5-1)サプライチェーンの寸断等による企業の生産力低下による国際競争力の低下
① 現状の分析、進捗状況の評価(成果と課題)
○ 大規模自然災害発生時であっても一定程度のサプライチェーンを維持・確保等する観点から、製造業のBCP
策定に加え、製造業(荷主)と物流事業者が連携したBCPの策定を促進した。しかしながら、未だ中小企業 のBCP策定率は低調。
○ 流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律の枠組みを活用し、災害に強い民間物流施設の整備促進
を図っている。
○ 東京湾における一元的な海上交通管制の構築を図るためのレーダー等関連設備の整備を行った。また、伊
勢湾、大阪湾における海上交通管制のあり方等について検討を進めている。
○ 平成28年7月に、緊急確保航路を瀬戸内海へ拡大した。また、東京湾、伊勢湾において、航路啓開計画
を策定した。
○ 企業の事業継続のためには、本社機能が地方に分散していることが有効であり、企業の本社機能を東京2
3区からの移転又は地方で拡充する計画が道府県により、平成28年度末までに153件認定されている。
② 現計画策定以降に発生した災害から得られた知見
○ 熊本地震において、九州自動車道等が被災したほか、熊本県内の緊急輸送道路約2,000kmのうち、50か
所で通行止めが発生した。
○熊本地震において、災害リスクを認識した中小企業においても、未だBCPを策定する企業は少ない。
○ 製造業や物流事業者が一部被災し、物流事業者による集配の遅延が生じたほか、納入先である他県の産業
車両の製造工程が停止するなど、サプライチェーンに影響が出た。
③ 起きてはならない最悪の事態に至るプロセスの分析から想定される事項
○ 各種BCP策定の取組は今後も継続するうえで、今後は事業継続のための施設等整備が必要。
○ 震災リスクの高い場所への本社機能の集中は、改善する必要がある。
○ サプライチェーンは国内に限らず海外にまで及ぶため、海外の防災能力強化にも取り組む必要がある。
【脆弱性の評価(国土強靱化を推進する上で必要となる事項)】
○ 製造業、物流事業者のBCP策定を促進する。とりわけ、進捗が遅れている中小企業について重点的に進め
るとともに、製造業(荷主)と物流事業者間など企業が連携したBCPの策定を促進する必要がある。
○ 流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律の枠組みを活用し、災害に強い民間物流施設の整備促進
を図るなど、民間企業における事業継続に資する施設等整備を促進する必要がある。
○ 海上交通管制の一元化、航路啓開計画の策定、道路の防災対策や無電柱化、港湾施設の耐震・耐波性能の
強化、洪水・土砂災害・津波・高潮対策等の物流施設・ルート等の対災害性を高める施策推進する必要があ る。
○ 企業の本社機能等の地方移転・拡充を積極的に支援するとともに、移転・拡充が円滑に進むよう、事業環
境の整備を総合的に推進する必要がある。
○ サプライチェーンは国内に限らず海外にまで及ぶため、我が国の知見を共有するなど、海外の防災能力強
化にも取り組む必要がある。
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○ 企業が事業継続の取組の行動を起こしやすくするため、地域の具体的な被害予測などのきめ細やかな情報
の提供を促進するとともに、総合相談窓口などの体制を整える必要がある。
○ 地域において、民間企業のレジリエンス向上をけん引する専門人材の育成に取り組む必要がある。
(現在の水準を示す指標)
【地創】地方活力向上地域特定業務施設整備計画の認定件数 2%(28)
【経産】中小企業の BCP 策定率 16%(H28)
【経産】産業保安のための施策の実施計画の策定と PDCA サイクルの実施 100%(H29)
【国交】東京湾における一元的な海上交通管制構築の整備率 91%(H28)
【国交】特定流通業務施設における広域的な物資拠点の選定率 69%(H28)
5-2)エネルギー供給の停止による、社会経済活動・サプライチェーンの維持への甚大な影響
① 現状の分析、進捗状況の評価(成果と課題)
○ 災害時石油供給連携計画並びに災害時石油ガス供給連携計画、石油精製・元売各社における製油所から系
列SSまでの系列供給網全体を包含するBCP(系列BCP)について、訓練の実施や関係者間の情報共有等を通 じてその実効性を高めた。
○ 人材育成を通じた災害時に地域のエネルギー拠点となるサービスステーション・LPガス中核充填所の災害
対応能力の強化を図った。(全都道府県で防災訓練等を実施)
