十
悪
一は 切
衆
盈 の
本
有
の
悪 業
な り。直 ち
に
此
の
悪 行 を 以
て
、
自 然
に
薩 般
若 海
に 流 入 す
、
と 云
々
。
則
ち 今、
設 ひ 衆 罪 を 造 れ ど も
、
悉 く
善
行 と 成 るの
文
証、 是 れ なり
。
二
、
}
念
信 知
已
後
の
悪 業
二 に は
、
所 謂
ゆ る一
念
の
信
知 已後
に
作 す 飯
の
霊
毒
・十 悪 は
、
茲 に
依
っ
て
悪
道
に は 堕
す
可 し
。
仮 令 ひ 堕 す と 雖
も
、
随 縁
雜
染の
者
の
如
く
に は あ ら ざ る な り
。
雜
染
の
衆 生 は
、
悪 業
の
因 に 依
っ
て
、
地
獄
等の
趣 に 堕
す
れ ば
、
則 ち 知 ん ぬ
、
他
の
苦
を受
く と
。
自 性 所
成の
苦 と
知
ら ざる が 故 な り
。
・−
189
一(国 訳)最後潅頂 常行心 要法 此
の
中
に
、
ま た 顕
宗
の
衆 生 有 り
て
、
本 有
の 理 は 融 じ
て一 体 な り
と
雖 も
、
迷
情
の
事
は 隔
て て
而
も 融ぜ
ざ
る に 依 り
て
、
妄 り に 他
の
苦
と 謂
ふ
。
是 れ を 随 縁 雜 差 別 心
の
苦
と 名
つ
く
る の み
。
秘 密
の
行 者
は
、
彼 等
の
如 く に は
あ ら ず
。
同 じ く 悪 趣
に
堕 す と 雖 も
、
皆、
自
性 所 成の
苦
と 知 る が
故
に
。
是 れ を
法 尓
所 起の
曼
荼 羅 心の
苦 と 名
つ
く
。
且 ら く
善
悪の
強 劣
に
依
っ
て
悪 趣 に 堕
す
の
苦 を 生 ず
る と 雖 も
、
実
の
如 く 秘 宗
の
実
義
を 知 る。
之 れ を
知
る を 以 て の
故
に、 則
ち 悪
業
の
苦
用 を 自 ら 秘密
の
行 と 成
し
て
、
自 然
に
大 菩 提 道
に
流 入 す
。
一一 一
、
化 他
の
成 仏
自 証
已 後
の
成 仏 は
、
則 ち 是 れ
化 他
の
成 仏 と 心 得 可 き
の
も
の
な り
。
此
の
宗
の
自
証・ 化 他の 二
種
の
成 仏
、
能 く 之 れ を 弁 ず
べ
し
。
復 次 に
、
化
他
の
行
法
に
就
い て
大
い
に 二
種
を 分つ
。
一 に は
有
相の 三 密 行
、
二 に は
無 相
の 三 密 行 な り
。
一
190
一
1
、
有 相
の 三
密 行
初 め に 有 相
の
三 密
の
行
と は
、
所
謂ゆ る
師
資 相 伝の
両 界 護
摩
等、
ま た 則 ち 別 尊
の
行 等
の
種
種の
行 相
。
或 ひ は 三
密
を 具し
、
或
ひ は
二
密
に 随 ひ
、
或
ひ 一は 密
に
依
る
。
軌
模
階 定 し て法
式 を 乱 せ ず、
説
の
如
く 修
行 す る等
是 れ な り。
2
、
無 相
の 三
密 行
次に
無
相の
三
密
の
行 と は
、
則 ち
前
に
明 す
所
の
本
有
・ 法然
の 三
業
の
所 作
等
是 れ な り。
中 に
就
い て 二
を 分
つ
。
知 を 以 て
行
と
為
す。
二 に は 性 を 以 て
行
と
為
す。
一 に は
NII-Electronic Library Service
(国 訳)最後潅頂常行心要法
a
、
知 を
以て
行
と
為 す
初 め に 知 を 以 て 行 と為
す と は
、
所 謂 ゆ る 無 始 本
有
の
三
業
の
作
る
所
の
善 悪
の
諸
業
は
、
是 れ 則 ち 三
密
の
行 徳 と 知 ら ざ れ ば
、
徒 ら に
悪 道
三
業
の
因 と 成
る
。
是 れ 則 ち 三 密
