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段波解析の条件

ドキュメント内 平成 (ページ 40-44)

第 2 章 数値流体解析モデル

2.8 段波解析の条件

ここでは段波解析の際に使用した計算条件を示す。

2.8.1 段波のモデル化

数値解析では、福井ら(1963)が提案した段波の平均流速の式を使用して段波を発生させた。その式 は以下の通りである。

ここで、𝑈̅は段波の平均流速、𝐻𝑖は段波波高、𝑔は重力加速度、𝐻は段波水深、ℎは前浜水深、𝜂は福井 らが実験から求めた、ℎとHの比で決定する係数である。これは福井らの研究結果から1.03とする。

この平均流速𝑈̅を鉛直方向に一様に与えて、図2.31に示すように端から段波を流入させる。この流入 をT時間経過した時点で止めることで、周期を持った段波のモデル化を行った。

𝑈̅ = 𝐻𝑖√ 𝑔(𝐻 + ℎ)

2𝐻(𝐻 − 𝜂𝐻𝑖) (2.130)

図2.31 段波発生の概略図

T経過後

37 2.8.2 段波発生条件

段波解析の際には図2.32に示す状況で行った。水深は、東京港湾中央防波堤外側の水深が15~16m であり、それに合わせて15mとした。波高𝐻𝑖は3mと4mの二種類の段波を発生させ、それぞれの 波に対して壁高𝐻𝑤を2m,3m,4m,5mと変化させて解析した。また、津波は数10分の周期を持ってい るため、10分(600sec)経過したら段波の流入を止めた。左端から壁までの距離を8000mとしたのは、

壁に衝突して反射した段波が、左端の壁に反射して再び直立壁を襲うまでの時間をできる限り遅らせ るためである。以上の条件を以下にまとめる。

水深h : 15m 段波波高Hi : 3m, 4m

壁高Hw : 2m,3m,4m,5m

流入時間T : 600sec

図2.32 段波解析の図

38 2.8.3 計算条件

図2.32で示した流れ場を解析するため、図2.33に示す格子を構築した。左から7000mの範囲の セルの𝑥方向の長さ𝛥𝑥は3.5m、さらに500m範囲のセルの𝛥𝑥は1.0m、それより右の範囲のセルの𝛥𝑥は 0.5mにした。これは、壁に近い範囲のセルを細かくして、越波現象を精度よく解析するためである。

𝑦方向のセル長さ𝛥𝑦については、下から14mの範囲は𝛥𝑦 = 3.5m、それより上の範囲は𝛥𝑦 = 0.5mと して、𝑦方向には全部で40個のセルを配置した。これは、下から14mの範囲は水中であり、界面が 存在する領域を精度よく解析するためである。

計算の時間間隔は0.01secとし、計算時間は越波した段波の水位が壁より低くなるまで行った。ま た、今回の解析のような大きな流れ場では粘性の影響は無視できる程小さいと考えられるため、計算 負荷軽減のため粘性項は飛ばして計算した。重力加速度gは9.8m/sec2としてy軸の負の方向に与え た。水の密度は998.22kg/m3とした。

以上の条件を以下にまとめる。

使用格子数 : 3610×40

時間間隔Δt : 0.01sec

動粘性係数μ : 0.0 kg/m.sec 重力加速度g : 9.8 m/sec2

水密度 : 998.22kg/m3

図2.33 段波解析の図

39 2.8.4 解析項目

段波解析の際に、図2.34に示す項目の時々刻々の値を取得した。

(1) 壁直前の水深

直立壁の直前のセルにおける水面の高さを取得した。

(2) 越波断面の平均流速

直立壁を越えた領域の流速分布を平均して、越波断面の平均流速を算出した。位置は壁前面の端に おける断面とした。

(3) 越波量

壁を越えた水の体積を取得して、越波量を取得した。越波した水が壁の後ろ側のスペースから溢れ て段波に影響することを防ぐために、壁を越えて水の体積をカウントした後に水を消した。これによ り、壁の後ろのスペースを最小限に抑えて、計算不可を減らした。

図2.34 越波時の解析項目

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