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検例

ドキュメント内 abstract_vol7_no1 (ページ 104-115)

Histology of dual atrioventricular nodal lesion in a patient with double outlet right ventricle after Fontan procedure.

松山 高明1),大内 秀雄2),宮崎 文3),黒崎 健一2),宮本 康二4),草野 研吾4),畠山 金太5),植田 初江6)

1)昭和大学医学部 法医学講座,2)国立循環器病研究センター 小児循環器科,3)天理よろず相談所病院 小児循環器科,

4)国立循環器病研究センター 心臓血管内科 不整脈科,5)奈良県立医科大学 病理診断学講座,6)国立循環器病研究センター 病理部

Taka-aki Matsuyama1), Hideo Ohuchi2), Aya Miyazaki3), Ken-ichi Kurosaki2), Koji Miyamoto4), Kengo Kusano4), Kinta Hatakeyama5), Hatsue Ishibashi-Ueda6)

1) Department of Legal Medicine, Showa University School of Medicine,

2) Pediatric Cardiology and Adult Congenital Heart Disease, National Cerebral and Cardiovascular Center, 3) Department of Pediatric Cardiology, Tenri Yorozu Hospital,

4) Division of Arrhythmia and Electrophysiology, Department of Cardiovascular Medicine, National Cerebral and Cardiovascular Center, 5) Department of Diagnostic Pathology, Nara Medical University,

6) Department of Pathology, National Cerebral and Cardiovascular Center

 41歳男性。両大血管右室起始症,三尖弁狭窄,肺動脈狭窄,心房中隔欠損 (ASD),動脈管開存の診断で 9歳時にFontan手術 (atriopulmonary connection),ASD closure,三尖弁閉鎖術等を施行された。28歳時に肺梗塞を発症し、肺動脈血栓除去とと もにASD creation,Total cavopulmonary connection conversionを行った。この2年後から心房性/心室性期外収縮 (VPC) が 頻発するため高周波カテーテルアブレーション (RFCA) を施行。VPC はpace mapping の波形を指標に右室自由壁部分で通電 を行ったが抑制効果はなかった。41歳時に多発性肝細胞癌と脳転移巣の出血で死亡し病理解剖を行った。心臓は正位で房室不 一致はなく、TCPCの心外導管を認めた。割面では両心房は拡大し、ASD creation,三尖弁閉鎖術後の状態であった。心室は 低形成の右室から大動脈が起始し、27mmの心室中隔欠損で左室と交通していた。肺動脈は閉鎖後で右室流出路はスリット状 であった。刺激伝導系の検索で心室中隔を含む三尖弁輪の連続切片標本を作製したところ、通常の房室伝導系組織の前側方の 三尖弁輪上に房室結節様の小細胞集塊を認め、その直下の右室心筋にRFCAの瘢痕がみられた。二重房室結節様組織と不整脈 との関連は不明であるが、形態学的に興味深い所見であり報告する。

P2-12-1 胸郭異常により右左短絡を呈した心房中隔欠損症の一例

Atrial Septal Defect with Right to Left Shunt owing to the Thoracic Deformity

浅野 遼太郎1),福井 重文1),長谷川 拓也1),西井 達矢2),小永井 奈緒1),藤本 一途3),北野 正尚3), 上田 仁1),辻 明宏1),大郷 剛1),安田 聡1)

国立循環器病研究センター 1)心臓血管内科 2)放射線部 3)小児循環器科

Ryotaro Asano1), Shigefumi Fukui1), Takuya Hasegawa1), Tatsuya Nishii2), Nao Konagai1), Kazuto Fujimoto3), Masataka Kitano3), Jin Ueda1), Akihiro Tsuji1), Takeshi Ogo1), Satoshi Yasuda1)

1) Department of Cardiovascular Medicine, 2) Department of Radiology, 3) Department of Pediatric Cardiology, National Cerebral and Cardiovascular Center

 39歳女性。出生時より心房中隔欠損症 (ASD) を指摘されていたが小径のため経過観察となっていた。数カ月前から労作時息 切れ増悪 (mMRC grade 2) し、精査入院となった。口唇チアノーゼと体勢変換に伴う低酸素血症 (立位SpO2 91%,臥位SpO2 95%) を認め、在宅酸素療法 (HOT) を要していた。外見上、扁平胸郭と側湾症を呈し、胸部レントゲン側面像ではそれらによ り狭小化した胸郭で心臓が前後方向に圧迫され、立位で顕著であった。経食道心臓超音波検査では、長径15mm程度の三日月 状のASDを認め、下大静脈 (IVC) 縁からEustachian弁が目立ち、バブル試験ではASDを介して有意な右左短絡を認めた。

MDCTでは、胸骨と椎体の圧迫により中隔が偏位し、ASDがIVC方向に開存し、IVC血流がASDを介して左房側に流入してい た。カテーテル検査では肺高血圧はなく、右房圧は左房圧より低かったが、IVC造影で右左短絡が特に目立っていた。引き続 き21mm閉鎖栓を用いて経皮的心房中隔欠損閉鎖術を施行した。右左短絡は消失し、症状は著明に改善 (mMRC grade 0) し、

