第 3 章 服務規律
第3節 母性健康管理
第40条 産前産後休業 第41条 妊産婦の労働時間 第42条 育児時間
第43条 母性健康管理休暇等〈作成のポイント27〉 第44条 生理休暇
<本章の規定>
この章は、労働時間、休憩時間、休日及び休暇に関する事項を定めています。これらはすべて絶対的必要記 載事項であり、就業規則においては、賃金に関する事項にならび最も重要な労働条件に当たる部分といっても 過言ではありません。業種や企業規模等により、それぞれの企業における特徴が現れる部分でもあり、その内 容は企業により様々です。
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労働時間・休憩時間・休日・休暇
第 4 章
規 定 例
作成のポイント
●14 労働時間
第26条(労働時間)
労働時間は、1週間につき40時間、1日については8時間とする。
2 始業及び終業の時刻は次のとおりとする。
始業時刻 9:00 終業時刻 18:00
1.労働時間の意味
労働時間は、休憩時間を除き、始業時刻から終業時刻までの時間のことをいい、「労働者が使用者の指揮命 令下に置かれている時間」です。「指揮命令下にある」とは、実作業をしている時間だけでなく、指示があっ たときにいつでも対応することができる手待ち時間も労働時間に含まれます。
2.始業及び終業の時刻
労働時間については、始業及び終業の時刻を規定することが就業規則上の絶対的必要記載事項です。よって
「労働時間は、1週間につき40時間、1日については8時間とする。」という規定だけでは要件を満たしていま せん。なお、始業及び終業の時刻は、全社員一律である必要はなく、所属部署や職種等により異なる場合は、
その全てを規定しなければなりません。
3.労働時間の把握義務
事業主は、労働者の始業及び終業時刻に関して把握義務があり、「労働時間の適正な把握のために使用者が 講ずべき措置に関する基準について」のなかで次のとおり具体的な方法が規定されています。
①始業・終業時刻の確認及び記録
使用者は、労働時間を適正に管理するため、労働者の労働日ごとの始業・終業時刻を確認し、これを記録 すること
②始業・終業時刻の確認及び記録の原則的な方法
使用者が始業・終業時刻を確認し、記録する方法としては、原則として次のいずれかの方法によること ア 使用者が、自ら現認することにより確認し、記録すること
イ タイムカード、ICカード等の客観的な記録を基礎として確認し、記録すること
③自己申告制により始業・終業時刻の確認及び記録を行う場合の措置
上記②の方法によることなく、自己申告制によりこれを行わざるを得ない場合、使用者は次の措置を講ず ること
ア 自己申告制を導入する前に、その対象となる労働者に対して、労働時間の実態を正しく記録し、適正 に自己申告を行うことなどについて十分な説明を行うこと
イ 自己申告により把握した労働時間が実際の労働時間と合致しているか否かについて、必要に応じて実 態調査を実施すること
ウ 労働者の労働時間の適正な申告を阻害する目的で時間外労働時間数の上限を設定するなどの措置を講 じないこと。また、時間外労働時間の削減のための社内通達や時間外労働手当の定額払等労働時間に 係る事業場の措置が、労働者の労働時間の適正な申告を阻害する要因となっていないかについて確認 するとともに、当該要因となっている場合においては、改善のための措置を講ずること
④労働時間の記録に関する書類の保存
労働時間の記録に関する書類について、労働基準法第109条に基づき、3年間保存すること
⑤労働時間を管理する者の職務
事業場において労務管理を行う部署の責任者は、当該事業場内における労働時間の適正な把握等労働時間 管理の適正化に関する事項を管理し、労働時間管理上の問題点の把握及びその解消を図ること
⑥労働時間等設定改善委員会等の活用
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規 定 例 規 定 例
事業場の労働時間管理の状況を踏まえ、必要に応じ労働時間等設定改善委員会等の労使協議組織を活用し、
労働時間管理の現状を把握の上、労働時間管理上の問題点及びその解消策等の検討を行うこと
関連する法令・判例など
労働基準法第32条(労働時間)原則的な労働時間(法定労働時間)
平成13.4.6基発339号(労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準)
作成のポイント
●15 始業・終業時刻・休憩時刻の変更
第27条(始業・終業時刻・休憩時刻の変更)
会社は、業務上やむを得ない場合に、前条に規定した始業及び終業の時刻を繰り上げもしくは繰り下 げることがある。
1.業務命令としての始業及び終業の時刻の変更
始業及び終業の時刻を変更するということは、連続性はなかったとしても、その日ごとに労働契約の内容が 変更されることであり、就業規則に規定することにより業務命令としての変更権にあらかじめ同意を得ておく 必要があります。
