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eGFR: 79.8mL/min/1.73m

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eGFR: 59.9mL/min

Bさんは小柄な大人であるため、腎機能が

60mL/min未満であっても体格なりの機能はあるため、

病気とは考えられない。

ただし薬物の排泄機能は低いため、体が小さい分、

腎排泄性薬物の投与量は減量する必要がある。

だから診断指標としてはeGFRmL/min/1.73m2)を用いる

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血清 Cr 値を基に した腎機能推算式

の問題点

血清 Cr 値を基に した腎機能推算式

の問題点

小柄な高齢者には eGFR は要注意

症例

90歳の長期入院男性、体重37.7kg、身長150cm、血清Cr

0.34mg/dLBUN 15.1mg/dL、血清アルブミン 1.7g/dLMRSA 敗血症患者に対し、バンコマイシンの投与設計を行った場合、

①日本人向けGFR推算式によると

eGFR mL/min/1.73m2)=194×Cr-1.094×Age-0.287

173.6mL/min/1.73m2

のような高値が算出されるが、上記eGFRの値の単位は mL/min/1.73m2であり、体表面積補正されているため Du Boisの式を用いて体表面積補正を外すと

BSAm2= 体重(kg0.425 × 身長(cm0.725 ×0.0071841.27m2 となり、173.6mL/min/1.73m21.27m2で割ると127.4mL/min

となり、これによって算出された実測血清バンコマイシン濃度 との予測誤差は-13μg/mLと大きかった。

目標トラフ値15μg/mLに設定しても実測値は28μg/mLに

小柄な高齢者は eGFRが高く推算 されることがある

MRSA感染症に罹患

しやすい症例は長期臥床 の筋肉量が少ない高齢者 が多い。バンコマイシン の投与設計ではこのよう な症例では過量投与に なる危険性がある

バンコマイシン腎症の悪循環

介入可能

トラフ値を10μg/mL未満を目標に MRSA低感受性株の増加

トラフ値を10~20μg/mLを目標に VCMの投与量増加 腎障害が増加?

腎機能の低下 VCM濃度がさらに上昇

腎機能の過大評価

GFRおよびCCr推算式の問題点

血清クレアチニン値0.6mg/dL未満の高齢者ではeGFR または推算CCrが大きな値になりがちである。

もともとeGFRまたは推算CCrともに高齢者や小児には 適応しにくい式であり、

腎機能がよくて血清クレアチニン値が低いのか?

栄養状態が悪くて血清クレアチニン値が低いのか?

上記の見極めは数値のみでは困難であり、症例ごとに対応して いくしかない。血清Cr値が0.6mg/dL未満であり、明らかに筋肉量 の減少した症例では血清Cr値 0.6を代入して補正するとほとんど の場合、予測精度が向上する。

44

例; 85歳、女性、148cm45kg

血清Cr値

推定ク及び推算G

mL/min

このように、小柄な高齢女性の患 者において、SCrが低い値の際、

腎機能の推算は、eGFR式が高く 推算されることがある。

薬物投与設計には、体表面積補正値は使え ない。

1.73m2補正)

(未補正)

Crベースの腎機能 推算式に、適してい ない領域

血清Cr値をもとにした腎機能予測式の限界

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例; 85歳、女性、148cm45kg

血清Cr値

推定ク及び推算G

mL/min

このように、小柄な高齢女性の患 者において、SCrが低い値の際、

腎機能の推算は、eGFR式が高く 推算されることがある。

薬物投与設計には、体表面積補正値は使え ない。

1.73m2補正)

(未補正)

Crベースの腎機能 推算式に、適してい ない領域

血清Cr値をもとにした腎機能予測式の限界

血清Cr低値はバンコマイシン予測誤差を有意に大きく させる独立した影響因子

新留将吾ら: TDM研究 、2011

血清シスタチン C と血清クレアチニン値の反応性

0 2 4 6 8 10

0 20 40 60 80

GFR(mL/min)

血清Cr値のブラインド領域

血清クレアチニン値(mg/dL 血清シスタチンC濃度(mg/L

血清シスタチン C と血清クレアチニン値の反応性

0 2 4 6 8 10

0 20 40 60 80

GFR(mL/min)

血清Cr値のブラインド領域

血清クレアチニン値(mg/dL 血清シスタチンC濃度(mg/L

Cystatin Cによる新しい日本人向けGFR推算式:

eGFRmL/min/1.73m2=104×CysC-1.019×0.996Age

×0.929(女性)-8 日本腎臓病薬物療法学会HPで計算可能

薬物投与設計時に使う腎機能検査は?

①イヌリン投与による実測GFR

1日蓄尿による実測CCr

CG式による推定CCr

eGFRmL/min/1.73m2

eGFRmL/min

⑥血清Cr

⑦血清シスタチンC

煩雑なため実際的でない 正確な蓄尿ができて

いれば非常に有用 体重・年齢の影響を受けることに配慮 痩せた患者や院内感染時には有用?

CKDの診断指標に用いる 薬物投与設計では用いない

痩せた患者では過大評価?

