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水産指導者養成 持続的利用コースでの岩手・宮城現地視察

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交流促進課 天野 麻衣

研修開始式 竹中理事長と

奇跡の一本松

に祈りを捧げる方もいた。

1 大船渡魚市場

 岩手県農林水産部漁港漁村課の阿部漁港課長、

大船渡市農林水産部水産課の鈴木課長と金野係 長及び大船渡魚市場佐藤専務等の案内で市場を 見学した。同市場では、震災による地盤沈下の ため、 1 m近くの嵩上げが行われていた。ま た、衛生管理対策として、屋根付岸壁、閉鎖型 荷さばき場、清浄海水導入施設等が整備されて いた。

 鮮度保持に効果の高い、シャーベット状の海 水スラリーアイスの製氷施設が併設され、場内 の車両には電動のフォークリフトを使用し、排 気ガスが出ないようにしている。研修生は、同 魚市場が、震災を機に最先端の魚市場として再 整備されたことを理解し、質問をしたり写真を 撮ったりし、熱心に説明を聞いていた。

2 岩手県栽培漁業協会

 岩手県の阿部課長の先導で岩手県栽培漁業協 会を訪問し、同協会の坂本専務から、アワビの 種苗生産の案内を受けた。

 主に、ヒラメ、アユ、アワビの種苗生産を行 っており、中でもアワビは500万個/年を生産し 国内最大の規模であること、及び温度管理やエ サ等種苗生産する上でのポイントが紹介された。

研修生からは再捕率はどのように算出するのか 等様々な質問が出された。

5 月26日(木)

1 気仙沼魚市場

 水産庁から出向されている気仙沼市産業部水 産課の小川副参事と気仙沼遠洋漁業協同組合の 齋藤組合長の案内で市場見学を行った。同市場 は、生鮮カツオ、サメ、メカジキ等は全国一の 水揚げを誇っていること、及び特に 9 月ごろか らはカツオ、サンマの水揚げが多くなり、活気 がある様子を 2 階の見学デッキから見学できる とのことであった。研修生は、陸送されたネズ ミザメ、輸入されたマグロ及び定置網による漁 獲物の水揚げや選別の様子を見学し、ヒレを切 り取った後のネズミザメを熱心に写真に収めて いた。

 この見学の途中で三陸新報社の中島記者の取 材を受け、水産庁武下係長が研修の概要を説明 し、モロッコ農業・海洋漁業省のAomar氏は、

「気仙沼に来るまでは(サメを)無駄にしてい 衛生的な大船渡魚市場

(電動フォークリフト充電場)

気仙沼魚市場に並ぶモウカ(ネズミザメ)

アワビ種苗着底板の見学

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るのではないかとの懸念が合った。(サメの漁 獲を)感情的に非難する人もいるが、すべて活 用しているという証拠がここにある。」と見学

の感想を述べた。なお、この記事は翌日の同紙 1 面に掲載された。

2 気仙沼市役所訪問

 菅原茂気仙沼市長を表敬訪問した。時村財団 技術顧問が視察の目的を説明をし、市長から

“市を挙げて水産資源の持続的利用を図ってい る。”との力強いご挨拶があった。ここで、研 修生から、自国での経験を基に、一つの漁業に 過度に依存するのは危ういのではないかという

鋭い指摘がなされ、その後、30分間活発な質疑 応答が交わされた。市長からは、地元以外も含 めた多角的な水産物の集荷、及び関連産業(造 船、加工等)のレベルアップによる市外からの 業務の受託ができるよう体質強化を図っている という趣旨のご説明をいただいた。最後に、菅 原市長を囲んで記念撮影を行った。

三陸新報社 提供

3 サメ肉のすり身加工場見学

 小川副参事と共に気仙沼市産業部水産課加工 振興係の糟谷主事にも同行していただき、株式 会社ムラタにおいて村田専務の案内で、サメ肉 の加工施設・サメ皮の加工施設・製品を見学し た。サメ皮が 7 層に分かれており、その 2 層を 剥ぐことでサメ皮として利用できること、サメ には毛穴が無いことも特徴であること等の説明 を受け、着色を施したサメ皮も見学した。研修 生はサメはヒレだけでなく、肉・皮に至るまで 無駄なく使える資源であることを実感したよう であり、ファッションに関心が高いグレナダの Calliste氏は、村田専務と熱心に交渉して、展 示用の製品(ベルト)を譲り受けて(購入し て)いた。

4 フカヒレ加工場見学

 食品工場とは思えないお洒落な外観の株式会 社中華高橋水産において、高橋代表取締役社長 より、ヒレや肉のみならず骨も医薬品やペット フードや医薬品に利用していること、資源的に 問題の無い種だけを利用していること等の説明 を受けた後、フカヒレの加工現場の見学を行っ た。原料となるフカヒレの半量を気仙沼から、

残りを国外(主にスペイン)から買い付けてお り、ヒレ、骨、肉など無駄なく活用しているこ と、フカヒレは乾燥に80日、その戻しに 8 日程 度と、完成まで長期間を要する加工品であるこ と等の説明を受けた。

5 サメ肉等の昼食

 鮨処「えんどう」で、サメを利用したメニュ ーの昼食をとった。料理長が、サメ肉は水分が 多いことが欠点でもあるが、冷めても軟らかい という利点にもなること等、食材としてのサメ 肉の特性等について説明し、研修生と質疑応答 を行った。中華高橋の高橋社長も同席し、研修 生達と各国の食文化や食材についての意見交換 がされた。研修生からは、“帰ったらさっそく サメを利用するようにしよう。”とか“それぞれ の国でサメの歌を作ろう。”といった声が聞か れた。気仙沼市の小川副参事からは、今回の研 修でサメの有効利用について知見を深め、国際 なめして着色したヨシキリザメの皮

