研 究 題 目 北アジアにおける帝国統治とその遺産に関する研究 研 究 期 間 2008(平成20)年度 〜2011(平成23)年度(4年間)
研 究 組 織
氏 名 所 属 氏 名 所 属
(代表者)
岡 洋樹
上野稔弘
東北アジア研究センター
同
佐藤憲行 中村篤志 田淵陽子
東北アジア研究センター 山形大学人文学部 東北学院大学
研 究 経 費 (配布金額)刊行費補助
研究の目的と 本年度の成果
ならびに 研究成果の 重要性の概要
近代東北アジアの歴史を理解する上で前近代における清朝・ロシア・ジュ ンガルなど北アジアの帝国・国家統治の意義を再評価し、あらたな歴史認識 を打ち出すことを目的として研究を進めた。研究遂行に当たって、国内の他 大学のモンゴル研究者・協定組織であるモンゴル科学アカデミーの歴史研究 所と連携して研究集会・シンポジウムなどによる研究成果・情報の共有を通 じた新しい帝国統治理解の導出を目指した。
今年度は、3月22日に研究会を開催し、以下の研究報告5件を得た。
中村篤志(山形大学人文学部)「清代モンゴル研究と日記史料:モンゴル王公 の北京日記を中心に」
田淵陽子(東北学院大学文学部)「20世紀モンゴル史におけるKh.チョイバ ルサンの評価をめぐって」
上野稔弘(東北大学東北アジア研究センター)「蒋介石政権の対モンゴル政策 構想と英米の視線」
佐藤憲行(東北大学東北アジア研究センター)「乾隆後期モンゴルにおけるモ ンゴル人と商民の経済関係の一考察:モンゴル人雇工と商民の関係から」
岡 洋樹(東北大学東北アジア研究センター)「清初における『盟』について」
(仮題)(16:20-17:50) 成果を公表するURL
東北アジア 地域研究 としての
意義
東北アジア地域研究としての位置づけが自覚的か〔 はい 〕
〈位置づけの内容〉
20世紀東北アジアの歴史展開を考える時、その出発点となった1911年に 滅亡した清朝の帝国統治の特質の理解が不可欠である。清朝の複合的統治 構造が、内地(中国プロパー)と外藩、八旗の三部分からなっており、相 互に異なる行政統治構造と国家論的位置づけを持っていたことにより、清 朝滅亡以後の歴史過程は、この三部分の解体・変容過程として進行した。
本共同研究は、東北アジア地域史における清朝統治の歴史的意義を検討す ることを目的としている。
東北アジア 地域研究 としての
意義
東北アジア地域を対象とする研究か〔 はい 〕
〈対象とした国・地域など〉
モンゴル、中国
東北アジア地域研究としての意義・特徴をアピールしてください
17世紀から20世紀初頭に及ぶ清朝の帝国統治を、中国史中心の既存の歴 史理解とは異なる八旗・外藩の統治構造の特質を踏まえて理解することに より、20世紀東北アジアの歴史展開を新たな側面から理解することが可能 となる。東北アジア地域の文化的多様性は、前近代における広大な帝国統 治の特質に淵源するところが大きい。帝国統治が遺産として残したかかる 文化的多様性は、20世紀における民族問題やこれを利用した日本・ロシア の進出の背景ともなった。それゆえ、本研究は、20世紀の歴史過程を前近 代史との連続性において捉えることを可能とする点に意義がある。
新 規 性
新規性の有無〔 有 〕
〈新規性の内容〉
東北アジアの歴史を清朝統治の特質との関わりにおいて検討することに より、現在の国家区分を越えた新しい歴史理解を可能とする。
学 際 性
文理融合型の研究か〔 いいえ 〕
文系・理系での学際性・連携性の有無〔 無 〕
〈参加した専門分野〉
歴史学(東洋史)
専 門 性
専門分野内部での意義
〈専門分野名〉東洋史
〈内容〉
近世から近代に至る歴史過程を、中国史やモンゴル史といった国家史・
民族史の枠組みを超えた広域の地域史として統合的に明らかにする点で意 義がある。
国 際 性
国外の研究機関との研究協力・交流の有無〔 有 〕
〈国名・研究機関名〉
モンゴル国・モンゴル科学アカデミー歴史研究所 中国・内モンゴル師範大学蒙古学研究院
中国・内モンゴル師範大学旅游学院蒙古史研究所 国外の研究者の参加の有無〔 有 〕
学術交流協定活用の有無〔 有 〕
〈協定の名称〉
東北大学・モンゴル科学アカデミー(大学間協定)
東北大学東北アジア研究センター・内蒙古師範大学旅游学院(部局間協定)
東北大学東北アジア研究センター・内蒙古師範大学蒙古学学院(部局間協定)
外国語による成果公表の有無〔 有 〕
〈言語〉
モンゴル語
教育上の 効果
学生の参加による教育上の効果〔 有 〕
〈参加学生の所属〉