CKDステージ3~4では有用 CKDステージ4~5で有用

NSAID

グリコペプチド

アミノグリコシド

シスプラチン

造影剤

ARB

アシクロビル

アルファカルシドール

セフェム系

DMARD H2-blocker

和泉智, : 日病薬誌46: 17-21, 2010より引用

薬剤性腎障害の発現を経験した薬剤

n=158

腎毒性薬物

腎虚血誘引薬物 その他

0 5 10 15 20 25 30 35

オキサロール 軟膏 による急性腎不全 オキサロール 軟膏

による急性腎不全

軽度の腎機能低下(CCr: 66mL/min)のあった60歳代男性 に尋常性乾癬のため、チガソン内服とオキサロール

軟膏を併用していたが、全身倦怠感を訴え、血清

Cr値11.16mgに上昇し、BUN 158.2mg/dL、血清K値8.1 mEq/L、Ca濃度12.4mg/dLと急上昇し、FENa(尿中Na分画 排泄率)が8%と急性腎性腎不全が疑われ、緊急血液透析 を必要とする重篤な急性腎不全に至った。

軟膏による急性腎障害?

平山 尚, 他: 透析会誌45: 63-68, 2012.より引用

健康成人男子5例にマキサカルシトール3.3μg/回を1回 静注投与時のAUCは354±135pg・h/mL

尋常性乾癬患者4 例にマキサカルシトール軟膏4g を

1 日1 回3 日間塗擦1日目のAUCは4177±2369 pg・h/mL

VD軟膏による高Ca血症とAKI併発例

平山 尚, 他: 透析会誌45: 63-68, 2012.より引用

VD軟膏による高Ca血症とAKI併発例

平山 尚, 他: 透析会誌45: 63-68, 2012.より引用

たとえ皮膚科であってもビタミンD軟膏投与時には血清Ca 濃度および血清Cr濃度の定期的測定が必要。

腎機能の低下した症例にはビタミンD軟膏を投与すべき ではない。

Ca製剤の服用やCa含有サプリメント摂取を避けるよう指導 することも大切。

薬剤師として できること

今やるべきこと

~腎臓病薬物療法学会の必要性~

薬剤師として できること

今やるべきこと

~腎臓病薬物療法学会の必要性~

薬剤師のできること、

今やるべきこと

腎機能低下患者への 薬物適正使用・中毒性

副作用の未然防止

適切な服薬指導に よる腎機能悪化防止・

心血管合併症の予防

腎毒性薬物・腎虚血誘引薬物 による薬剤性腎障害の防止 透析患者の合併症に対する

最適な薬物治療の提供

免疫抑制薬のTDM含めた適正使用

による腎機能の悪化および副作用の防止 腎疾患患者に適切な薬物

療法推進のための教育・研究・指導 有効かつ安全で、目の前の患者さんに 配慮した最高の薬物療法を責任もって提供

薬剤師のできること、

今やるべきこと

腎機能低下患者への 薬物適正使用・中毒性

副作用の未然防止

適切な服薬指導に よる腎機能悪化防止・

心血管合併症の予防

腎毒性薬物・腎虚血誘引薬物 による薬剤性腎障害の防止 透析患者の合併症に対する

最適な薬物治療の提供

免疫抑制薬のTDMも含めた適正使用

による腎機能の悪化および副作用の防止 腎疾患患者に適切な薬物

療法推進のための教育・研究・指導

研修修了者・腎臓病療養指導師

認定薬剤師 専門薬剤師

有効かつ安全で、目の前の患者さんに 配慮した最高の薬物療法を責任もって提供

①1999 関西

⑤2006 中部

④2006 広島

⑦2006 熊本

③2005 北海道

⑧2006 香川

⑨2007 徳島

⑩2009 長崎

⑪2010 愛媛

⑫2011 宮城

⑬2011 福岡

②2002 北部九州

⑥2006 東京

2

3

4

1 5

6

7

8 9

13 11

10

12

各地の「腎と薬剤研究会」の分布

(山口のみ腎臓病薬物療法学会)

腎と

14

⑭2012 群馬

14 17

日本腎臓病 薬物療法学

15

16

⑮2013 山口

⑯2013 神奈川

⑰2013 広島備北

⑱2013 三泗鈴

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①1999 関西

⑤2006 中部

④2006 広島

⑦2006 熊本

③2005 北海道

⑧2006 香川

⑨2007 徳島

⑩2009 長崎

⑪2010 愛媛

⑫2011 宮城

⑬2011 福岡

②2002 北部九州

⑥2006 東京

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13 11

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各地の「腎と薬剤研究会」の分布

(山口のみ腎臓病薬物療法学会)

腎と

14

⑭2012 群馬

14 17

日本腎臓病 薬物療法学

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⑮2013 山口

⑯2013 神奈川

⑰2013 広島備北

⑱2013 三泗鈴

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医原病である腎排泄性薬物による中毒 性副作用、薬剤性腎障害をなくすために CKD患者の心血管病変を防ぐために

透析患者を減らすために・・・・・・・・・

1300 以上の「腎機能低下時の主な薬剤投与量一覧」

学会誌には投与設計に必要な情報が満載の表を連載しています

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理想的な薬剤師像って何?

患者を待たせない迅速な調剤、正確な調剤、薬歴管理、

適切な薬剤の供給・・・・・・・・

専門的な情報は必ず

添付文書を間違えずチェック、

これだけでいい・・・・・・・?

有効かつ安全で、目の前の

患者さんに配慮した最高の

薬物療法を責任もって提供

するのが薬剤師の職務

監事

専門薬剤師認定 制度試験委員会 専門薬剤師認定 制度認定委員会

教育研修委員会 事務局

総会

広報委員会 ホームページ小委員会

理事長 副理事長 総務委員長

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