帯1節 日 射 量
地中温度を支配する本源をなすものは,主として地表面に来射する歯連錮摘の大小に関するものと見敬すこと が出来る。傾斜地にありては傾斜の方向や角度の相違によって地表面にうける日射の配布状態は異なり,その結果地
中温皮に相違を・生ずるわけである。
いま地面に・植生のない裸地の場合における各傾角の斜面にうける日 射熟ま;大気の散乱や吸収のない場合節].編第1章の理論的計算濫よ
り明かにされたが,本実験における傾斜地開墾限界までの傾角00〜
350 までの各斜面の地表面日射還を,EKOゴルチンスキ一日射計に て毎時観測した実状も,略同様な配布状態を示している。節76区幅昭 和32年8月15〜16日における1例である。
すなわち東斜面においては日出時刻は全傾角ともに同時であるが,
日没時刻は傾角がすすむにつれて早くなり,結局日照時間が減少して くる。そして日射星の良太は平地では正午に,傾角が進むにつれてそ の時刻は早くなり,何れも午前中に.最高のpeakが現われ,午前中 の日射に恵まれている。
1日間にうける日射の総崖は8月15′・}16日の例では,傾角50〜350 の斜面に・おいては平地の夫々991,100.1,94.7,89‖6,87‖5%であ
った。
第2節 地中温度の日変化
東斜面に・おける地中温度日変化の状態と傾余卜角度との関係を,夏季 と冬季について各深さ別に20C毎のisopleth図を描さ・ ■目瞭然た らしめたのが第77図である。
鐸76区l日射量のⅠ]変化
第77図 各便角における深さ別の地中温度日変化(上:8月,下:2月)
これによると,日中地表面は太陽の瞞射熱をうけて昇涼し,表層の地溢は内部より高くなるので,地中への熱流 を生じその模様は傾角の大小によって異るが,各傾角における地中温度分布の状態は日射の配布状態に平行的で ある。すなわち,地温の最高温度発現時は8月,2月ともに地表面では何れも日射の最大時より約1時間の遅れを 示している。そして−最高温度の発現時刻は傾角の増加に伴って次第に早くなってくる。またこれら最高温度の発現 時刻は地中に深くなるにつれて次掛こ・遅れて,例えば平地では8月,2月と.もに地表面では13時頃であるが,地下
5cmでは15時,地下10cmは17時,地下20cmでは18〜20時頃,地下30cmでは22時に現われている。そして
地中深くなるにつれて最高温度は次第に.低くなっている。
夜間受熱が放熱に代ると先つ表層が冷却し,地中内部の温度より低くなるので熱流は地表へ向い,表層の冷却は 次卿こ地中内部へ及ぶが,これが傾角との関係も図からよくわかる。また最低温皮の発現時刻は同じ深さの地層で は,傾角の増加につれて早くなり,また地中へ深くなるに従つて故低湿皮の発現時刻が遅れること等は最高混皮の 場合と同様である。しかし最低温度は地中深くなるに従って高くなり,傾斜角皮の相違による差異ほ最高温度の場 合に比べて,極く僅かである。
第32家 康斜面に.おける最高・最低塩酸並びに湿度較差(Oc)
地涼日変化の較差は第32表のようで,8月,2月ともに何れの傾角に.おいても地表面に最も大きく,地中に深く なるに従って減少しているが深さによる温度日較差の減少率は大きい。しカミし各深さを通じて傾角の相違に・よる日 較差の差異は小さく,かつ傾角の増加につれて較差は次第に.減少する傾向にあるが,地温の最も高かった傾角のと
こに日報差は大きく現われている。
第3節 地中温度の解析
(1)地中温度の調和分析
地表及び地中温度の観測地果を,観測時刻の不同を調整し,かつ日変化の特性を理論的に表現するため調和分析 法によって処理した。
すなわち,地表及び地中温度の日変化や年変化のような週期的変化は一・般に正弓玄曲線の合成とみて
.γ=ao+alSin(0・i十81)+a2Sin(20・t+82)+a3Sin(3qi+83)+1・1 のようなFour・ier級数にて表わし,その1日項を表出したのが第33表である。