○ 大規模災害に備えてガソリンと灯油の民間備蓄を促す「満タン」&「灯油プラス1缶」運動を石油業界が
一体となり推進する取組について支援を行った。
○ 災害時の対応拠点となるエネルギー供給先の考え方を事前に整理する観点から、災害時のエネルギー安定
供給が確保される業務継続地区の構築を促進した。(2地区:H28まで)
○ 自立・分散型エネルギー設備の導入は災害時におけるエネルギーの安定供給を図るうえで有効と考えられ
るが、経済性等の観点から普及は必ずしも十分でない。(補助事業を通じた分散型エネルギーシステム構築 完了割合:38%(H28年度末時点))
② 現計画策定以降に発生した災害から得られた知見
○ 熊本地震(H28.4)において災害時における燃料供給拠点としてのSSの役割が再認識されたことを受け、
災害時に地域住民向けの燃料供給拠点となる「住民拠点SS」の整備を平成28年度に開始。(目標H31頃ま でに8000カ所)
○ 平成28年熊本地震において、災害時石油供給連携計画及び災害時石油ガス供給連携計画を発動した結果、
迅速に施設の被害情報収集・早期復旧、燃料要請への対応等を行い、概ね円滑に被災地に対する燃料供給を 行うことが出来た一方で、タンクローリーの緊急通行許可に時間を要した事態も見受けられた。
○ 熊本地震においては、緊急輸送道路において50カ所で通行止めが発生したほか、電力柱・通信柱約4千
本が倒壊・傾斜した。
③ 起きてはならない最悪の事態に至るプロセスの分析から想定される事項
○なし。
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【脆弱性の評価(国土強靱化を推進する上で必要となる事項)】
○ 災害時石油供給連携計画並びに災害時石油ガス供給連携計画、系列BCPについて、訓練の実施や、関係者
間における優良事例の展開を図ることなどによりその実効性を高めるとともに、計画の不断の見直しも行う 必要がある。また、円滑な燃料輸送のための諸手続きの改善につき検討を進める必要がある。
○ 燃料等の供給ルートを確実に確保するため、輸送基盤の災害対策を推進するとともに、発災後の迅速な輸
送経路の啓開に向けて、関係機関の連携等により装備資機材の充実や、関係機関の連携体制の整備を推進す る必要がある。
○ 住民拠点SSの整備や災害訓練等を通じ、災害時に地域のエネルギー拠点となるサービスステーション・LP
ガス中核充填所の災害対応能力の強化を推進する。また、燃料供給のサプライチェーンの維持のため、いわ ゆるSS過疎地問題の解決に向けた対策を推進するほか、燃料備蓄など需要家側の対策についても支援を強 化する必要がある。
○ 再生可能エネルギーやコジェネレーションシステム、自動車から各家庭に電力を供給するシステムの普及
促進、スマートコミュニティーの形成等を通じ、自立・分散型エネルギーを導入するなど、災害リスクを回 避・緩和するためのエネルギー供給源の多様化・分散化を推進する必要がある。
(現在の水準を示す指標)
【経産】全都道府県における防災訓練等の人材育成事業の実施 0%(H28)
【経産】分散型エネルギーシステム構築完了割合 38%(H28)
【経産】住民拠点 SS の設置数 0%(H28)
【国交】災害対応拠点を含む都市開発が予定される拠点地区で自立分散型面的エネルギーシステムの導入される地区数 13%(H28)
【経産】災害時石油供給連携計画実施訓練の前年度課題の改善率 100%(H28)
5-3)コンビナート・重要な産業施設の損壊、火災、爆発等
① 現状の分析、進捗状況の評価(成果と課題)
○ 石油コンビナートの防災アセスメント指針に基づく、石油コンビナート等防災計画の見直しについては、
平成30年度までに100%に達する見込み。
○ コンビナート災害の発生・拡大の防止を図るため、関係機関による合同訓練を実施した。
○ 石油タンクの耐震基準への適合率は平成28年度末までに100%を達成。
○ 製油所等における、耐震強化等(耐震・液状化対策、設備の安全停止対策など)については、平成28年
度までで38%実施。
○ 高圧ガス設備の耐震化については、平成28年度末でコンビナート重要設備(リスクの高い設備)で66%
となっている。また、南海トラフ地震に対する高圧ガス設備の耐震設計基準の見直しに関しては、設備の裕 度等をシミュレーションモデル等により算出し、性能規定化へ移行するための課題を抽出しているところ。
○ ドラゴンハイパー・コマンドユニットについては、平成29年度までに8セットの配備を完了しており、平
成30年度に全12セットの配備を完了する予定。
○ 全国の製油所が存在する重要港湾以上の港湾のうち、平成28年度末までに約7割の港湾で製油所を考慮
した港湾BCPが策定された。