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第四章  ケーススタディ

4.4.1. 業界概要

自然食品点は1970年代後半ころに登場した。「ナチュラルハウス」が自由が丘に 開店したのが1978年、そしてオーガニック専門卸「正直村」が銀座の松屋百貨店に

インショップとして開店したのが1981年である。

平均的な規模は、売り場が10坪、月商250〜300万程度と小さい。

自然環境問題など社会的な意義を打ち出して店を構えている店主が多く、全般的に 見てマネジメント能力に乏しいことは否定できない。また、安全、健康、環境が前面 に出てきて高価なのは当然とされることが多かったため、普及しない上に 特別な人 たち を対象としたものにしかならない。無愛想で気難しそうな店主が構えていてな んとなく入りづらい店も多い。このため、赤字経営の店も多い(山田、1997)。

一般に自然食品店の商品構成は加工食品などが中心で、農産物等生鮮品のオーガニ ックは少ない。しかも産直、卸売市場経由ともに商品調達のパイプは細く、安定仕入 れがなされていないケースが多い。最近になって生鮮品のウエイトが高くなりつつあ る店も多くなってきたが、家庭で消費するすべての食品・日用雑貨を調達するのはま だ無理であり、消費者の日常的な購買行動を促す上でネックとなっている。

ただし、最近になって専門流通事業体などから商品を仕入れて供給安定をはかる事 業体も増えてきたため、こうした問題は改善されつつある。

以下でケースごとに検討していく。規模の小さい店が多い中で、アニューは例外的 に大規模な店舗拡大を行っている。

4.4.2. ケース1.アニュー

「株式会社ナチュラルグループ本社」が展開する「アニュー(anew)」は、フランチ ャイズをベースとしたシステムで全国に600店舗を展開している。1972年に創 業し、当初はローヤルゼリーを生産・販売していたが、やがて化粧品や健康補助食品 など商品カテゴリーを増やしていった。現在は有機野菜などの生鮮産品、無添加食品、

日用雑貨も含め、標準店で1500種類を取り扱っている。FC システムを導入して いるのは、「地球の健康を作る運動」という基本思想を全国的に啓蒙していくために、

地域の消費者とのパートナーシップを強めていくのがよいと考えたからである。そし て実際に地域の顧客とのコミュニケーションは活発である。商品には産地や生産方法 などが明記されているため安心して購入することができる。価格は普通のスーパーの 1.5〜2倍である。

アニューは生産者と消費者をつなぐパイプの役割を果たす。消費者に対しては商品

知識を提供したりオーガニックに関する疑問を解決したりする。そしてそこで消費者 からニーズをくみとり生産者に伝えることで、より優れた農産物を生産する手助けす る。消費者は、間接的に生産者に対して需要の安定という役割を果たすことになる。

こうした協力関係がシステムとして構築されているので技術開発はスムーズに進む。

図9でアニューの協力関係を支えるネットワーク図を示す。

図9 アニューのネットワーク図

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