これによると 東斜面においては8月,2月ともに挨巾α1は何れも地表面に最大で,そこから深さに伴って減 少し,8月に.α1は地表面を除いて傾角00に最も大きく,傾角の増加に伴い次卿こ減少している。2月には地下
5cmまでの極く浅屑では傾角100に最も大きいが,10cm以下では傾角の増加に.、つれて減少している。
位相ど1は8月,2月ともに全傾角の斜面を通じて地表面に最も進んでおり,深さと共に遅れている。これは地 中へ深くなる程最高・叔低温皮の発現時刻が避退することを示すものであり,また各傾角の斜面における位相の状 態をみると8月,2月ともに各深さ毎に位相は傾角の増加につれて次第に進んでいる。これは各深さ毎に最高・最 低温皮の発現時刻が傾角の増加に伴って早くなることを示すものである。この位相が傾斜の角皮や各深さに.よって 相違することは,地中における熱授受の機構を示すものであって,この位相は各斜面の熱的特性を表現する因子と
して大切である。
(2)地温の深さと振巾との関係
地温日変化の較巾は,地中へ深く入るに従って次第に減少するが,その模様は深さの増加に伴って指数函数的に 減少するので,いま土壌が均貿なものとして,その間の関係を表わすと第34衷のようになる。
60
寛33表 東斜面に.おける調和分析の1日項(Oc)
葦34表 地温の深さと按巾との関係
】▲】▼一▲】■】 ̄ ̄ ̄
訂可
8 月 2 月Ag=16い04z−0・・1114z
Ag=16.56z−0‖1204z Ag=17.16g−0・1178g
Ag==17い02g−01401z Ag二1610z−0・1285z Ag==15.32z−01343z Ag==24..42β−0朋59z
Ag=2426β−01041g A名二25..54β−0・1111z
ん=22 82β−0・1042z
Aヱ=21.34g−0朋39z Az=20.42β−00915z
0
5
10 20 30 35
(3)地温日変化の及ぶ深さ
地温の日変化掠巾は地中に深くなるに従って次卿こ減少し,ある深さに.達すると殆んど容となり,換言すれば−■・
日中殆んど変化しないことになる。この層の深さすなわち地温日変化の不易層を求めると第35表のようになる。
界35表 地遠目変化の不易屑(cm)
0 】 5 110 i 20 30 】 35
(4)地中熟拡散率
好 地中の熱拡散率を理論式 ∬=彦テ より求めると第36表のようになった0 第36表 地申熟拡散率(×10−13CGS.)
O 1 5 】 10 † 20 1 30 1 35
3・・35l4小13 1.85l2.20 第4節 地中における熱量の交換
地面は日中太陽熱を吸収し地下へ伝導せしめ,熟を地下へ蓄積し,夜間に.これを放出する。熱が蓄積されつつあ るときは地表に向い高温を示し,逆に放出時は地表程低温となっている。故に/地表面セの温度勾配dβ/dg=0の時,
地下蓄積遠閥最大又は叔小となる。従って,土壌中に含まれている熱量は一月を週期として変化する。
而して,fl,≠2時刻間における土壌柱の熱量変化は
〟2−〝1=雄(β2−β1)dゐ
で示される。変形して右辺はぐg(㊥2−⑳1)となるが,⑳1,⑳2は夫々fl,fl時における土壌柱全体の平均温匿であ る。いまcは土儀の組成や含水違等によって異なるであろうけれども,熱交換遠の概略を求めるために.0.5calと し,平均温度には地下2.5cm毎の平均を用い以1を1日平均の熟動ことり,彷2を偶数時における熟畏とし,〟2−
〝tすなわち1日平均熱遠からの偏差を求めると節37表のようになる、。但し深さは30cm とした。
これに・よると東斜面においてはて熱長の最大は8月には14時,2月は16時に.,最小は何れの月も6時に現われて いる。熟窺変化の振巾は8月には0〜350 まで夫々115。0,105。01062,99.6,101.0,102‖2cal/cm2で傾角00 が最も大きく,傾角200に蔵/J、であった。2月には夫々58‖5,585,61‖5,56.0,53.0,49.5cal/cm2で傾角100
第37表 地中に.おける熟鼠の交換(Cal/cm2)