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株当たりの純資産価額等を参酌して通常取引されると認められる価額

17億1,500万

株式の発行法人の 1 株当たりの純資産価額等を参酌して通常取引されると認められる価額

ⅴ)上記の方法で評価が困難な場合

原則として一定の条件の下に、財産評価基本通達

178 から189-7 までの「取引相場のない株式の評

価」 によって評価することが認められている。

53

価格決定申立て

会社法以前の株価鑑定事例(中小企業庁ガイドラインより)

① 譲渡制限株式の売買価格決定申立事件

番号 決定日 対象 株式

評価方式 純資産 収益 備考

還元

配当

還元 その他

1

京都地決

昭62.5.18

11% 40%

(簿価) 20% 20% 20%

(類似業種)

指定買受人は、対象株式の取得 により、22.1%の株式を保有。

2

青森地決

昭62.6.3

16% 100%

(時価)

3

福岡高決

昭63.1.21

3.3%

配当還元価額を類似会社の配当 性向との比較により修正。

4

東京高決

昭63.12.12

30% 70%

(時価) 30%

▲30%

(市場性

欠如)

資産保有目的の色彩の 濃い会社。

5

大阪高決

平1.3.28

0.06%

~0.26%

100%

支配的持株数を有する 大株主が存在しない。

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価格決定申立て

併用方式(折衷法)の考え方

折衷割合のロジックは?

日本公認会計士協会経営研究調査会研究報告第32号

「企業価値評価ガイドライン」52頁

折衷割合を決定する定まった方法は確立されていない、評価人の判 断に依存することになる。折衷割合は、企業価値等の形成要因との関 係で検討することになる。

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価格決定申立て

会社法以前の株価鑑定事例(中小企業庁ガイドラインより)

① 譲渡制限株式の売買価格決定申立事件

番号 決定日 対象 株式

評価方式 純資産 収益 備考

還元

配当

還元 その他

7

東京高決

平2.6.15

0.16% 30%

(時価)

70%

代表者家族の持株比率 は約20%。

8

千葉地決

平3.9.26

10% 50%

(時価)

50%

役員報酬を配当金の変 形とみなしたうえで、配 当還元方式により算定。

9

札幌地決

平16.4.12

6.56% 25%

(時価) 50% 25%

10

東京地決

平20.3.14

4%

100%

(DCF)

営業譲渡の反対株主に

よる株式買取請求

11

東京高決

40%

100%

ベンチャー企業

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価格決定申立て

会社法以前の株価鑑定事例(中小企業庁ガイドラインより)

② 損害賠償請求事件(株主代表訴訟を含む。)

判決日

発行又 は取得 株式

評価方式 純資産 収益 備考

還元

配当

還元 その他

1

東京地判

平4.9.1

62.5%

(※)

100%

(時価)

▲70%

(市場性

欠如)

不公正な価額による新株発行で損 害を被った既存株主が取締役を被 告として提起した損害賠償請求事件

2

大阪高判

平11.6.17

20%

(※)

33%

(時価)

66%

(類似業種)

違法な新株発行によって損害を被っ た既存株主が取締役を被告として 提起した損害賠償請求事件

3

大阪地判

平15.3.5

3% 66%

(時価) 33%

違法な自己株式の取得により会社 に生じた損害に関する代表訴訟

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価格決定申立て

会社法以前の株価鑑定事例(中小企業庁ガイドラインより)

③ 不公正な価額による新株発行に係る差止仮処分申立事件

決定日 発行 株式

評価方式 純資産 収益 備考

還元

配当

還元 その他

1

東京地決

平6.3.28

16.6%

(※)

100%

(ゴードン

モデル)

不公正な価額による 新株発行であること を理由とする差止仮 処分申立事件

※割合は、新株発行後の発行済株式総数に対する発行株式数の割合

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カネボウ事件

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裁判所の考える株価

カネボウの営業譲渡に反対した株主の株式買取請求について買取価格決定

DCF法による鑑定評価に基づいた決定が注目される。

非上場株式の評価が問題となった下級審裁判例には、古くは国税庁の『相続税財産評価に関す る基本通達』の影響を受けた者が多くみられたが、学説による批判を受け、近年は純資産方式、類 似業種比準方式、配当還元方式、収益還元方式等の全部または一部を独自の算式で併用するも のが中心となっていた。

このような併用方式に理解を示す論者も存在するが、複数の方式を寄せ集めても信頼できる数値 が算出できる者ではないとして、継続企業の株式の価値は、理論的にDCF方式によるべきであると する見解が有力となってきているように思われる。

継続企業における少数株主の保有株式の価値の算定について、併用方式を採らずにDCF法の みによるべきであるとする本決定は、このような学説の傾向に合致するものであり、妥当であるとい えよう。

旬刊商事法務No.1837「カネボウ株式買取価格決定申立事件の検討[上]

後藤元学習院大学准教授

レックスHD事件

公正価格=①「客観的価値」+②「期待権の評価額」

裁判所の考える市場株価方式

② 期待権の評価額

強制的取得により失われる今後の株価の上昇に対する期待を評価した価額 を考慮するのが相当である。

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レックスHD事件

高裁判決と論拠

6

ヶ月間の市場株価単純平均を用いる論拠)