フカヒレから骨を外す作業をする モーリタニアのWague氏 菅原気仙沼市長と記念写真

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会議における日本の主張の正当性について理解 していただきたいという、研修の主催者を代弁 するようなコメントが研修生に伝えられた。最 後に、研修生代表としてソロモン諸島のAba氏 より、この研修旅行で、震災と復興を体感でき たこと、サメが有効に利用されていることを理 解できたことに対する感謝の言葉が述べられた。

 今回、2011年の東日本大震災で大きな被害を 受けた大船渡、気仙沼における研修を引率し、

震災の被害の甚大さと復興状況を垣間見ること ができた。未だプレハブの仮設住宅が多くみら れ、個人的にも、 5 年が経った今も多くの人が 震災以前の生活環境に戻っていないことを実感 した。研修生も当時の様子や津波被害の甚大さ を目の当たりにし驚いた様子であった。また、

サメの有効利用においては、サメについて知っ て、見て、触って、食べてといった五感を使う ことで、フカヒレだけの利用だけでなく、骨、

皮に至る全てを有効活用していることが深く納

得できた様子であった。研修生達が実際の目で 現場を見ることができ、とても有意義な地方研 修になったと考える。

 最後に、今回の地方研修の趣旨を正確に把握 し、的確な視察プログラムを組んでくださった、

岩手県の阿部課長及び気仙沼市の小川副参事、

並びに、お忙しい中、プログラムに真摯に対応 してくださった現場の皆様に心から感謝する。

料理長によるサメ肉調理に関する解説

研修修了式

左から Aba Kirk Alan(ソロモン諸島)、Lai The Hung(ベトナム社会主義共和国)、Wague Abdoulaye(モー リタニア・イスラム共和国)、Francis Calliste(グレナダ)、Bourhim Aomar(モロッコ王国)、粂専務理事、

Seid Mohammed Abrar Ahmed(エリトリア国)、Sok Long(カンボジア王国)、Enkhbat Damdin(モンゴル 国)、Ramkisor Ajey Chandrabhose Randjitsingh(スリナム共和国)、Defoe Jullan Benoie Georges(ドミニカ国)

なお、ラオス人民民主共和国のAkhane Phomsouvanh氏は修了式前に帰国

 私は、将来、我が国の水産業と海外を繋げ発展 させていく職種に就きたいと考え、日本大学 大 学院 生物資源科学研究科に進学しました。はじ めに、現在大学院で取り組んでいる研究内容につ いて紹介します。

 大学では養殖産業で大きな問題となっている

“魚病”を専門とする研究室に在籍しています。研 究室では、主に魚病を引き起こす魚類病原体と魚 病の予防に関する研究に取り組んでおり、私自身 は魚病の予防法として近年注目されている免疫賦 活剤(免疫強化剤ともいいます)を研究課題とし ています。免疫賦活剤には様々な種類があり、私 は魚類で最も有名かつ利用されているビタミンC がどのように魚の免疫機能を向上させているのか、

そのメカニズムについてニジマスをモデルに研究 しています。ビタミンCは工業的に大量生産され ているビタミンであり、価格も安価で、多量に投 与しても副作用が殆ど認められないなど、優れた 抗酸化物質です。複数の魚類の病原体に効果があ ることが確認されており、マス類で最も被害の多 いウイルス病に対しても、投与方法を工夫するこ とで明瞭な効果がもたらされることが明らかとな っています。一方で、『何故効くのか?』という 原理はよくわかっておらず、その使用に不安を抱 いている養殖業者の方達も未だ多くみられます。

つまり、いくら安価といえ、それなりの費用のか かるビタミン剤を購入・使用する価値はあるの か?と。そこで私は、その原理解明に取り組み、

ビタミンCを投与したニジマスでは、ウイルスの 増殖を抑える免疫物質の一種が増加することを明 らかにしました。この免疫物質の量を指標として、

最適な投与法を提案していくことが、私の大学院 での研究の目標となっています。

 私の所属研究室では、水産試験場や養殖関連産

業との共同研究も積極的に進 めています。そこで感じるの は、養殖産業における海外と の密接なつながりです。私が 被害を抑え込みたいと考えて いるウイルス病もほぼ全て海

外から日本に侵入してきたと考えられているもの であり、世界中で問題となっている病気でもあり ます。 1 年半ほど海外留学を経験する機会があっ たこともあり、世界と繋がるような研究をしたい と考え、世界中で養殖され、被害も大きいニジマ スのウイルス病予防を研究課題として選びました。

そして、卒業後も水産関係で世界を視野に仕事を したいという希望があり、指導教員の間野伸宏先 生にご相談したところ、海外漁業協力財団でのイ ンターンシップを紹介して頂きました。 1 週間、

インターンシップをやらせて頂きましたが、当然 ながら、普段取り組んでいるものとは全く異なる 作業・経験でした。一方で、先生より“君の視野 が広がると思う”、とインターンシップ前に指摘 されていた通り、交流促進課における研修生受入 事業や、企画評価課の事業評価などは、これまで 考えてこなかった海外との繋がる仕事やプロジェ クトの存在を体験できる機会となりました。

 研修生の受け入れ事業では、市場や養殖場へ直 接赴き、現場で実地研修を行い実用的なノウハウ を学ぶ場面や、日本の流通システムや日本語の講 義など、将来日本とビジネスを円滑に行う際の地 盤を学ぶ機会などがありました。日本へ水産物を 輸出している国の技術者や政府関係者を招聘し、

技術力やノウハウの提供を行うことで、日本にと っては高品質の水産物を安価に輸入でき、生産国 にとっては国益の上昇・水産業の発展に繋げるこ とができるという、両国どちらにもメリットがあ

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