2005年6月.
5. 次世代無人探査機模型の開発
4 章の問題を鑑みて、図 5 に示す機体レイアウト案を作成した。 CFD (Computer
Fluid Dynamics)による機体形状最適化、及び、図 6 に示すフェールセーフ性確
保が可能な制御システムをキー技術として開発した。また、図 7 に示すような、
大上下揚力・横力、高運動性確保、接岸・収納がスムーズ、及び、翼破損時の
システムバックアップが容易となる等の特長を有するエックス型ウィング(X
字)を尾翼に採用した。尚、開発した模型では、エックス型ウィングから通常
よく用いられているプラス型ウィング(十字)に配置変更可能なものとし、ど
ちらの形でも航走できる。
図6 新しい制御システム構成 図5 潜水機機体レイアウト案
フェールセーフ性確保可能な制御システム 高効率アクチュエータ、翼配置法
高効率推進器、補助アクチュエータ 機体形状最適化
図7 エックス型ウィングの特長
CFD は Renolds Averaged Navier-Stokes 法により流体形状最適化シミュレー ションを行った。図 8 にシミュレーション結果を示す。図中の左側は、通常用 いられるシリンダ形状の機体であり、図中右側は、表面圧力分布が均一化(図 では同じ色)となるように定めた機体形状である。圧力変動が少ないと流れの 乱れが少なくなり、流体抵抗が最小化できる。
シミュレーション結果に基づき製作した模型の外観図を図 9 に、内観図を図 10 に示す。本模型は、長さ 2.6 m 、最大幅 0.5 m 、最大高さ 0.4 m で、リチウム 電池、バラストタンク、運動検知センサ、制御装置等内蔵で、ケーブル無しで の自律航走が可能である。
図8 CFDシミュレーションによる機体形状最適化設計
図9 模型外観図
図10 模型内観図
また、本模型製作時の CAD データより航走体をコンピュータグラフィックス
(CG)化する手法を開発した。本模型を CG 設計した結果を図 11 に示す。さら に、水中翼を取り付けて最適な揚力を出すように CG 設計した結果を図 12 に示 す。CG データを基に水中翼を設計し、製作した模型を図 13 に示す。従来のシ リンダ型、最適形状の機体(水中翼無し、有り)の運動性能を水槽試験により 検証した結果を図 14 に示す。
図11 コンピュータグラフィックスによる設計
図12 コンピュータグラフィックスによる水中翼付探査機設計
図13 水中翼付探査機模型
図 14 に示すように、次世代型は水中翼によるグライダー効果と船体抵抗の低 減効果により、従来の船型(シリンダー型)に比べ、航続距離が大幅に延伸す ることが水槽試験及び解析にてわかった(図の比較は機体長さ、エネルギー量 一定として評価) 。特に、グライダー航走では本体の揚力も利用できるため、航 続距離延伸に有利である。
ベース
(航行パターン)
約 1.2 倍に延伸
約 2 倍に延伸
船体抵抗の低減効果
水中翼によるグライダー効果
ベース船型
(シリンダー型)
抵抗低減船型 抵抗低減船型+
水中翼付き
航行距離(水平移動距離)
図14 次世代型と従来型の航続距離の比較結果
ドキュメント内
研究成果報告書
(ページ 123-128)