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本研究のまとめと今後の課題

ドキュメント内 九州大学学術情報リポジトリ (ページ 127-173)

第1節 本研究のまとめ

本研究では、消費者のパーソナルデータを活用するパーソナライゼーション サービスを事例として、データの利活用に当たっての消費者のプライバシー懸 念が当該サービスの利用とパーソナルデータの開示にどのような影響を及ぼし ているかを、プライバシーの経済学という視点にたって実証解析することによ り、パーソナルデータ利活用に係る政策的インプリケーションを引き出すこと を目指したものである。2回にわたる国家プロジェクトに参加することにより、

この分野においては、日本初といって過言ではない、貴重な実証的研究の基礎 を提示することができた。

本研究による成果は以下のとおり3点にまとめることができる。

①第3章の実証研究の事例では、消費者のプライバシー選好に関する先行研 究で明らかにされた点が、我が国の一般的なオンラインショッピングの場面で も同様に成立することを確認したほか、先行研究にはなかったプライバシーの 多様性に着目して、その多様性がどのようにサービス利用意向に影響を及ぼし ているかを検証した。その結果、先行研究には見られなかった多くの新たな知 見が得られ、更にそれらの推計結果から多くの政策的示唆が得られた。プライ バシー懸念の多様性(潜在的不安、情報開示抵抗感、二次利用侵害懸念)に応 じた政策対応や事業者対応の必要性等、多くの示唆が得られた。

②次に、第4章の実証研究の事例では、ライフログデータの事業者間の連携 活用を念頭に置いて、データ連携を可能とするアプリケーション(マカロン)

を開発し、実証を行ったものである。分析の結果、企業のプライバシー保護制 度、すなわち、利用者の不安軽減策について、事業者にとっても極めて有益と なる提言を行うことができた。

③第3章の実証研究及び第4章の実証研究から得られた示唆に基づいて、パ ーソナルデータの制度的枠組み並びに政府による政策的取組みについて評価を 行った。2015 年 9 月に可決された改正個人情報保護法では、個人情報の定義の 明確化、個人情報保護委員会の設置等、消費者保護が強化された面があり、消 費者の潜在的な不安を軽減化させる効果があることが期待できるが、消費者が 有するプライバシー懸念の多様性にきめ細かく対応しうるかどうかは、個人情

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報保護委員会を中心とする法執行の運用状況を見極める必要がある。これと比 較して、経済産業省が進めてきた「有効な同意のあり方に対する提言等」につ いては、消費者保護に配慮して、きめ細やかな対応策が提言されている。しか しながら、本研究で得られた示唆から、画一的に事業者が規定する現行の形態 によるプライバシーポリシーの仕組みでは、利用者側でプライバシーポリシー を正しく認識する、あるいは企業側の意図を必ずしも正しく認識しえないとい う課題が残されている。また、消費者の理解を促すためのきめ細やかな対応に ついても、企業としては、相当のコストアップを覚悟しなければならず、コス トベネフィットの観点からも問題は残されている。プライバシーポリシーを巡 る消費者が有する限定合理性や情報の非対称性がもたらす問題を回避するため、

消費者が情報開示と利活用のコントロールに関与する新たな試みとして、プラ イバシーポリシーの生成とパーソナルデータの流通利用に利用者が積極的に関 与する新たな技術的な取組みとして Privacy Policy Manager を紹介した。

第2節 今後の課題

上述のとおり、本研究は、プライバシーの経済学という視点に着目し、プラ イバシー懸念に基づき消費者はどのような経済的意思決定を行っているのかを 分析した。本研究の実証分析に用いたデータは、それぞれ 2010 年(第3章)と 2012 年(第4章)当時のものである。当時と比べ、改正法が 2015 年に可決・成 立し、その制度環境は大きく異なっている。また、昨今の ICT 技術の進展、つ まりは、AI(人工知能)や IoT におけるセンサー技術等を用いたビッグデータ 解析技術の登場等により、プライバシーや個人情報を巡る環境は大きく変貌を 遂げてきている。既述のとおり、プライバシーを巡る消費者選好は、サービス 提供されている文脈(場所、時間、利用シーン、制度環境等々)に大きく依存 し、汎用的な分析モデルを構築することは極めて困難である(Kobsa 2007)。そ のため、個別の文脈ごとに、精緻な実証を継続して行っていく必要がある。ま た、本研究では、単一時点でのデータ解析にとどまったが、上記のとおり文脈 は動的に変化することから、将来的には時系列の観点を入れたデータ解析も実 証の中に折り込む必要がある。その際、表明選好と顕示選好のギャップ(プラ イバシーパラドックス ) についても、どうこれに対処してゆくべきか、今後