作成のポイント
●16 1箇月単位の変形労働時間制
第29条(1箇月単位の変形労働時間制)
会社は従業員に対し、毎月1日を起算日とした1箇月単位の変形労働時間制を採用し、労働時間は、
休憩時間を除き、変形期間を平均して1週間40時間以内とする。なお、始業、終業の時刻及び休憩時間 は次のとおりとし、勤務時間と休日との組み合わせは、原則として起算日の1週間前までにシフト表を 作成し、周知する。
① シフト1 始業時刻 10:00
(実働8時間) 終業時刻 19:00
休憩時間 14:00〜15:00(60分)
② シフト2 始業時刻 17:15
(実働6時間) 終業時刻 24:00
休憩時間 19:00〜19:20(20分)
22:00〜22:25(25分)
③ シフト3 始業時刻 13:00
(実働時間10時間) 終業時刻 24:00
休憩時間 17:00〜18:00(60分)
1.1箇月単位の変形労働時間制
1箇月単位の変形労働時間制とは、業務の繁閑や特殊性により1箇月サイクルで労働時間を柔軟に取り扱う ことができる制度であり、労使協定または就業規則その他これに準ずるものにより1箇月以内の一定期間を平 均し1週間当たりの労働時間が法定労働時間(原則40時間)を超えない定めをした場合に、特定された週また は特定された日において法定労働時間を超えて労働させることができる制度です。
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2.労働時間の特定
1箇月単位の変形労働時間制を採用する場合、変形期間における各日、各週の労働時間を具体的に定めるこ とを要し、変形期間を平均し1週間につき法定労働時間(原則40時間)の範囲内であったとしても、使用者が 業務の都合によって任意に労働時間を変更するような制度であってはなりません。また絶対的必要記載事項と して「始業及び終業の時刻」は必ず就業規則に定めなければならなく、「規定例」のように交替制(シフト)
勤務等による勤務形態の特徴がある飲食業や警備業などの場合には、就業規則内において各日、各週の労働時 間が就業規則上で特定できなくても、「始業、終業の時刻等は、就業規則においてできる限り具体的に特定す べきものであるが、業務の実態から月ごとに勤務割を作成する必要がある場合には、就業規則において各直勤 務の始業終業の時刻、各直勤務の組み合わせの考え方、勤務割表の作成手続及びその周知方法等を定めておき、
それにしたがって各日ごとの勤務割は、変形期間の開始前までに具体的に特定することで足りる」(昭和 63.3.14基発150号)という通達があり、勤務割(シフト)表確定をもって労働時間を特定したことになります。
3.労使協定または就業規則その他これに準ずるもの
1箇月単位の変形労働時間制は、就業規則その他これに準ずるものにその内容を定めた場合は労使協定の締 結義務はありません。反対に就業規則ではその内容を規定せずに労使協定で定めることもできるということで す。ただし、後者の場合、労使協定を締結しただけでは労働条件として就労を義務づける根拠にはならなく、
この場合であっても就業規則には「労使協定に基づき1箇月単位の変形労働時間制で労働させることがある」
と規定することや「始業及び終業の時刻」を規定することは必要です。なお、労使協定により導入する場合は、
所轄の労働基準監督署長にその労使協定を届け出なければなりません。
「その他これに準ずるもの」とは、就業規則作成義務のない常時10人以上の労働者を使用していない場合に 認められるものであり、常時10人以上の労働者を使用する事業場では、必ず就業規則に定めなければなりませ ん。
4.割増賃金との関係(法定労働時間を40時間として説明)
1箇月単位の変形労働時間制を採用した場合の割増賃金の算定方法は通常とは異なり、次の時間が割増賃金 の支払対象になります。
①1日について
・ 8時間を超える時間を定めた日は、その時間を超えて労働させた時間
・ 上記以外の日は、8時間を超えて労働させた時間
②1週間について
・ 40時間を超える時間を定めた週は、その時間を超えて労働させた時間
・ 上記以外の週は、40時間を超えて労働させた時間(1日について時間外労働になる時間を除く)
③変形期間(1箇月以内)について
・ 変形期間における法定労働時間の総枠(法定労働時間×対象期間の暦日数÷7)を超えて労働させた時 間(1日及び1週間について時間外労働になる時間を除く)
※1箇月の法定労働時間の総枠の算出方法
法定労働時間(40時間)×変形期間の暦日数(1箇月以内)÷7
上記の算式による1箇月の法定労働時間の総枠
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1箇月の暦日数 労働時間の総枠 31日 177.1時間 30日 171.4時間 29日 165.7時間 28日 160.0時間