【1】スクールソーシャルワーカーの推進体制について(平成28年度)
(1)スクールソーシャルワーカー配置の主な目的
いじめ,不登校,暴力行為,児童虐待など生徒指導上の課題に対応するため,教育分野に関する知識に加 えて,社会福祉等の専門的な知識・技術を用いて,児童生徒の置かれた様々な環境に働き掛けて支援を行う スクールソーシャルワーカーを配置し教育相談体制を整備する。
(2)配置・採用計画上の工夫
・支部配置(23名)
拠点校(小学校)の属する行政区等ごとの支部を担当し,当該支部の小・中学校を巡回又はニーズに応じ た支援を行う。
(3)配置人数・資格・勤務形態
・配置人数:26名(スーパーバイザー3名を含む)
・資 格:社会福祉士,精神保健福祉士,臨床心理士のいずれかの資格を有する。
・勤務形態:非常勤嘱託職員(週1日8時間×年間35週=合計280時間を基本とする。)
(4)「活動方針等に関する指針」(ビジョン)策定とその周知方法について
事業実施要項やガイドラインで指針を示し,4月当初のスクールソーシャルワーカー事業説明会で周知し ている。
【2】スクールソーシャルワーカーの資質向上に向けた研修体制について
(1)研修対象
スクールソーシャルワーカー及びスーパーバイザー
(2)研修回数(頻度)
【3】スクールソーシャルワーカーの活用事例
【事例1】学校を欠席しがちで,発達障害を抱えていると思われる生徒に係る活用事例(③不登校,⑥発達障害)
以前から欠席しがちであった中学校女子生徒が,夏休み明けに全く登校しなくなったケース。教員が保護者 に連絡をしても感情的になって取り合わない。
SCとSSWも出席する校内ケース会議の情報共有により,入学以降の様子から本人に発達上の課題がある 可能性に着目した。また,教員とのやり取りから保護者が精神的に不安定な状態にあることがうかがえた。以 上の点から,親子ともに関係機関につながる必要性を確認した。保護者を児童相談所につなぐことで,保護者 が子育ての悩みを相談する体制が構築され,また,本人については医師の診断により発達障害であることが分 かった。診断の結果に保護者はひどく動揺したが,学校と児童相談所が連携して保護者にかかわることで安定 した。
【事例2】虐待に係る校内研修を実施した事例(④児童虐待)
校内で飼育している小動物等への虐待行為が度々起こり,複数の生徒の関与が確認されていたが,行為自体 に関する指導に留まっていた。
この件に関して,SSWは,管理職と児童虐待が背景にある可能性について認識を共有し,校内ケース会議 で対象生徒についてのアセスメントを行った。また,後日に虐待に係る視点の定着を目的に校内研修の実施を 行った。
その結果,当該生徒への理解が進み,教員のかかわりが改善したことにより問題行動は減少していった。
【4】成果と今後の課題
(1)スクールソーシャルワーカー活用事業の成果
スクールソーシャルワーカーが参画する校内ケース会議を開くことで,教職員の役割分担が明確化す るとともに,校内での連携が深まり,児童・生徒への支援体制の強化へと繋がっている。また,児童相 談所・子ども支援センター等,他機関との日常的な連携が強化され,児童生徒を支援するネットワーク 構築が進んでいる。
(2)今後の課題
・スクールソーシャルワーカーとしてのより高い専門性の確保
・配置拡充のための人材確保
【1】スクールソーシャルワーカーの推進体制について(平成28年度)
(1)スクールソーシャルワーカー配置の主な目的
子どもたちが置かれている環境への働きかけや、関係機関とのネットワークを活用するなど、多様な支援方 法を用いて、課題解決への対応を図る。また、校園長及び教職員と協働することにより、教職員のスキルアッ プを図るとともに、校園内チーム体制の構築を支援する。
(2)配置・採用計画上の工夫
スクールソーシャルワーカーが区との連携を深め、各校園への支援を柔軟に行うことができるよう、それぞ れが1~3区を担当し、担当区内の校園からの要請に応じて派遣を行った。派遣中心の活用であるが、派遣要 請のない日は、それぞれの拠点校(中学校)で、校区の小学校を含みながら、支援を行った。
(3)配置人数・資格・勤務形態
・スクールソーシャルワーカー 8名
(社会福祉士の資格を有する者8名。そのうち、精神保健福祉士の資格も有する者1名、教員免許状も有 する者 4 名)
・週3日、1日6時間の勤務(年間120日)
(4)「活動方針等に関する指針」(ビジョン)策定とその周知方法について
・教育委員会事務局における運営方針に、具体的取組および業績目標を記載し、ホームページ上に公表。
・「スクールソーシャルワーカー活用の手引」を全校園に配付。
【2】スクールソーシャルワーカーの資質向上に向けた研修体制について
(1)研修対象
・スクールソーシャルワーカー 8名
(2)研修回数(頻度)
・毎月
(3)研修内容
・毎月開催している連絡会において、事例検討や情報交換等を行い、スーパーバイザーからのスーパーバイズ を通してスクールソーシャルワーカーのスキルアップを図り、エンパワメントしている。