東北大学大学院環境科学研究科 ポスドクの活用の有無〔 有 〕
〈活用形態〉
教育研究支援者1名が研究会で研究発表を行った。
教育上の効果についてアピールしてください
今回は学生の発表はなかったものの、研究会での議論に参加することに よる教育的効果があった。
社会還元
社会への成果還元・啓蒙が目的に含まれていたか〔 いいえ 〕 社会への成果還元の有無〔 無 〕
学内連携
学内他部局との組織上の連携はあったか〔 無 〕 学内他部局教員の研究への参加の有無〔 無 〕
他組織との 連携
国内の研究機関との連携・協力の有無〔 無 〕 国内の研究機関の研究への参加の有無〔 有 〕
〈参加研究者の所属〉
山形大学の研究者1名、東北学院大学の研究者1名が共同研究のメンバー として参加し、研究会で成果報告を行った。
資 金
成果発表
研究会議開催回数(プログラム・メール連絡など添付のこと)
研究会〔 1 回〕
公開の会議・シンポジウム〔 回〕
国際会議〔 回〕
論文・著書
以下に分類したうえで、それぞれの項目に該当する具体的な論文等の題目、
著者名、出版年月日などを記載してください。
〔雑誌論文〕計( )件
〔学会発表〕計( 5 )件
〔図 書〕計( )件
〔その他の公表〕計( )件
共同研究の 全般的成果の
アピール
本年度は、本共同研究の最終年度にあたる。過去五年間の研究実施期間に おいて、2008年には2007年度に東北アジア研究センターとモンゴル科学ア カデミー歴史研究所が共催した国際シンポジウムの報告論文集の編集を行 い、2009年3月に刊行した。また2009年度にモンゴル国ウラーンバートル で国際シンポジウムを開催し、2010年度報告論文集を編集、2011年に入って からこれを刊行することができた。この国際シンポジウムには、協定締結組 織であるモンゴル科学アカデミーの歴史研究所、中国内蒙古師範大学旅游学 院、同蒙古学学院の組織的な協力を得たほか、第一回国際モンゴル学者会議 開催五十周年行事として、国際モンゴル学者連合の支援を得ることができた。
一方国内では年一回の研究集会を開催し、研究分担者と招聘研究者による報 告を得た。シンポジウム及び研究会のおける発表は、日本・モンゴル・中国 において、清代及び近代モンゴル史を中心として新たな歴史研究上の視点を 提示するものであり、今後この分野の研究の進展が期待される。またこれら の報告には、国内他大学及び学内他部局の若手研究者の報告が含まれている。
これらの活動により、東北アジア研究センターの国際的連携態勢の構築に東 洋史分野において貢献することができたと考えている。研究分担者による研 究成果は、2012年度に東北アジア研究センターから刊行する予定である。
第三者による 評価・受賞・報道
など
特になし
東北アジア研究センター・共同研究報告書
研 究 題 目 客家研究の総括と展望
研 究 期 間 2010(平成23)年度~西暦2011(平成23)年度(2年間)
研 究 組 織
氏 名 所 属 氏 名 所 属
(代表者)
瀬川昌久
飯島典子 河合洋尚
東北アジア研究センター
広島市立大学
国立民族学博物館研究員
蔡 文高 小林宏至 金 裕美 稲澤 努
神奈川大学研究員 首都大学東京博士課程 宇都宮大学博士課程 東北大学博士課程
研 究 経 費
(配布金額)0
(研究支援者、RA などの配置)なし
(研究スペース配分など)なし
(その他の主たる外部資金)科研費・研究成果公開促進費
研究の目的と 本年度の成果
ならびに 研究成果の 重要性の概要
中国南部を中心に居住する漢族のサブグループのひとつである客家(ハッ カ)についての学術研究は、漢族に関する人類学的・民族学的研究史の中で も突出して重要な意味をもつ部分であり、それを総括しつつ、今後の研究の 方向性を展望することは、漢族研究、華南地域研究、ひいては中国研究全体 にとって、きわめて有用な視座を提供することにつながる。日本国内におい て客家研究の次世代を担うべき有能な若手研究者が育ちつつある今日、本共 同研究は、そうした研究者たちを糾合し、客家研究のこれまで研究史の総括 と今後の展望について討論し、それを1冊の学術図書として出版することを 目指した。
本年度は、科研費・研究成果公開促進費の採択を受け、昨年度既に完成済 みであった原稿の推敲と微調整、校正、索引等の作成作業を行い、2012年2 月20日に学術図書『客家の創生と再創生』(瀬川昌久・飯島典子編、風響社刊、
全240ページ)を刊行した。
成果を公表するURL
該当するものはないが、成果図書の版元のHPに当該図 書の情報が掲載されている。