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汚水処理施設の機械・電気設備の概要

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第6章 汚水処理施設の機械・電気設備における適用

6.1 汚水処理施設の機械・電気設備の概要

汚水処理施設は、集水し流送されてきた汚水から汚濁物質を除去し清澄な処理水とすること を基本的な機能とする。これは、更に汚水処理機能、汚泥処理機能、構造機能に分類できるが、

これらは重層的に構成される。これらの汚水処理施設の機能のうち、汚水処理機能及び汚泥処 理機能の大部分を担っているのが、機械・電気設備である。

【解説】

汚水処理施設は、汚水を浄化し清澄な処理水とすることを目的とした構造物であり、機能と して汚水処理機能、汚泥処理機能、構造機能に分類される。

汚水処理施設の機能のうち、汚水処理機能、汚泥処理機能の大部分を担っているのが、機械・

電気設備である。

6.1.1 汚水処理施設の機械・電気設備の構成

汚水処理施設の機械・電気設備は、汚水を浄化し清澄な処理水とすることを目的とした設備 であり、主な機械設備として、スクリーン、破砕機、ポンプ、ブロア、ばっ気・撹拌設備等、

主な電気設備として、受変電設備、分電設備、動力制御設備、非常用設備、警報設備、計装設 備等から構成される。

【解説】

汚水処理施設の機械・電気設備は、図 6-1~図 6-3に示すとおり、主な機械設備として、ス クリーン、破砕機、ポンプ、ブロア、ばっ気・撹拌設備等があり、主な電気設備として、受変 電設備、分電設備、動力制御設備、非常用設備、警報設備、計装設備等から構成される。

区 分

前 処 理 施 設

流 量 調 整 施 設

沈 殿 分 離 施 設

機 能

生 物 処 理 施 設

沈 殿 施 設

汚水を管路施設から円滑に流入させ るとともに、汚水中の土砂、夾雑物 等以降の処理に悪影響を与える物質 を除去する施設

汚水の固液分離や生物反応等による 処理を安定して行うため,流入汚水 量,負荷量の変動を調整する施設 汚水中の固形物を沈降分離させると ともに、これにより分離された汚泥

(堆積汚泥及びスカム)を清掃時ま で貯留するための施設

汚水中の汚濁物質を嫌気性,好気性 の微生物により除去するとともに,

除去に必要な微生物の調整(返送,

逆洗等)を行うための施設

生物処理施設で増殖した微生物の フロック等汚水中の固形物を沈降 分離し,汚泥濃縮貯留槽等に移送さ せるとともに,清澄な処理水を得る ための施設

流入水路

スクリーン(荒目,細目,微細目等)

沈砂槽(水槽,エアリフトポンプ等)

破砕機

原水ポンプ槽(水槽,ポンプ等)

構 成 設 備(例)

流量調整槽(水槽,ポンプ等)

汚水計量槽(水槽,計量せき等)

沈殿分離槽(水槽,流入管,流出管 等)

接触ばっ気槽(水槽,接触材,ばっ 気配管,逆洗配管等)

回転板接触槽(水槽,回転板等)

ばっ気槽(水槽,ばっ気配管等)

嫌気性ろ床槽(水槽,接触材等)

沈殿槽(水槽,汚泥引抜きポンプ,

越流トラフ,スカムスキマ等)

又は

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図 6-1 汚水処理施設の機械設備(処理水槽)の構成

図 6-2 汚水処理施設の機械設備(建屋)の構成

図 6-3 汚水処理施設の電気設備の構成

消 毒 施 設

放 流 施 設

汚 泥 処 理 施 設

処理水の消毒を行うための施設

処理水を公共用水域等に放流するた めの施設

汚泥の濃縮,脱水,乾燥,発酵を行 って減量化,安定化,安全化を図る とともに,搬出時まで貯留するため の施設

消毒槽(水槽,消毒器等)

放流ポンプ槽(水槽,ポンプ等)

放流管 汚泥濃縮貯留槽 汚泥貯留槽 汚泥濃縮設備 脱水機 汚泥乾燥床 コンポスト施設

建 屋

ブ ロ ワ 室

前 処 理 室

動力制御設備等の操作・監視及び保守点検の記録等の管理作業 を行うための室

所要の空気量を供給するブロワ設備,局所排気,室内換気及び 熱換気を行う換気設備等を設置するための室

スクリーン,沈砂槽等日常点検を必要とする設備を設置するた めの室

汚泥処理設備,水質試験室,非常用(電源等)設備等を設置・

収納するための室,維持管理用具等を保管するための室,便所,

手洗室,その他積雪寒冷地帯では必要に応じて処理水槽を覆う ための建屋等

区 分 構 成 設 備(例)

電 気 設 備 受 変 電 設 備

動 力 制 御 設 備

非 常 用 設 備

配線・配線路設備

電力供給者が設置する変圧器及び電力計から電力を引き込 むための施設である。通常は低圧受電で,主な機器としては 開閉器等があり,高圧受電では受変電盤等が必要になる。

ポンプ,ブロワ及び弁類等を円滑に運転制御するための設 備で,主な機器としては開閉器,リレー,動力制御盤,計 器盤等がある。

停電,受変電設備の故障等により受電が不可能となった場 合,機械電気設備の水没防止,処理機能の維持等のため必 要に応じて設置する設備である。主な設備としてはエンジ ンポンプ,非常用発電設備,非常用照明設備等がある。

