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渦モデルに含まれる諸係数の決定

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2.7 渦モデルに含まれる諸係数の決定

2.6節の渦モデルを用いる場合、発生する自由渦の位置と循環を与える(2.26) 式および(2.30)式中に含まれる諸係数、すなわち剥離点の位置(YsP'Zsp)、渦の 発生位置を表す8'および発生直後の循環の相殺量を表す係数αの値を具体的

に定める必要がある。

しかしこれらの決定法に関する流体力学的条件は必ず しも明確ではなく、研 究者や対象とする物体形状によって異なっている40)。従って船首部から船尾部ま で多様に変化する船体の横断面形状、あるいは種々の船型の横断面に対応する cross flow dragを推定するに当たり、工学的見地からは統一的かつより簡便な決

定法が望まれるところである。

そこで本節では、滑らかな物体の基本形状である円柱に本計算を適用して、

剥離点、の位置(YsP' zsP)と円柱に作用するcross flow dragとの関連について調べ る。次に、 弱j離点の明確な正角柱および平板を対象に渦の発生位置を表す8'お よび循環の相殺量αについて考察を加える。最後にかどに丸みを有する正角柱 に働く cross flow dragを計算し、剥離点、渦の発生位置および循環の相殺量の 仮定法も含めて本計算法の妥当性について検討する。

2.7.1

剥荷量点、の位置

円柱のように表面曲率が滑らかに変化する断面形状の場合、断面内の剥離 点は明確に定まらず、 何らかの方法で剥離点を決定あるいは仮定する必要があ る。

その方法の一つに境界層方程式を解く ことにより 剥離点を求める方法があ る。 例えばDeffenbaughら54)、Sarpkaya ら52)は、層流境界層方程式に対する Pohlhausenの近似解法55)によって円柱表面の境界層特性を求め剥離点を求めて いる。 しかしPo lhausenの方法は逆圧力勾配の場合の精度に問題があり、特に 剥離点での誤差が大きい。 また稲室らも、層流境界層に対してはPohlhausenの 方法を用いており、一方、乱流境界層についてはHeadの方法で解いているが、

円柱以外の任意形状を有する断面の剥離位置を定義する際、形状係数をどのよ

うな値に指定するかが問題として残る。

またこれとは別にStansby49)は、物体表面に沿う流速Usを用いた次式によっ て、 剥離点の位置を定義している。

入三(USmax-Us)/Usmax

(2.32)

ここでUSmaxは表面流速の最大値を表し、 円柱の場合、入== 0.04となる下流の 位置を剥離点として計算を行っている。

いま船体のような種々の横断面に対して本渦モデルを適用する場合、Stansby のような方法が境界層方程式を解くことに比べてより簡便且つ実用的であると 思われる。 また入を一つのパラメータとして考えると、 この値を剥離位置ある いは断面に働く流体力に関する実験結果との対応を考慮して適切に選定できれ ば、 ある程度の計算精度が期待できるものと考えられる。 そこでStansbyの方 法に従い、 断面の表面流速に着目して剥離点を仮定し計算を行うこととする。

しかし( 2.32)式の入の値を決定するためには種々の断面形状に対する流場観 測結果が必要になると思われる。 本研究では表面の曲率が滑らかに変化する断 面形状の中でも比較的研究例の多い円柱の場合を例にとり、 表面流速分布、 弱j 離点および断面に働くcross flow dragとの相闘を数値的に調べることによって 剥離点位置の決定法について検討する。

Fig.2.4は計算の対象とした円柱の断面を示す。 ただし同図における・印は、

円柱断面を 3次のスプライン関数で近似したのち、微小な有限個の線分要素で 近似した場合の各線分要素の端点位置を示している。 なお断面はy軸に関して 上下対称であるため、断面の下半部のみを示している。 これらの各線分間で強 さが線形に変化するように束縛渦を分布させ、各線分要素の中点で物体表面条 件を満足させる。

円柱の場合、レイノルズ数が亜臨界領域(Re三4

X

105)では、 前方よどみ点 から剥離点位置までの角度()s は75 0 f'O..J 80 0付近で層流剥離し、レイノルズ数 が超臨界領域(Re

>

4

x

105)ではいったん層流剥離した後再付着して乱流境界 層に遷移し()s = 1200付近で乱流剥離を生じ、さらにレイノルズ数が極超臨界 領域(Re

>

2

x

106)に達すると層流境界層が最低圧力点直後で乱流境界層に遷

移して()s = 105 0 f'O..J 1100付近で乱流剥離を起こすことが知られている56)。 そこ で剥離点の位置を()s = 750、1050 および120 0と仮定して円柱まわり の流れを 計算し、剥離点の位置と円柱に作用するcrossflow dragとの関連について調べ た。 また比較のために、剥離点を剥離のないポテンシャル流れにおいて表面流 速Usが最大となる位置、すなわち(2.32)式において入=0.0となる孔=900の 場合の計算も行った。

Fig.2.5は、半径d=5 mの円柱に、流速U = 1.0m/secの定常な一様流が作用

し始め、無次元時間 (Ut/d) = 6.04経過した後の自由渦の計算結果である。 ここ に・印は、 負の循環(反時 計四り)を持つ自由渦を表し、循環の相殺量を表す係 数αは、 Katzの円柱に対する検討結果53)に従い、α=0.6とした。 さらに渦の 発生位置を表す係数ピ=0として、発生した渦は剥離点から鉛直方向(z 軸方 向 )に、剥離点における流速v sp = (1/2)γspで流出するものとして計算を行った 例である。 なお渦の発生および移動の時間間隔ムTおよびムtは共に 1.0 secとし fこ。

Fig.2.5を見ると、剥離位置の違いによって自由渦の分布が異なり、。s が大き くなるに従って、z軸方向に対する渦位置の集中度がより高くなる傾向を示して いる。

Fig.2.6は、円柱断面に作用するcrossflow drag係数CDの時間的変化を示し

一今

a' A' A' A,a' -j? 畠V畠V ‘, 血' U

A' a' - A' - A' A' A' a' . 4 A, ・ 2 - nU バ斗

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A' A' . A' a' a' A'

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a' A' A' av • A『 nU

2

nuRu

nョ = =AU

久 山

A'

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畠V a'A' A'A'

a' A,・晶v'

4司 A'

A'

a' 畠v a' a' a' a' A, ‘ , . 4 . 4' •

e s = 1050

Ut/d = 6.04

仁コ

2.0 1.0

0.01 -1.0

。 。

1.0

0.01 -1.0

。 。

1.0

0.0 -1.0

2.0

。 。

1.0

0.0 -1.0

8 s = 750

Ut/d

8 s = 900

Ut/d

8 s = 1050

Ut/d

8 s = 1200

Ut/d

Fig.2.6 Time histories of cross flow drag acting on a circular cylinder

たものである。 ただしCDは次のような定義に従うものとする。

C D=,

唱 ム Y

計 (2d )U2

さらにFig.2.7の・印は、計算で得られたCDの時間平均値(Ut/d=5.04 1'-1 6.04 までの平均値)を、横軸に83をとって示したものである。 また同図のO印は、 レ イノルズ数が種々異なる場合のW

i esels b

er gerによる実験値56)を表し、横軸の83 は、 それぞれの実験状態、において観測された剥離位置の時間平均値とする。

2.0,

にコ

1.0

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