図1 分娩間隔の分布
伝言板
繁殖台帳
繁殖データ 管理方法は
2つ
0 20 40 60 80 100
4/9
~
5/1
~
5/23
~
6/12
~
7/2
~
7/23
~
8/14
~
9/3
~
9/25
~
10/16
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11/6
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11/27
~
12/17
~
1/8
~
1/29
~ 発情
発見 率%
調査期間 発情発見率の
目標は70%
図2 発情発見率の推移
年間の発情発見率 は97%と高い!
ツールを駆使し、繁殖情報を農場全体で共有!
飼 養形態 フリーストール(ミルキングパーラー)
経 産牛頭数 130頭
乳 量 ・繁 殖成績 経産牛1頭あたり乳量 10,500 kg 分娩間隔 396日
繁 殖のポイントと取り組み 1 発情観察
・繁殖管理の担当者は後継者。
・搾乳牛舎の発情発見は、メイン3人(経営主、経営主の妻、従業員A)、サブ2人(後継者+
従業員B)で対応する。朝夕の作業時に確認(2回/日以上×5人)して、担当の後継者に連 絡する。
・育成牛舎の発情発見は、後継者が対応する。
・朝夕の給餌前後、搾乳後のエサ押し時に確認(6回/日 以上)する。
2 繁殖データ管理
・経産牛は乳検DL、育成牛は繁殖カレンダー、黒板、乳検DL。
3 飼養管理
・生まれる子牛をもう少し大きくするため、乾乳中に増し飼い(配合2~3kg)している。
・ゲノム検査(1万円/頭)を行い、精液の選定を行っている。
4 淘汰基準
・「10回以上止まらない牛」「乳期(乳量)、足」「交配計画」を見て判断する。
繁殖カレンダー
発情を見つ けたら乳検
DLで確認
黒板での個体管理
搾乳牛舎
改良スピードを上げるためにゲノム評価を活用
飼 養形態 フリーストール(アブレストパーラー)
経 産牛頭数 130頭
乳 量 ・繁 殖成績 経産牛1頭あたり乳量 11,250kg 分娩間隔 392日 繁 殖のポイントと取り組み
1 発情観察
・分娩後38日をめやすにフレッシュチェックを行い、繁殖検診を2~3週間に1回実施。検診 結果に応じてオブシンク等で対応。
・①ホルスタイン雌牛の出生数を毎月安定させること、②積極的に遺伝改良を図ること、さらに
③子牛販売単価の向上を目指し、授精に通常のホルスタイン精液を使用せず、図1の3つのパ ターンに集約。肉牛交配率を10%前後に管理。
・牛群の改良スピードを上げるため、雌雄判別精液の授精を、ゲノム評価(HDR)で上位の経産 牛と育成牛にのみを行い、ゲノム評価が中・下位の経産牛には受精卵移植か肉牛を人工授精。
・3回目以降の授精には、追い移植を実施。
・授精後30日にエコーを使用した妊娠確認を依頼し、授精後2周期(42日)以内に不受胎牛を 発見。
・繁殖と牛群改良の方針決定は、関係者(授精師、精液販売会社、獣医師、栄養コンサルタント JA、試験場、普及センター等)の協力を得ながら自らが決定し工夫を重ねる。
2 繁殖データ管理
