ4 mmのものを2枚合わせて全8 mm(4+4 mm)、 橙色線は1枚が厚さ1 mmのものを2枚合わせて全2 mm(1+1 mm)としたものの結果である。
Co-60、Cs-134のスペクトルの高エネルギー側の領域では水色線の方が計数率が高い。4 mm厚
のプラスチックシンチレータの方が計数率が高かった。Co-60水色線の1000 keV付近のエッジ
は、1173 keVと1333 keVのコンプトンエッジに近いエネルギーに対応している。波高分解能は
Cs-137の内部転換電子ピークで半値幅12 %(4+4 mm)であり、Cd-109のオージェ電子ピーク
では100 % 近くにまで拡がっているが、それぞれの中心値で波高エネルギー校正を実施した。こ
のエネルギー校正による評価により、20 keV付近の電子までは計数できていることが確かめられ た。一方で、Sr/Y-90の厚さ8 mmのスペクトルはSr-90とY-90のベータ線放出スペクトルの重 なりに沿った形状であるが、Y-90の高エネルギー終端はベータ線最大エネルギー2.3 MeVよりも 低くなっている。2 mm厚では、低エネルギー側にずれ込むイベントの割合が多くなった。
図4.4 対向式プラスチックシンチレーション検出器により取得したベータ線波高分布(核種別)
図4.5 1崩壊あたりの各核種の電子放出率に対する計数効率
計数効率
図 4.5に 計 数 効 率 を 示 す 。横 軸 は 、計 数 効 率 を 算 出 す る し き い エ ネ ル ギ ー を 表 す 。Cs-134、 Cs-137、Co-60、Sr/Y-90について、プラスチックシンチレータの厚さが2 mm (1+1)と8 mm
(4+4)として測定した。いずれの核種の場合も、効率は8 mm(4+4 mm)厚の方が高かった。核種
間では、Cs-137の効率が最も高く、続いてSr/Y-90、Co-60、Cs-134の順になっている。Cs-134 は、他の核種に比べ計数効率が低い。しかし、前章の実証実験では同じ8 mm(4+4 mm)の最大の 計数効率74 % であり、本実験の方が5 % 程度だけ計数効率が高い。
図4.6 対となるベータ線検出器により取得された2次元波高分布(左:Cd-109、右:Cs-137)
波高2次元分布
図4.6に2つのベータ線検出器での2次元波高分布を、Cd-109とCs-137の場合で示す。 Cd-109とCs-137の場合では、2つのベータ線波高のいずれもゲインを10倍にしている。Cd-109と
Cs-137のいずれでも、明らかなxy対称の2集団の分布を示した。一方の検出器で高い波高が検
出されたときに、他方ではそれよりも低い波高が検出されていることを示している。前述の波高分 布、計数効率の評価はこの2つのベータ線波高分布をイベントごとに足し合わせて示した。
図4.7 反射剤塗布プラスチックシンチレーション検出器による測定器配置図