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格子ボルツマン法

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NURBS

9. 格子ボルツマン法

空間の離散化 

計算領域を格子状に区切ることで離散化を行う。格子の 形状は何種類かあるが、今回は右図の2種類の副格子に よる正方格子で行った。

図9-2  並進 

各粒子はそれぞれの方向の格子点へ移動する。移動方向は格子の状態により異なっ ており、今回のプロトタイプでは9方向(8方向+どこにも移動しない状態)とする。また、

1タイムステップに並進できる格子点は、隣接する格子点及び現在の格子点のみする。

  境界条件 

今回のプロトタイプでは壁面での粘性を無視した滑りなしという条件を採用し、衝突した 粒子はもと来た方向へ跳ね返るものとする。

     

         

      図9-3 滑りなしの場合  

衝突演算モデル 

衝突後の状態は、質量と運動量を保存するような衝突則により決定される。この衝突則 は格子の形状に何を選んだかでパラメータや式が変わってくる。今回、格子ボルツマン 法においては、BGKモデルを採用した。

   

領域の状態 

上下は壁としてあるので衝突した場合 跳ね返る。また、左右にたいしては、領 域の右(左)端から外へ出たら左(右)端 の同じ位置に戻る。また、領域の中に 障害物を設定したが、この障害物も壁と 同じで衝突したら跳ね返る。

図9-4 障害物

壁 壁

流れの向き

壁 壁

図9-2

9.3 単相流

 液体や気体の単一の流れを単相流と言う。

 

9.3.1 左から右への流れ(単相流/障害物あり)

左から右方向への流れが発生した場合、領域内での圧力がどういう状態になるかを表 している。圧力の表示は高い方から順に 赤→オレンジ→緑→青 という順番である。た だし、圧力分布を表示する際の色の決定方法は、最初から各色で表示される圧力の強 さを決定するのではなく、1 タイムステップごとに全ての格子点において求められた圧力 の分布を4等分して決定している。

                                               

図9-5

① ② ③

④ ⑤ ⑥

⑦ ⑧

9.3.2  粒子による流れの可視化(単相流/障害物なし) 

粒子(黒点)をランダムに配置し流体が動いている様子を調べた。粒子は格子点ごとに 求めた流れの強さによりどこへ移動するかを決定している。結果から壁際よりも中央部 分にある粒子の動きガ早いことが確認できる

                                 

図9-6

① ②

③ ④

9.4 二相流

二相流とは、気相・液相・固相のうち二つ以上の相、あるいは交じり合わない液相どうしが混 在して流れる流れのことを指す。

単相流におけるシミュレーションは 1 種類の粒子により流れ追っていたが、二相流では赤と 青の2 種類の粒子により流体の動きをシミュレーションする。格子ボルツマン法においてシミ ュレーションを行う際、粒子ごとに粘性や表面張力に関するパラメータの設定が必要である が、今回定義した2種類の粒子においては同じ値のパラメータを使用した。

粒子の初期配置: 

  領域内の粒子はどの格子点においても同じ状態で配置する。

 

9.4.1. 左から右への流れ

一様に配置されていた 2 種類の粒子だが、始めのうちは同じ色の粒子同士で集まって いるように見える。同じ色の粒子がある程度集まると、左から右へと流れている動きが 見えるようになってくる。ただし、結果の表示において密度が高い方の粒子の色が出る ようにしているため、同じ数の粒子数でも拡散してしまうと各格子点における密度は低く なってしまうため、もう一方の色が表示されてしまい消えてしまったように見える。

                               

図9-7

① ② ③

④ ⑤ ⑥

9.4.2 粒子の拡散

9.4.1 において、粒子が拡散してしまうために時間が経つにつれて小さくなり消えてしま

うように見えるという現象があった。これを回避させるため、衝突後の粒子の配置を決め るときに回りの粒子の色も考慮した上で配置するという方法を実装してみた。

                 

図9-8

衝突後の粒子の分布を求めた後、周囲の格子点のなかで一番粒子密度の高いほうに 同じ色の粒子を配置するように粒子の分布を変更させる。これにより、同じ色の粒子同 士で固まるようになるため、拡散しにくくなる。

 

実際に実装して拡散しないかどうかを確かめてみた。今回は拡散の状況を見るため、表 示する際に密度の高さではなく赤い粒子が存在すれば赤が表示されるようにした。結果 を見れば分かるが、やはり粒子が拡散してしまっているため、さらなる検討が必要であ る。

               

         

   

       

① ②

③ ④

:格子点Aの周囲にある8格子点のなかで、各粒子の密度が一番高い格子点 

A

:格子点Aにおいて、各粒子の密度が一番高い方向 

A

9.5 まとめ

二相流でのシミュレーションにおいて、今まで赤または青だった部分の面積が時間の経過に つれて小さくなり、最後にはなくなってしまうように見える現象が起きた。この現象への対処が できなかったため、格子ボルツマン法の二相流でのシミュレーションを完成させることが出来 なかった。このことから、単相流を応用させて擬似的な二相流にすることとで泡を表現できな いかと実験してみたが、格子ボルツマン法は他のシミュレーション方法と違い、仮想的な粒子 の動きからシミュレーションを行っているため難しいという結論に達した。しかし、格子ボルツ マン法は処理工程が簡素であるため実現できればとても利便性のある方法だと言える。

 

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