HOTから離脱出来た事でQOLも大きく改善した。ASDを介した体勢変換に伴う低酸素血症 (Platypnea-Orhodeoxia症候群) の 多くは、加齢に伴う大動脈拡大や蛇行が原因となるが、胸郭異常に合併するのは稀である。今回我々は画像診断を駆使し、そ の解剖学的関係性や短絡メカニズムを明らかにしたので報告する。

ポスターセッション

一般 演題

ポス タ

(ー)

P2-12-2 16才で手術を施行したPartial PA slingの一例

Repair of partial pulmonary artery sling in a 16-year-old boy

長友 雄作1),宗内 淳1),渡邉 まみ江1),永田 弾3),落合 由恵2)

独立行政法人地域医療機能推進機構 九州病院 1)小児科 2)心臓血管外科,3)九州大学病院 小児科

Yusaku Nagatomo1), Jun Muneuchi1), Mamie Watanabe1), Hazumu Nagata3), Yoshie Ochiai2)

Japan Community Health Care Organization (JCHO) Kyushu Hospital, 1) Department of Pediatrics, 2) Department of Cardiovascular Surgery, 3) Kyushu University Hospital, Department of Pediatrics

 乳児期より繰り返す喘鳴症状があり,6才時にCTで左気管気管支,PA slingと診断されていた.家庭事情がありドロッ プアウトしていたが,16才になって再精査を施行した.労作性呼吸苦があり,肺機能検査では軽度の閉塞性障害であっ た.造影CTでは左下肺動脈のみが右肺動脈から起始するPartial PA slingで左気管気管支を合併していた.またエルゴ メーターによる運動負荷造影CTでは,負荷時に左下肺動脈による背側からの気管の圧迫が明らかであった.16才の成人 体格であったため,手術はまず側臥位左開胸で,左気管支後方の左下肺動脈を剥離,テーピングしておいた.体位を仰 臥位に戻し,胸骨正中切開で,人工心肺を用いて右肺動脈から左下動脈の起始部を切離した.側臥位でテーピングして いた左下肺動脈と主肺動脈は,12ミリのGore-Texグラフトで左気管気管支の上を通る形で再建した.術後,気管圧迫は 解除され,閉塞性障害,運動耐容能も改善した.青年期のPartial PA slingに対して文献的考察も含めて報告する.

P2-12-3 成人先天性心疾患・川崎病診療におけるMRIの有用性

Experience of cardiac MRI in clinical practice for ACHD and Kawasaki disease

堀口 泰典1),鈴木 淳子2)

1)国際医療福祉大学熱海病院 小児科,2)東京逓信病院 小児科

Yasunori Horiguchi1), Atsuko Suzuki2)

1) International University of Health and Welfare, Atami Hospital, Department of Pediatrics, 2) Tokyo Teishin Hospital, Dept of Pediatrics

【目的】成人先天性心疾患 (ACHD) 診療でのMRIの有用性を検討し報告する。

【対象】心房中隔欠損 (ASD) Amplatz 閉鎖術後6例、未治療ASD3例、VSD3例、大血管転位 (TGA) 3例、大動脈縮窄バルン血 管形成術後1例、川崎病冠動脈障害6例を対象とした。装置はPhilips Inginia 1.5Tを用いた。

【結果】①Amplatz ASD閉鎖術後例では、閉鎖栓と心房壁の関係の観察が可能であった。②閉鎖栓の破損を疑われた1例は、

アーチファクトによる「擬陽性」であった。③心エコー図では捉えられなかったASDを検出できた。④未治療VSDでは大動脈 弁右冠尖との位置関係、その形態が観察できた。⑤川崎病では、冠動脈・ACバイパス血管等の形態評価が可能であった。⑥心 筋障害の有無やATP負荷により虚血の有無も判定可能であった。

【考案】心エコーでは成人体型ではエコーウインドウが縮小し特に深部の形態評価が困難となる。一方MRIは術後胸骨ワイヤー やペースメーカなど体内金属のある例を除き「ウインドウ」という概念なく実施可能で、胸骨ワイヤーから数cm離れていれば 観察可能であった。発熱による内臓障害も1.5Tならなかった。無被爆で繰り返し検査可能であることは大きなメリットである。

【結論】 

1) MRIはACHD・川崎病患者の心血管系の形態・機能評価に有用である。

2) MRIは心エコー図で捉え難いASDの評価も可能である。

3) Amplatz ASD閉鎖栓ではアーチファクト発生に注意を要する。

4) 被爆なく繰り返し実施できる点で有用である。

ポスターセッション

一般 演題

ポス タ

(ー)

P2-12-4 当院での成人先天性心疾患に対するカテーテルインターベンションの治療報告

The catheter intervention for adult congenital heart disease of our hospital

浮網 聖実,瀧聞 浄宏,安河内 聰,武井 黄太,内海 雅史,中村 太地,川村 順平,前澤 身江子

長野県立こども病院 循環器小児科

Masami Ukiami, Kiyohiro Takigiku, Satoshi Yasukochi, Kouta Takei, Masafumi Ustumi, Taichi Nakamura, Junpei Kawamura, Mieko Maezawa