・授精情報が自動的に入力されるため、繁殖管理に「乳検DL」を使用。
・牛舎内では自作の確認表(写真1)でチェックを行い、発情発見の漏れを防ぐよう工夫。
3 飼養管理
・繁殖のため乾乳期の飼養管理を徹底。採食スペースに余裕があるワンローのフリーストールに パドックを併設し肢蹄のストレスも緩和。圧巻の採食量でこの左腹の張りを実現(写真2)。
4 淘汰基準
・淘汰の優先基準は、①太りやすい牛と②乳房や蹄に問題がある牛。
図1 授精・移植のパターン
受精卵 移植 ホル
♀精液
和牛精液
ゲノム評価 上位牛
未経産牛
経産牛
ゲノム評価中・下位牛
写真1 繁殖確認表
写真2 乾乳牛の採食
全ては食い込める粗飼料から
飼 養形態 繋ぎ飼い(ニューヨークタイストール)
経 産牛頭数 62頭
繁 殖のポイントと取り組み 1 発情観察
・搾乳終わりのミルカー運搬時や除糞の時などに作業しながら観察。
2 繁殖データ管理
・繁殖管理盤とホワイトボード
3 飼養管理
・乾いた粗飼料を牛にお腹いっぱい食わせることが基本。遅刈りで乾くのを待つのではなく、早 めに刈ってテッターの回数を増やして乾かしている。ロールカッターで切って給与している。
・乾いた草とカルシウムの給与などに取り組み、以前より周産期疾病も減った。
・1年程度繁殖検診を行い、治療の内容やタイミングからもコツを掴んだ。
・敷料は麦稈を利用。乾乳前期はパドック付きフリーバーン牛舎へ移動し、土を踏ませる。分娩 2~3週間前に搾乳牛舎へ移動し、増給する。
4 淘汰基準
・蹄に問題があり寝起きが悪くなった牛から優先的に淘汰(5産ほどして蹄が悪くなると隣を空 けて係留するが、それでも寝起きが悪くなったら淘汰対象とする)。
乳 量 ・繁 殖成績 経産牛1頭あたり乳量 9,045kg 分娩間隔 397
日繁殖管理はほぼ繁殖管理盤のみを利用 補助的にホワイトボードに記入する
繁殖管理の道具
牛のナンバー、発情の兆候
授精師・獣医師の処置を記録
繁殖を「パソコン」と「蹄」で効率的に管理!!
飼 養形態 フリーストール(搾乳ロボット)
経 産牛頭数 260頭
繁 殖のポイントと取り組み 1 発情観察、繁殖データ管理
・搾乳ロボット導入に伴い、搾乳牛の首にタグ(活動量や反芻量などを計測する装置)を装着 し、パソコンに送信されたデータと乳検データを照らし合わせて、繁殖管理を行っている。
(発情だけでなく種付け適期もモニターで表示)
・従業員もパソコンのモニターを確認するだけで繁殖状況が確認できる。
・タグを装着し、電波の届く範囲であれば、別飼いのパーラーでの搾乳牛も管理することがで きる(別飼いの牛はモニターでチェックする機会が少ないので、タグのバッテリーが切れる とデータが飛ばず、放置状態になることがあるので注意)。
・交配計画一覧表を作成し、従業員でも授精対応が可能になった。
2 飼養管理
・繁殖と蹄との関係を重要視し、通路はゴムマットの設置、フットバスの活用、年4回の削蹄 を全頭実施。
3 淘汰基準
・淘汰の基準は分娩後400日で受胎しなければ、淘汰の対象となる。
乳 量 ・繁 殖成績 経産牛1頭あたり乳量 11,000kg 分娩間隔 398
日タグ
ゴムマットの通路 で蹄の負担軽減 !!