①公開買付公表後の市場株価を株式価値算定の基礎とすることは不合理

②業績下方修正後の過剰に下落した市場株価は、

他の期間を通じて市場株価を平均化しその影響を排除すれば足りる

③平成

18

8

21

日以前の市場株価は当時のターゲット会社の

企業価値を繁栄しており、基礎とできる。

本件公開買付けの公表日からさかのぼって6ヶ月間の市場株価の単純平均を旧 レックス株式の取得日における客観的価値とした。(東京高裁H

20.9.12

63

レックスHD事件

(プレミアムを20%とした論拠)

① 近接した時期の例をみてみると、公開買付けの公表前の

3

ヶ月又は

6

ヶ月の間 の市場株価の単純平均値に約

16.7

%~

27.4

%のプレミアムを加算した価格をもっ て買付価格としていること。

② 平成

12

年~

17

年までの間に日本企業を対象とした公開買付けの事例のうち市 場価格を上回る買付価格を設定した85例についてプレミアムの平均値を取ると、

公開買付公表日直前の株価の終値の

27.05

%に達することが認められること。

高裁判決と論拠

客観的価値に

20

%を加算した額を取得価格とすべき(東京高裁H

20.9.12

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レックスHD事件

公正価格=①「客観的価値」+②「期待権の評価額」

裁判所の考える市場株価方式

② 期待権の評価額

強制的取得により失われる今後の株価の上昇に対する期待を評価した価額 を考慮するのが相当である。

しかしながら、期待権を評価するロジックは存在しない。

評価ロジックから 整理すると

公正価格=DCF法等による評価額=①「客観的価値」+②「期待権の評価額」

②「期待権の評価額」=

DCF法等による評価額- ①「客観的価値」

65

レックスHD事件

 レックスHD裁判の背景とされた事項

 独立委員会の不設置

MBO 直前の業績下方修正

 キャッシュ・アウト価格が公開買付価格と異なる可能性がある旨の開示

 株式価値算定書を裁判所に提出しなかった

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その後のMBOを巡る裁判例

 2009 年 サンスター高裁

 2010 年 サイバード高裁

公正価格=①「客観的価値」+②「期待権の評価額」 20%

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MBO件数推移

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20

日本のMBO市場(非公開化型)

件数

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その後のMBOを巡る裁判例

 2012 年 カルチュア・コンビニエンス・クラブ

 2013 年 コージツ

DCF法で判断

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ジュピターテレコム事件

非上場化公表後、日経平均が上がってしまったケース

ピンクが会社の株価、青が日経平均

株価チャート

95 100 105 110 115 120 125 130

2013/4/1 2013/4/8

2013/

4/15 2013/

4/22 2013/

4/29 2013/5/6

2013/

5/13 2013/

5/20 2013/

5/27 2013/6/3

2013/

6/10 2013/

6/17 2013/

6/24 2013/7/1

2013/7/8 2013/

7/15 2013/

7/22

(%)

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ジュピターテレコム事件

 事案

ジュピターテレコムが JASDAQ スタンダードに上場していたところ、

住友商事及び KDDI が JCOM 株式の公開買付けを実施した後、全部取得 条項付種類株式の取得価格について、当該取得に反対した株主が会社 法 172 条 1 項 1 号に基づいて裁判所に取得価格の決定の申立てを行った。

71

ジュピターテレコム事件

 地裁、高裁決定

公正価格=①「客観的価値」+②「期待権の評価額」

①「客観的価値」=

9 か月以上も前のものであり、その間に本件株式にも影響 を与えるものと推認されるような事情により市場全体の株 価の動向を示す指標が大きく変動(ジャスダック指数は 74.9 %、日経平均株価は 60.7 %上昇)したのであるから、

本件においては、市場株価そのものをもって本件株式の客

観的価値と認めることは好ましいといえず、同日から本件

取得日までの市場全体の株価の動向を踏まえた補正を行う

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ジュピターテレコム事件

 補正の方法

t mt

it R u

R = α + β +

Ri 企業 i の株価変動率

Rm 日経平均株価、 TOPIX などの市場を代表する株価指数の変動率 α 定数項

β 回帰係数

U 確率的に変動する誤差項

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ジュピターテレコム事件

 地裁、高裁決定

公正価格=①「客観的価値」+②「期待権の評価額」

②「期待権の評価額」 = 25%

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ジュピターテレコム事件

■ 最高裁判所

取引が公正であり、当該取引の基礎となった事情に予期しない変動が生じたと認 める特段の事情かない場合には、公開買付価格と同額の価格決定をすることが相 当であることを判示

・原則として,公正な手続を通じて形成された取引条件である買付け等の価格を 尊重し,取引の基礎とした事情に予期しない変動が生じたと認めるに足りる特段 の事情のない限り,当該買付け等の価格をもって取得価格とすべきものであると 解するのが相当

・公正な手続等を通じて買付け等の価格が定められたとは認められない場合には、

裁判所が取得価格を決定することになるが、その算定方法は市場株価分析 によら ざるを得ないこともあろう。ただし、裁判所が裁量権の行使に当たり、関係当事 者等の経済取引的な判断を尊重してこれに委ねるべきか否かを判断するに当たっ ては、この方法が株式価格に関する多元的な要因を広く捉えるものとはいい難い という点も考慮する必要がある。

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