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の検証課題である。

付録

付録 A

番号 条件 内容 区分

ID_1_FA 必須回答 No. FA

FLG 必須回答 FLG SA

1 1回目

2 2回目

H1 必須回答 割付 SA

1 男性 15-19歳

2 男性 20-29歳

3 男性 30-39歳

4 男性 40-49歳

5 男性 50-59歳

6 男性 60-69歳

7 女性 15-19歳

8 女性 20-29歳

9 女性 30-39歳

10 女性 40-49歳

11 女性 50-59歳

12 女性 60-69歳

S1M001 必須回答

現在、あなたがプライベートでインターネットを利用する時 間はどの位ですか。1週間で利用する合計時間を教えてくだ さい。_[001](パソコンからのインターネット利用[ ]時 間/週)

FA

S1M002 必須回答

現在、あなたがプライベートでインターネットを利用する時 間はどの位ですか。1週間で利用する合計時間を教えてくだ さい。_[002](携帯からのインターネット利用[ ]時間/

週)

FA

S2 必須回答 以下の中で、あたなが普段インターネットを利用して行う/

行っている事を全てお選びください。 MA

1 メールマガジンの閲読

2 メーリングリストへの参加

3 旅行/宿泊の予約

4 オークションへの参加

5 オンラインショッピング

6 オンラインバンキング(預金口座管理)

7 オンライントレード(証券講座管理)

8 オンラインゲーム

9 チャット

10 ネット電話(Skypeなど)

11 Podcastの利用

12 RSSリーダーの利用

13 地図情報と連動したナビゲーションサービス(NAVITIMEな ど)

14 ソーシャルブックマークの利用(はてなブックマークなど)

15 ソーシャルタギングの使用(動画投稿サイトなどで利用され るキーワード付加など)

16 あてはまるものはない

[091113681703] インターネットサービスに関するアンケート【本調査】

■調査票

第三章 情報大航海本実証における本調査の調査票

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S3 必須回答

以下の中であなたが過去に1度でも閲覧した事があるウェブ サイトを全てお選びください。また、その中から現在よく閲 覧するウェブサイトを全てお選びください。

MAマトリク

S3M001 過去に1度でも訪問した事がある

S3M002 現在よく閲覧する

1 ポータルサイト/検索サイト(Yahoo!、Googleなど)

2 ショッピングサイト(楽天、Amazon、各種オークションサイ トなど)

3 ニュースサイト(新聞社や出版社が運営するサイトなど)

4 情報提供サイト(ぐるなび、All aboutなど)

5 一般企業のホームページ

6 ブログ(Yahoo!ブログ、livedoorブログ、楽天ブログなど)

7 SNS(mixi、GREE、myspaceなど)

8 つぶやき系サイト(twitter、Timelog、つぶろぐなど)

9 動画共有サイト(YouTube、ニコニコ動画など)

10 掲示板サイト(2ちゃんねるなど)

11 クチコミサイト(価格コム、@コスメなど)

12 ナビゲーションサイト(NAVITIMEなど)

13 Q&Aコミュニティサイト(はてな、教えて!gooなど)

14 あてはまるものはない

S4 必須回答

Webサイトなどで「あなたへのおススメ」のような表現で商 品や情報、記事、友達などをおススメするサービスについ て、あなたはどのように感じますか。

SAマトリク

S4M001 便利だと思いますか?

S4M002 好ましいサービスだと思いますか?

1 とてもそう思う

2 そう思う

3 どちらともいえない

4 そう思わない

5 全くそう思わない

S5 必須回答:S3_M001=1-13

以下の中で、「あなたへのおススメ」のような表現で商品や 情報、記事、友達などをおススメするサービスを見たことが あるウェブサイトを全てお選びください。おススメサービス を提示していると思うサイトのうち、その機能が便利だと思 うものを全てお選びください。同様に、おススメサービスを 提示していると思うサイトのうち、その機能が好ましいと思 うものを全てお選びください。

MAマトリク

S5M001 おススメを提示している

S5M002 便利だと思うもの

S5M003 好ましいと思うもの

1 ポータルサイト/検索サイト(Yahoo!、Googleなど)

2 ショッピングサイト(楽天、Amazon、各種オークションサイ トなど)

3 ニュースサイト(新聞社や出版社が運営するサイトなど)

4 情報提供サイト(ぐるなび、All aboutなど)

5 一般企業のホームページ

6 ブログ(Yahoo!ブログ、livedoorブログ、楽天ブログなど)

7 SNS(mixi、GREE、myspaceなど)

8 つぶやき系サイト(twitter、Timelog、つぶろぐなど)

9 動画共有サイト(YouTube、ニコニコ動画など)

10 掲示板サイト(2ちゃんねるなど)

11 クチコミサイト(価格コム、@コスメなど)

12 ナビゲーションサイト(NAVITIMEなど)

13 Q&Aコミュニティサイト(はてな、教えて!gooなど)

14 あてはまるものはない

ドキュメント内 九州大学学術情報リポジトリ (ページ 127-173)