パソコン画面のイメージ
受信
発情期は反芻 量が下がる 発情期は活動量
が上がる
導入前
乳量:9,048kg/頭/年
分娩間隔:450日
Ⅶ 用語
本文中に出てくる専門用語について説明しています。
ア行
・AMPM法
適期授精のプログラムとして活用されている方法。発情を発見した時間別の授精タイミング を示している。午前9時前に発情を発見したら、授精はその日の午後、午前 9時~12時まで に発情を発見したら、授精はその日の夕方から翌朝、午後1時以降に発情を発見した、授精は 翌日の午前中が適期とされている。
・追い移植
人工授精を行った7日または8日目に受精卵移植を行う繁殖手段で、リピートブリーダーを 含む長期不受胎牛の受胎率を高める有効な手段である。受精卵は F1 体外受精卵を利用する場 合が多い。双子妊娠する可能性が高く、分娩時の事故を想定した分娩対応が必要である。
・黄体
排卵した後、卵胞腔の周囲から黄体細胞が増殖して黄体を形成する。黄体は黄体ホルモンを 分泌して生殖器官に黄体期の変化をもたらすが、妊娠しない場合は一般に性周期の末期に萎縮 退行する。
・オブシンク
牛の発情同期化と定時授精を組み合わせた繁殖管理法。任意の発情周期にGnRH製剤を投与 し、その後7日後にPGF2αを投与、その2日後に再度GnRH製剤を投与して排卵を誘起し、
授精はGnRH製剤投与から16~20時間後に行う。この方法によって、発情発見を行わない で計画的に授精できたり、妊娠率が高くなり、牛群全体の分娩間隔が短縮されることが期待さ れる。頼りすぎると発情周期がわからなくなる可能性があるため、注意が必要である。
カ行
・ゲノム
一組の染色体に存在するDNAに含まれる遺伝情報。ゲノムから得られた遺伝情報を基に、
遺伝評価にも利用され、後代検定を行っていない未経産牛の評価も行っている。遺伝子の配 列はすでに明らかになっているが、どの遺伝子が何の形質に関係しているかはまだ明確で無 い。
サ行
・GnRH製剤
性腺刺激ホルモン放出ホルモン製剤のこと。商品にはコンセラールやスポルネンなどがある。
GnRH製剤を投与し、人為的にLHサージ*を誘導することで排卵が誘起される。LHサージか ら排卵までの時間にばらつきが少なく、排卵のタイミングを制御することができるため、定時 授精法への応用が可能である。卵胞が小さい時や閉鎖卵胞になった状態だと、LHに反応する卵 胞が無く、排卵が起こらない。
・子宮内膜炎
連鎖球菌、ブドウ球菌および大腸菌などの非伝染性の細菌感染などにより、子宮内膜に炎症 が継続している状態。難産の介助や胎盤停滞により分娩時に、または授精器具を介して人工授 精時に経膣感染する。膿汁あるいは膿性粘液の排出などの臨床症状がみられる場合と、異常分 泌物のみられない潜在性子宮内膜炎がある。不妊の主要な原因となっており、精子および胚の 死滅や、受精および着床の阻害を引き起こす。治療は、子宮洗浄と抗生物質の子宮内投与を行 う。また、卵巣に黄体が存在する場合には、PGF2α製剤の投与によって発情を誘導し、自浄作 用による清浄化を行うことも多くある。
・シダーシンク
膣内留置型徐放性プロジェステロン注1)製剤(CIDR:商品名)を利用した定時授精プログラ ムのこと。排卵同期化によって、鈍性発情、卵胞嚢腫および卵巣静止の治療効果が得られる。使 用方法は、以下の手順で行われる。①GnRH製剤もしくはエストロジェン注2)製剤の投与によ る卵胞の閉鎖および新たな卵胞波の誘導、②CIDR を膣内挿入、7日~9日間程度の留置によ り、人為的な黄体期の作出、③CIDR の抜去と同時に PGF2α製剤を投与し、黄体退行を再現 する、④GnRH製剤もしくはエストロジェン製剤を投与し、排卵を誘起させる、⑤一定時間後 に人工授精を行う。
注1)黄体(妊娠)ホルモン
注2)卵胞(発情)ホルモン
・脂肪肝
肝臓に中性脂肪が過剰に蓄積する状態。牛では主に分娩前後における管理やストレスによる 乾物摂取量の低下によって引き起こされる。その時、皮下脂肪などの脂肪組織が分解され、エ ネルギー生産のために大量の脂肪酸が血流を介し肝臓に流れ込み、その量が肝臓の処理能力を 超えた時に中性脂肪の形で肝臓に蓄積される。重度になるとケトーシスを発症する場合がある。
*LHサージ
LHとは黄体形成ホルモンのこと。サージとはうねりや大波のこと。
つまり、LHサージとは、排卵を起こす黄体形成ホルモン(LH)が大量に分泌される現象。
LHサージ開始後、卵巣が反応し 25~30時間で排卵する。排卵した卵胞が黄体である。