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東京歯科大学図書館における電子化の取り組みについて

ドキュメント内 __表紙.doc (ページ 33-36)

 

雑誌価格の高騰は深刻であり、国内で収集される海外学術雑誌のタイトル数は減少の一途を辿っ ている。本学図書館においても購読雑誌タイトル数は減少している。しかしながら、日本医学図書館 協会・日本薬学図書館協議会におけるコンソーシアムを積極的に活用し、平成 17 年から Blackwell  Synergy、平成 18 年からは Wiley InterScience のコンソーシアムに参加することにより、平成 18 年 1 月現在、購読洋雑誌タイトル数 415 に対して、閲覧可能電子ジャーナルタイトル数 680 誌(見込み)と なっている。また、流動的な存在である電子ジャーナルの安定した利用を目指し、Elsevier 社のバック ファイル(歯科分野)を購入するなど供給の安定化も目指している。そして、出版社の寡占化や雑誌価 格高騰など、商業出版社が主導権を握る学術コミュニケーションを変革する活動として、学術界で活 発化しているオープンアクセス誌についても、当館では『The Bulletin of TOKYO DENTAL COLLEGE』

の電子化に取り組み、学内情報の発信の一端としてだけでなく、研究者自身の手による学術コミュニ ケーションを作り出すための活動も展開している。 

 

『学術情報の流通基盤の充実について(審議のまとめ)』*1(文部科学省科学技術・学術審議会研 究計画・評価分科会情報科学技術委員会デジタル研究情報基盤ワーキンググループ、2002 年)では、

大学等からの学術情報発信機能の整備について、「これまでも、大学等からの情報発信は、電子図 書館的機能の整備、大学等のホームページの活用、研究者個人による取組などにより行われてきた が、大学等が生産する学術情報を国民に直接還元するために、今後は体系的な情報発信のための 体制作りが必要である。」とまとめている。本学図書館ではこれを踏まえ、本学における学術情報のポ ータル化を目指し、2005 年にホームページの大幅な改訂を行った。しかしながら、学内で生産される 学術情報の積極的な発信という意味ではまだまだ不十分であると言える。 

 

『学術情報基盤としての大学図書館等の今後の整備の在り方について(中間報告)』*2(科学技術・

学術審議会学術分科会研究環境基盤部会学術情報基盤作業部会、2005 年)では、「学内で電子的 に生産される研究成果、過去の資料を電子化した資料、電子的教材などを、図書館等が中心となり 蓄積保存し、メタデータを付すことによってインターネットを通じて利用者の便に広く供する「機関リポ ジトリ」への取組みが、教育研究活動を一層推進し、大学からの情報発信を強化するための方法とし て、世界的規模で進みつつある。」と指摘している。本学では業績目録である『東京歯科大学研究年 報』の電子化の実績があり、機関リポジトリの構築・運用は比較的容易であると考えられる。また、質 の高い情報(データベース)の構築には情報の専門家である図書館員の存在は不可欠であり、機関リ ポジトリは図書館が担う事業であると考える。大学の知的成果を保存し社会へ発信することは、大学 評価の向上につながるだけでなく、大学の説明責任を果たす上でも重要であり、大学として機関リポ ジトリへの取り組みは重要である。そのためにも、全学的な合意形成への努力や、財政基盤の強化、

図書館職員の確保・育成など実現に向けての課題は多い。 

 

電子ジャーナルと

抱き合わせ洋雑誌 (図書・雑誌)

予算 330,000 150,000 18,500,000 84,700,000 決算 362,638 161,876 *1 66,662,779 17,731,528 84,918,821 予算 1,060,000 430,000 17,330,000 84,700,000 決算 1,050,769 199,699 *1 65,852,222 17,352,451 84,455,141 予算 1,070,000 1,200,000 15,220,000 84,700,000 決算 1,060,319 2,704,743 32,599,335 33,622,095 14,689,309 84,675,801 予算 1,180,000 2,850,000 12,490,000 84,700,000 決算 1,304,130 483,839 (*2) 38,824,382 32,497,274 11,664,791 84,774,416 予算 1,380,000 2,130,000 11,640,000 86,400,000 (*3)

決算 1,408,149 1,588,630 42,092,906 29,641,102 11,580,031 86,310,818

*1:平成12年度及び平成13年度は不明。

*2:当該年度分だけ(1月〜3月分)の会計処理をしたため、減額。

*3:洋雑誌の高騰を訴え、増額申請が認められた。

65,880,000 67,210,000 68,180,000 71,250,000

ジャーナル

平成16年度 平成12年度 平成13年度 平成14年度 平成15年度

65,720,000

電子情報費用が図書館費総額に占める推移

電子情報費用

資料費 その他 図書館費総額

導入データベース 電子 0

10,000,000 20,000,000 30,000,000 40,000,000 50,000,000 60,000,000 70,000,000 80,000,000 90,000,000 100,000,000

平成12年度 平成13年度 平成14年度 平成15年度 平成16年度

その他

資料費(図書・雑誌)

電子ジャーナルと抱き 合わせ洋雑誌 電子ジャーナル

導入データベース

42.9% 47.9% 52.2%

図書館団体への加入状況

団体名 加入下部機関 備考

日本図書館協会 大学図書館部会

 日本の図書館の理念・思想などをリードする存在。機関としてまた 専門家集団として諸団体を代表する。著作権法の改正問題、RFID の標準化問題など、本学図書館にとっても当団体からもたらされる 情報は有用である。

私立大学図書館協会 東地区部会

 私立大学の9割を超える図書館が加盟する。 大学図書館の改善 発展を図って、これに係る調査・研究及びその成果の刊行、研究 会・講演会等の開催、機関誌の刊行、対外関係活動等の諸事業を 行う。

 本学図書館は電子ジャーナル・コンソーシアム(PULC:Private University Library Consortium)や、「Lラーニング研究部会」に参加している。

千葉県大学図書館協議会

 県内大学図書館が相互に連絡し協力することによって、互いの 発展を図ろうとする団体。年1回、会議が開催され、加盟50余館か らは近況や直面している課題などが報告される。大変参考になり、

有意義である。(H18は、開催当番館)

千葉市図書館情報ネットワーク協議会

 市内大学図書館や公共図書館、各種法人の図書館(室)など27館 が加盟する。館種を超えて相互に協力し、地域への図書館サービス を向上させようとする団体である。平成6年設立、全国的趨勢の先 駆け的存在となった。

 本学図書館には設立準備段階から呼びかけがあり、当初からの

「物流手段確保」という課題を克服して(自動車文庫または図書館 協力車の運行)、一般書の現物貸借ができるよう期待。

 保健・医療その他関連領域の図書館事業の振興 並びに情報の 流通に関する調査・研究・開発を推進することにより、図書館の利用 を通して高度な知識が習得できるよう環境を整え、ひいては保健・

医療その他関連領域の進歩発展に寄与することを目的としている。

 国公私立の保健・医療系大学図書館、病院図書館、研究機関の 図書館など110余館が加盟。本学図書館の加盟は昭和36年であり、

歯科系としての嚆矢となった。

 資料の貸借・文献複写等の相互利用は、日常的に加盟館同士で 行っており、また重複雑誌交換事業、電子ジャーナル・コンソーシアムなど 予算面でのメリットもある。また、医学図書館員の育成に大きな役割 を担っており、平成13年には、館員のスキルアップのため、「ヘルス サイエンス情報専門員認定資格制度」を創設した。

 現在 本学図書館は協会の評議員を務めるほか、平成17年11月、

血脇ホールにおいて、「研究会・継続教育コース」を開催している。

日本医学図書館協会 関東地区会

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