Nagano children’s Hospital, Department of Pediatric Cardiology

【はじめに】当院における成人先天性心疾患 (ACHD) に対するカテーテルインターベンション (CI) の症例数は年々増加してお り、対象年齢も上がっている。

【目的】当院で施行したACHDに対するCIについて調査すること。

【対象・方法】当院開院 (1993年5月) から2017年8月までにCIを行った15歳以上の103例について、運用方法、有効性、安全性 について診療録をもとに検討した。平均年齢47歳 (15-77歳、中央値19歳、男35例)。

【結果】疾患の内訳はASD device closure 50例、PDA device closure19例 (ADO 10例、Coil 9例)、アブレーション12例、バ ルーン拡大術12例、Coil塞栓術4例、ステント5例、冠動静脈瘻に対するdevice closure1例であった。長野県内でのACHDに対 するCIは全て当院で行っており、一般病院および信州大学附属病院からの紹介例は82例であった。長野県内の一般病院から信 州大学医学部附属病院循環器内科成人先天性心疾患外来に紹介となり、device closureの適応と判断された症例が当院に紹介さ れる例もある。成人のASOを行う際には信州大学附属病院集中治療科のバックアップで行い合併症に対応している。治療成績 は、ASD、PDA、冠動静脈瘻に対するdevice closureは全て留置に成功。ASD1例はdevice留置後の左房圧上昇のため1回目は 断念したが、外来で利尿剤、ACE阻害薬を導入後に留置に成功。アブレーション12例のうち成功8例、再発4例。術後右室流出 路狭窄に対するバルーン拡大術は右室圧/左室圧 65±5→54±15に低下し、肺動脈狭窄に対するバルーン拡張術は4例中3例で 110%以上の拡大率が得られた。Coil塞栓術、ステント留置も全て成功。合併症は3例あり、ASO後の心房頻拍、穿刺部の仮牲 動脈瘤、バルーンによるステント破壊であった。ステント破壊では回収のために手術を施行した。

【結語】長野県では近隣でACHDに対するCIを行う病院がないため、信州大学医学部附属病院と連携して当院で全例治療を行っ ている。

P2-12-5 生体腎移植前に経カテーテル的閉鎖術を行った慢性腎臓病合併の動脈管開存症の1例

Transcatheter occulusion of PDA for a patient complicated by chronic kidney disease before kidney transplantation

根岸 経太1),久保田 香菜1),秋元 哲2),南木 浩二3),黒澤 明3),佐藤 智幸4),南 孝臣4),片岡 功一4), 河田 政明5),今井 靖1,6),苅尾 七臣1)

1)自治医科大学内科学講座 循環器内科部門,2)自治医科大学内科学講座 腎臓内科部門,

3)自治医科大学腎泌尿器外科学講座 腎臓外科学部門,4)自治医科大学 小児科学講座,

5)自治医科大学外科学講座 心臓血管外科学部門,6)自治医科大学薬理学講座 臨床薬理学部門

Keita Negishi1), Kana Kubota1), Tetsu Akimoto2), Koji Nanmoku3), Akira Kurosawa3), Tomoyuki Sato4), Takaomi Minami4), Koichi Kataoka4), Masaaki Kawada5), Yasushi Imai1,6), Kazuomi Kario1)

1) Division of Cardiovascular Medicine, Department of Medicine, Jichi Medical University, 2) Division of Nephrogy, Department of Medicine, Jichi Medical University,

3) Division of Renal Surgery and Transplantation, Department of Urology, Jichi Medical University, 4) Department of Pediatrics, Jichi Medical University,

5) Division of Cardiovascular Surgery, Department of Surgery, Jichi Medical University, 6) Division of Clinical Pharmacology, Department of Pharmacology, Jichi Medical University

 症例は40歳男性.35歳時にクレアチニン (Cre) 1.5mg/dl前後の腎機能低下で腎生検を施行され,非IgAメサンギウム増殖性 腎炎と診断された.経過中に行われた心エコー検査で動脈管開存症 (PDA) を指摘され,閉鎖術も検討されていた.しかし,そ の後通院を自己中断し,38歳時に末期腎不全の状態 (Cre 8-9mg/dl) で外来加療が再開された.39歳時に生体腎移植を行う方針 で腹膜透析導入となった.PDAの開存孔は大きく,腎移植を行う場合,術後の大量輸血によって多大な心負荷が加わると予想 され,術前にPDA閉鎖を行う必要があると判断された.

 術前に胸部造影CTを行ったが,残腎機能を大きく損なうことはなく,PDAはtype Aで最狭部4.4mm, 長さ18.7mmであった.

PDA閉鎖術は造影剤を極力使用せず,心腔内エコー (ICE) ガイドで行い,Amplatzer Duct Occluder 12/10を留置して,開存 孔の完全閉鎖を確認した.

 PDA閉鎖から4ヶ月後,患者の近親者をドナーとした生体腎移植術を行ったが,周術期に血行動態が破綻することなく経過

ドキュメント内 abstract_vol7_no1 (ページ 104-115)