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4.9.3. システム

 レインボープランの基本目標は以下の5点である。

有機物の再資源化:生ごみの分別収集とその際資源化

有料堆肥の生産:生ごみや産業廃棄物、畜産廃棄物等から優良な堆肥生産を行う 土作り・有機農産物の生産:堆肥の農地還元による自然生態系に即した土作り 域産域消による農産物の流通:地元で生産された農産物を地元消費者に提供する 農業担い手育成:農産物をブランド化し、高付加価値生産による所得増大

出所:長井市レインボープラン推進室(1999)

 リサイクルシステムは、週2回の生ごみ収集において各家庭で分別した生ごみをコ ンテナに投入するところから始まる。この回収システムを採用しているのは、現在は 市の中央地区の約5000世帯である。市内220箇所の収集場所には、年間135 0トンの生ごみが集まる。堆肥作りを行っているのは「長井市レインボープランコン ポストセンター」で、国から50%、県から9%の補助を受けて総事業費3億850 0万円をかけ、1996年11月に完成した。施設での処理量は年間約2400トン であり、そこから約600トンの堆肥が生産されている。

 現在では1997年に設立されたレインボープラン推進協議会によって統括され ており、60名のボランティアによって推進されている。彼らは企画開発、生産流通、

認証制度、コンポストの4つの専門委員会に所属している。市のレインボープラン推 進室が事務局を担当しており、市直営のコンポストセンターやシルバー人材センター も大きな役割を果たしている。

長井市では独自の認証制度を設けており、ブランド化を行っている。有機 JAS の ように信頼性が高まるメリットを持ちながら、認証機関がレインボープラン推進協議 会であるため認証コストも低くなっている。

図13でレインボープランの推進体制を示す。

        図13 レインボープラン推進体制

      出所:長井市レインボープラン推進室(1999)

 「生ごみは大切な資源」という意識変化が生まれた結果、生活系可燃ごみが3分の 1も減少した。生産者や農産物を購入する消費者も着実に増えており、また、農産物 が学校給食に取り入れられるなど多くの面で循環が生まれている。

4.9.4. 成功要因と今後の課題

 レインボープランは市民主導で行われており、市民の意識が高い。そのためリサイ クルシステムに見られるように協力体制が確立しており、誇りと感じている面も見逃 せない。農家は市民の協力によって堆肥を低価格で入手することができ、リサイクル 施設にも自治体の援助があるため農業がやりやすい体制にあるといえる。

 しかし有機農作物の値段がまだ高いため、消費者は手を出しにくいのもまた事実で ある。現状では慣行農産物と同じルートに乗っており、市場から量販店へと流れてい るのがほとんどである。既存の流通ルートとは異なる流通体制の確立が求められてい る。コンポストセンターの規模拡大も必要である。

(1)EM(Effective Micro-organisms(有用微生物群))は、琉球大学・比嘉照夫教

授の造語である。生物を生き生きとさせ、健全な状態を維持する作用のある「蘇 生型微生物」だけを約80種類集めてタンクで培養した液状のものである。

(2)ジャパン・アグリカルチャー・コミュニティ株式会社。1977年6月に有機 野菜等を扱う「長本兄弟商会」の仕入れ部門が独立して発足した。1989年 から宅配事業をスタートし、全て単品注文で自由に商品を選択できるのが特徴。

ダイレクトマーケター(DM)と呼ばれる配達員が消費者とのコミュニケーシ ョンによって信頼を獲得している点も興味深い(山田、1997)。

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