・日常の活動の中で、必要があればすぐに個別のスーパーバイズを受けることができる体制を整え、共通理解 が必要と思われる知識や視点については、連絡会の際にスーパーバイザーからの講義や資料配付を通じて全 体で共有している。
(4)特に効果のあった研修内容
・さまざまな事案に対するスーパーバイザーからのスーパーバイズ。
(5)スーパーバイザーの設置の有無と活用方法
○SVの設置
・設置している。
○活用方法
・必要に応じて、スクールソーシャルワーカーとともに学校を訪問したり、ケース会議へ出席したりする。
・連絡会における、スクールソーシャルワーカーへのスーパーバイズ。
(6)課題
・新規SSWのスキルアップ研修や各学校園のSSW活用事業に関する詳しい周知。
大阪市教育委員会
【3】スクールソーシャルワーカーの活用事例
【事例1】子どもが安心して学校生活が送るための活用事例
(貧困対策(福祉との連携)、④児童虐待(ネグレクト))
中1男子と母(統合失調症・手帳2級)の二人暮らし
母は、特別なあてもなく沖縄から出てきて大阪に住むことになった。出産後病気になり、コミュニケーションが 取れる時と取れない時がしばしば見られた。お風呂は水風呂で食事もきちんと子どもに食べさせていない時もあっ た。学校は、ネグレクト等の虐待を疑い、母親へ連絡をとるがなかなか話ができない状況であった。電気の支払い も滞り止められることも2度あった。今後のことも考え、学校、家庭、関係諸機関が連携をとりあい、子どもが落 ち着いて学校生活を送れるようにしたいとのことでSSWへ相談した。SSWの提案により、ケース会議を行い、
母子の生活状況を民生委員など身近にいる地域の方が様子をうかがうようにした。子どもには、「子ども食堂」が あることを伝え、食事ができるよう支援することにした。また、家以外の居場所を多く作り、複数の目で見守りを 行うようにした。子ども本人が少しずつ生活力を身につけ、安心して学校生活が送れるようになってきた。
【事例2】家庭環境の悪化による不登校児童対応の活用事例
(貧困対策(家庭環境の問題)、③不登校、④その他(心身の健康))
小4女子と父、母との家庭。父はアルバイト、母はうつ症状で心療内科へ通院
小4女児は、1年生入学時より6月の学習参観に出席した後は欠席が増え、休みがちな状態が続いていた。
当初の原因は、本人の給食の喫食や体育の更衣に時間がかかるといった生活習慣における遅れや、担任の集団育 成に厳しさを感じているものだということであった。しかし、その後、定期的な家庭訪問や懇談、子育て支援室と の連携を行ううちに本人及び保護者の生活態度に原因があることがわかった。昼夜逆転もしばしばで、保護者は全 面的に子どもの言いなりで好きなように過ごさせている。
学級担任も電話や訪問を続けてきたが物事がすべて子ども・保護者の都合で先送りが続いている状況であった。
そのような中でようやく担任と校長が家庭訪問し、母親と本人に会えたが、その後もまた会えない状況が続いたた め学校はSSWへ相談した。SSWからの提案で、区子育て支援、区役所生活保護担当者、CW、こども相談セン ター、学校とでケース会議を行った。会議を受けて、学校は、母親に連絡を行い、つながらなかった時は父親にも アプローチし、学校の行事や諸連絡をきちんととるように心がけた。また、長期休業中に保護者との懇談日を設定 し、親子で登校できる機会を持った。懇談では、学校の連絡を書面で渡すことで母からも了解を得ることができ、
始業式当日の迎え方についても話し合うことができた。生活保護担当者からの電話には出るとのことなので、会え なくなった時には協力要請することにもなった。
結果、4年女児は、始業式に何とか登校することができ、今後も継続的に関わりを持ち、見守ることとなった。
【4】成果と今後の課題
(1)スクールソーシャルワーカー活用事業の成果
・各校園の教職員と協働したチーム体制づくりを推進し、スクールソーシャルワーカーが支援を行った校園で は、組織的対応の強化につながっている。
・支援対象になった児童生徒数はのべ 2084 人で、前年度と比較すると約 87%増加していることで積極的なス クールソーシャルワーカーの活用が進められている。
(2)今後の課題
・スクールソーシャルワーカーの活用について、今後もより積極的に有効的な活用を図る。特に、各課題に対 して早い段階での児童生徒支援や保護者支援、関係諸機関との連携等、組織的対応体制の確立のために、各 学校園へ周知徹底し、派遣を積極的に進めていく。
・平成 29 年度は、10 名のスクールソーシャルワーカーを拠点校に配置することができたが、今後も多岐にわた
る支援要請に応える人材の育成と、SSW増員に向けての人材の確保が課題である。
ドキュメント内
各都道府県・指定都市・中核市の取組の概要2
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