第 5 章 シミュレーションによる提案手法の評価 36
5.3 位置測位システムのシミュレーション結果
1回の道路標識の撮影によるユーザの位置測位の精度はGPS誤差範囲内に存在する道路標 識中,シンボル,色・形状,枚数等の組み合わせがただ1つのみ存在する道路標識の割合で 求めた.
2回の道路標識の撮影によるユーザの位置測位の精度はGPS誤差範囲内に存在する道路標 識中,シンボル,色・形状,枚数等の組み合わせがただ1つのみ存在する道路標識を1,そ うでない場合,1回目に撮影された道路標識の組み合わせと同じ道路標識から一定距離内に 存在する道路標識中,シンボル,色・形状,枚数等の組み合わせがただ1つのみ存在する道 路標識の割合を求め,これらの合計をGPSの誤差範囲内に存在する道路標識中で割った値 で求めた.
位置測位の精度の式は以下の様になる.
1. 1回の道路標識の撮影によるユーザの位置測位の精度.
P =
∑U
i=0ai
U ×100[%]
ai = {
1 if(ai ̸=aj(i̸=j,0≤j < N))
0 otherwise (5.1)
第5章 シミュレーションによる提案手法の評価
図 5.1: 新宿西口付近の道路標識分布
第5章 シミュレーションによる提案手法の評価
2. 2回の道路標識の撮影によるユーザの位置測位の精度.
P =
∑N
i=0p(i)
N ×100[%]
p(i) = {
1 if(ai ̸=aj(i̸=j,0≤j < N)) q(ai) otherwise
q(a) =
∑Ma
k=0bak
Ma (5.2)
bak = {
1 if(bak ̸=bas(ak ̸=as,0≤as < M)) 0 otherwise
ここで,NはGPS誤差範囲内の道路標識の数,aiはGPS誤差範囲内の道路標識のシンボル,
色・形状,枚数等の組み合わせ,Maは1回目に撮影された道路標識の組み合わせと同じ道 路標識から一定距離内にある道路標識の数.bakは1回目に撮影された道路標識の組み合わ せと同じ道路標識から一定距離内にある道路標識のシンボル,色・形状,枚数等の組み合わ せを表す.
結果を表5.1,表5.2,表5.3に表す.
この結果から,GPSの誤差範囲内には道路標識の数は12.181915[枚]であり,ユーザの位 置を測位するには位置の候補を絞り込みきれないことがわかる.1回の撮影による位置測位 の確率は22.432975[%]である.
ユーザが次の道路標識を撮影するために歩く範囲内の道路標識の平均数は1.365250[枚]で あり,位置を特定できる1に近いが,2回の撮影による位置測位の確率は61.037555[%]程度 となった.図5.2,図5.3から,同一の道路標識が付近に存在している場合がほとんどであり,
一定範囲内に道路標識が全く無い,もしくは同じ標識が2つ以上あるという場合がほとんど で,結果的に道路標識の平均数が1.365250[枚]になったと考えられる.
3章で道路標識のシンボルまで識別することの必要性を述べたが,比較のため道路標識の シンボルまで識別した場合と,道路標識の色・形状のみ識別した場合とで位置測位の確率を 算出した.実験の結果,提案手法による撮影された道路標識識別の正答率を考慮した場合の 道路標識画像による位置測位の確率でも,シンボルまで識別する方が良い結果となっている ことがわかる.撮影された道路標識を識別するまでの時間は,色・形状のみ場合は47[ms]で あり,シンボルまで識別した場合は87[ms]であるので,速度の面では若干の不利があるも
のの,表5.2,表5.3の結果を見る限り,位置測位の方が重要な問題であると考えられる.
2回撮影した場合でも,位置測位の精度は61.037555[%]程度であり,道路標識のみで位置 測位を行うことは困難であることがわかる.道路標識による位置測位の精度を上げるには,
付近にある同一の道路標識を区別する手法の確立が必要であると考えられる.
第5章 シミュレーションによる提案手法の評価
図 5.2: 同一の道路標識が付近に存在している例(1)
図 5.3: 同一の道路標識が付近に存在している例(2)
第5章 シミュレーションによる提案手法の評価
表 5.1: 一定範囲内に存在する道路標識画像の平均数 道路標識の数平均[枚]
GPSの誤差範囲内 12.181915 ユーザが次の道路標識を 1.365250 撮影するために歩く範囲内
表 5.2: 道路標識画像による位置測位の確率 シンボル[%] 色・形状[%]
1回の撮影による 22.432975 14.479667 位置測位の確率
2回の撮影による 61.037555 50.241197 位置測位の確率
一定範囲内に1回に
撮影された道路標識と 19.630339 19.193012 異なる道路標識が
存在しない確率