汚水処理施設の保全、処理機能の維持に重大な影響を与え る異常な事態が発生したことを、汚水処理施設管理者や集 落住民に伝達するための設備である。電話回線を利用して 自動通報する設備や拡声器、パトライト等による警報を発 する設備等がある。

上述の各設備に電気を安全に導くための設備である。

配電盤,電灯分電盤等により各室ごとに円滑に電気供給を 行うための設備である。

流量計などにより適切な運転管理を行うための設備である。

接地工等がある。

区 分 構 成 設 備(例)

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6.1.2 汚水処理施設の機械・電気設備の特性

6.1.2.1 汚水処理施設の機械・電気設備の劣化

汚水処理施設の機械・電気設備は、多数の機器・部品から構成された集合体であり、これら が有機的な働きをして機能を発揮する。また、これらの機器・部品は回転体等の可動部分、熱 発生部分、汚水と接触する部分、硫化水素と接触する部分等を有しているので、運転の時間経 過とともに、摩耗や腐食等による劣化が進行し、これによって故障が発生したり、性能が低下 する。

【解説】

(1)劣化と故障

機能の劣化の状態や要因は様々であるが、設備の稼動実績、補修履歴、施設管理従事者によ る日常管理から得られる情報により、劣化要因がある程度想定できる。特に、機械・電気設備 の場合には、最も大きなものは作動部の磨耗、電気接点部の劣化等であり、これ以外の要因に より劣化や故障が発生するのは、図 6-4に示す初期不良を除き少ないが、いずれにしても、原 因を究明し、その原因の除去又は原因に応じた対策を講じなければ、時間をおかず、再び故障 が発生することとなる。原因の究明は、維持管理者に対する聞き取り等により、容易に判明す る場合もあるが、必要なら専門業者に依頼して行わなければならない。

劣化に影響を与える環境の地域特性や過去の補修履歴、管理従事者からの情報などに基づき、

調査の重点や留意すべき事項を整理して効果的・効率的な現地調査の計画を策定するとともに、

調査事項に漏れが生じたりしないよう留意する。

定期診断の間隔を合理的に定めるためには、過去の故障歴、標準耐用年数、設備の仕様と実 際の稼動状況との相違等を検討し、その劣化の進行速度から定めることが必要となる。しかし、

調査体制や調査費用の制約もあることから、機械・電気設備の場合には、設備又はこれを構成 する機器あるいは部品単位に事後保全なり、故障が生じた場合に設備又は施設全体に大きな影 響を与える設備、機器又は部品については定期的に交換とすることも合理的な場合がある(耐 用年数5~7年以下のもの等が対象となると考えられる。)。

図 6-4 機械・電気設備の故障率と供用経過年数(バスタブ曲線)

故 障 率

初期故障期 偶発故障期 磨耗故障期

供用経過年数

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一般に、設備の劣化形態は、次の3タイプに分類される。

ア 故障率減少形(DFR;Decrease Failure Rate)

故障率が時間とともに減少するタイプ。

イ 故障率一定形(CFR;Constant Failure Rate)

故障率が時間とは関係しないタイプで、構造の複雑な設備ほどこの傾向にある。

ウ 故障率増加形(IFR;Increase Failure Rate)

故障率が時間とともに増加するタイプで、構造の簡単な設備ほどこの傾向にある。故障 率及び信頼度と経過年との関係を図6-5に示す。

経過年→ 図6-5 故障率、信頼度と経過年の関係

↑故障率・信頼度

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(2)劣化要因と現象

一般的に機械・電気設備は、管路施設、鉄筋コンクリート構造物と比べ耐用年数が短く、加 えて漁業集落排水施設に用いられている水中ポンプ、ブロワー等の機械・電気設備は、極く一部 を除き汎用品である。このため通常、定期的又は故障あるいは日常点検で不良箇所が見つかっ た場合には部品又は機器の交換が行われるが、故障が頻発したり、一部の部品あるいは機器の 交換では対処できない場合には、設備全体の更新が行われることが一般的である。しかしなが ら設備の外的環境、稼働状況、維持管理状況(適宜、的確な部品等の交換等の保守作業)等に によって、設備の耐用年数が大きく左右される面があり、部品又は機器によっては、その劣化 が設備全体の性能に大きく影響することもある。従って、個別の機器ごとに診断し、その状態 を判定ることが望ましい。

  機械・電気設備は、所要の機能を持つことを意図して、種々の材料及び部品や機器を組合せ  構成されるものであることから、管路施設や鉄筋コンクリート構造物のように、主なる材料に  着目して性能低下メカニズムで表すことはできないが、大きな劣化要因で整理すると図 6-6の  とおりである。

通電不良、 故障

化学的作用 強度低下 作動不良、 

破壊、故障

物理的作用 電気的

機械的

発熱、融解、 

絶縁劣化

ひずみ、亀裂、振 動、摩耗、疲労、

発熱、異音

機械

・電 気設 備の 作動 停止 腐食等

作動不良

絶縁不良 通電不良、 

故障 故障

・腐食性のガス 及び水溶液、 

・動物の糞等

図6-6 機械・電気設備の性能低下メカニズム

・異常電流、放電、 

・動植物及び浸水   によるショート

・外力、摩擦 

・繰り返し荷重 

・温度変化

ドキュメント内 1 (ページ 92-102)

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