の
行
徳 と信
知 す れ ば、
定
ん で
菩
提の
妙 果 を 成 ず
。
但 し
、
信 を 以 て
根
と為
す。
若 し
信 根
無 き 者は
、
縦
使
ひ 実 義
を 知
る と も
、
即
ち 悪業
の
行 を 以
て
、
善
業 を 成 ず 可 か らず
。
何
を 以
て の
故
に
。
謂 く
、
一 切
衆
生の 現 起 せ る
妄
想 は、
縁
に 歴 れ
、
境
に
対 し て
、
心 を 起 す
こ
と 無 数
に し て
、
際 限 測
り
難し
。
此
の
多 起
の
心
の
中 に
、
業 を 引 く
こ
と は 強
心
に 依 る
。
悪 強 け れ ば 悪
道
を 引 き、善
強 け れ ば善
道 を 引 く。
斯 を 以
て
、
世 法
の
為
に
修
する
業
は、
善 悪
等
しく
世 業に
帰
し
、
仏 法
の
為
に
修 す
る
業
は
、
善
悪 等
し く 仏 道
に
帰
す
。未 だ 欲 を
離
れ ざ
る
凡
夫
の
、
則
一ち
境
に 専 住
す
る は
、
是 れ ま た
甚
だ 難 し と為
す
。
識
猿
は
禁 じ 難
き が
故
に
、
縦 ひ 妄 心 を 起 す と も
、
常
に
心 を 三
業
の
隙
憶
に
懸
けて
、
廃
退 を 至さ
ざ
ら ん に は
如
か じ。
是 れ 即 ち
常
行の
用 術 な り
。
若
し 此
の
如
く等
の
行 人 は
、
直
ちに
妄 想
の
作 業
に
依
っ
て
薩 般
若
海に
流 入 す
。
続 心
の
強 勝 な
る を 以 て の
故 な り
。
則 ち 是
の
如
くの
義
門 は
、
極 め
て
心 得 難 し
。
其
の
以 は
、
設 ひ 衆 罪 を 造
れ ど も
、
悉
く 善 行 と 成る の
道 理 を
信 仰
す るの
人
は
至
て
稀
な り。
縦 ひ 之 れ を 信
ず
る 人
、
適
々
在 れ ど も
、
自
己 の
分 斉 を 顧
み
ず
、
自 ら 恣 ま ま に
諸
々 の
悪
業
を 造
る
。
此 等
の 二
辺 は
大
なる
過 な り
。
誠 に 深 く
存 意 有
る 可 し
。
若
し
存 意 す
る こ
と 有
ら ば
、
一
念 信
知の
已
後
は
、
無
間の
行 業
を
成
せ ど も
、
自 然
に
果 海 に
到 る
。
夫 れ
、
徒 ら な る 三
業
を 以て
、
徒 ら に 悪 業 を 成 さ ん
自 り
は
、
同 じ く は 此
の
旨 を 信 知 し て
、
速 か に 自 然
の
善
業
を 設け ん に は
。
豈 に 広 大
の
益
に
非
ざる や
。
但
し
、
損
不 は 己に
在
りの み
。
若 し 此
の
深
旨
を 信 ぜず
、
唯 し
有 相
の
行
法
をの み
修
せ ば
、
只
、
有 相
の
悉
地 を得
て
、
無
相
の
悉
地 を 成 ぜず
。
ま た
有
相の
行 に 依
っ
て
、
無 相
の
行
を 引 起 し
て
、
後
に
無
相の
悉
地 を 得る が 故
に
、
無
相の
行
に 依
っ
て
必 ら
ず 無
相の
悉
地 を得
。且 ら
く 初 心
の
行
人 は、
有 相・ 無 相 を
兼
修 し て 必 ら ず 無 上の
悉 地 を 成 ず
べ
し
の
み
。
一
191
一N工工一Electronlc Llbrary
(国 訳)最後潅 頂 常行心 要法
b
、
性 を
以 て行
と
為 す
次
に 性 を 以
て
行
と 為 す と は
、
所
謂ゆ る
前
に
、
信
知 を 以 て 所 住 と 為 す。
今 は 不
住
を 以 て
所 行 と 為 す
。
所 以 に
、
有 相
.ひ ね
も す
無 相
の
三 密
の
修 行
は
、
晝 日 に 修 し て
、