3. 平成 24 年度成果報告
3.3 データ解析ソフトウェアの開発
3.3.2 海外との協力・今後の展開
ラムに実装している。また、Observatoryタイプのメタデータから観測点の緯度、経度情 報を取得し、地図上にプロットするルーチンも実装した。
このような UDASとメタデータ・データベースとの連携は、UDASのメンテナンスの 負担軽減という点からも極めて有効である。上記のようにロードプログラムに必要な情報 をメタデータ・データベースから取得することで、メンテナンス作業はメタデータの更新 のみに抑えられ、UDASのプログラム変更の手間を最小限にすることができる。また、様々 なデータのロードプログラムをある程度統一した形式で記述することができるというメリ ットもある。
扱えるようになり、UDAS をインストールする手間を減らすことができる。また、既に TDAS を利用しているユーザーがIUGONET プロジェクト関連データを容易に使用でき るようになり、データ利用促進に繋がるというメリットもある。
TDAS v8.0には、UDAS v2.00.1で公開された14種類のデータのロードプログラムが 含まれる。UDASのプログラム群は、TDASのディレクトリ構造の最上位にあるthemis、
erg等のミッションのディレクトリと並列にiugonetというディレクトリ名で配置される。
また、TDAS v8.0に含まれてない最新のUDASは、これまで通りIUGONETウェブサイ
トから公開する予定である。
TDAS v8.0では、GUIでIUGONETプロジェクトに関連するデータをロードする際に
データポリシーをポップアップウィンドウで表示する機能を新たに追加する。これは、
GUI にはコンソール画面が無くデータポリシーが表示できないという理由から追加した 機能であり、表示されたデータポリシーに対してOKあるいは Cancelを選択し、OKを 選択した場合のみデータがロードされる。また、OKをクリックしたという情報はIDL環 境変数として保存され、一度OKをクリックした後はIDLを終了するまで同種のデータに ついてデータポリシーは表示しない仕組みになっている。
2) IDL Virtual Machine環境で走る実行ファイルの開発と公開
IDLは有料のソフトウェアであり、IDLライセンスを持たない研究者は、TDAS/UDAS を使用することはできない。このような IDL ライセンスを持たないユーザーにも
TDAS/UDASを利用してもらうため、THEMISサイエンスサポートチームと協力しなが
らIDL Virtual Machine(IDL-VM)環境で走るTDASの開発を行った。IDL-VMとは、
Exelis Visual Information Solutionsにより無償提供されるIDLの実行環境であり、IDL でコンパイルしてできた実行ファイルをライセンス無しで走らせることができる。
IDL-VM環境では、プログラムを修正・コンパイルすることはできないが、GUIで行う決
まった命令を実行することができる。既に述べたようにTDASには高機能のGUIが用意 されており、GUI上でフィルターやフーリエ変換、ウェーブレット変換等の解析ツールが 利用できる。また、Mini Languageと呼ばれるスクリプトをGUIからも実行可能であり、
GUIでも複数のデータ変数に対して簡単な算術計算を行うことができる。
開発された実行ファイルは、一通りの動作確認の後、βバージョンとしてUCBのFTP サイト(ftp://apollo.ssl.berkeley.edu/pub/THEMIS/SCI/Soft/TDAS%20VM/idlvm_tdas_
7_00_b1.zip)でテスト公開された。UDASのプログラムを含んだTDAS v8.0が公開され た後には、TDAS v8.0についても実行ファイルを作成し、THEMISソフトウェアウェブ サイト(http://themis.ssl.berkeley.edu/software.shtml)からダウンロードできるように する予定である。
3) 3次元シミュレーションデータの取り込み
IUGONETでは、将来的に、観測データだけではなく、シミュレーションデータも取り
扱えるように検討が行われている。そこで、シミュレーションデータ取り込みのテストケ ースとして、九州大学の大気大循環モデル(General Circulation Model: GCM)シミュレ ーション3 次元データのUDAS への追加を試みた。このシミュレーションデータは、グ リーン・ネットワーク・オブ・エクセレンス(GRENE)事業・北極気候変動分野との連 携により、計算されたものである。GCMシミュレーション3次元データを自己記述型フ ォーマットであるCDF(Common Data Format)に変換し、UDASにロード、プロット
図3.3.4 九州大学の大気大循環モデルによって計算された
2009年1月1日200hPa高度における大気の温度分布。UDASにより作成。
するプログラムを作成した。図3.3.4に、UDASにより、2009年1月1日200hPa高度 における大気の温度分布を地球上にプロットした例を示す。このように、UDASを使うこ とによって、将来的にシミュレーション結果と地上観測データを容易に比較可能となるこ とが期待される。
【参考文献(3.3節)】
1) 田中良昌, 新堀淳樹, 鍵谷将人, 堀智昭, 阿部修司, 小山幸伸, 林寛生, 吉田大紀, 河野 貴久, 上野悟, 金田直樹, 米田瑞生, 田所裕康, 元場哲郎, 三好由純, 関華奈子, 宮 下 幸 長, 瀨 川 朋 紀, 小 川 泰 信, “IUGONET 解 析 ソ フ ト ウ ェ ア の 開 発”, JAXA-RR-11-007 (ISSN 1349-1113), 91-98, 2012.
2) 田中良昌, 新堀淳樹, 梅村宜生, 堀智昭, 阿部修司, 小山幸伸, 林寛生, 上野悟, 佐藤由 佳, 谷 田 貝 亜 紀 代, 小 川 泰 信, 三 好 由 純, 関 華 奈 子, 宮 下 幸 長, 瀨 川 朋 紀, "IUGONET 解析 ソフトウェアの現状と今後の発展", 宇宙科学情報解析論文 誌, JAXA-RR-12-006 (ISSN 1349-1113), 印刷中.
3) Angelopoulos, V., “The THEMIS mission”, Space Sci. Rev., Vol.141, pp.5-34, doi:10.100 7/s11214-008- 9336-1, 2008.
4) Miyoshi, Y., K. Seki, K. Shiokawa, T. Ono, Y. Kasaba, A. Kumamoto, M. Hirahara, T. Takashima, K. Asamura, A. Matsuoka, T. Nagatsuma and ERG Working Group, “Geospace Exploration Mission: ERG Project, Transactions of the Japanese Society for Artificial Intelligence”, Aerospace Technology Japan, Vol.8, pp.Tm_1-Tm_6, 2010.