AMS I. D (ver 11)グリッド接続の再生可能発電
ステップ 4. 普及度分析
提案するプロジェクト類が、関連する部門・地域で、既にどの程度普及しているかを分析し、
ここまでの追加性テストを補完する。この分析は投資分析(ステップ
2)と障壁分析(ステッ
プ
3)の信頼性を確認することにもなる。
サブステップ
4a:提案するプロジェクトに類似する他の事例の分析
これまで実施された又は今実施されている、提案するプロジェクトの類似事例を挙げる(た だし他の
CDM
プロジェクトは対象外)。サブステップ
4b:実現しつつある類似事例の検討
類似事例が特定された場合、それらの事例の存在と、提案するプロジェクトが財務的に魅力
がないこと又は障壁があることが矛盾しないことを示すことが必要である。
現在、インドネシアでは
857MW
の地熱発電所が稼働しているが、国有企業がODA
資金で建 設したものおよび1998
年以前のIPP
により建設されたものがあるが、IPPの場合、売電価格が 現在より高かった。現在のインドネシアの法的、経済的枠組みの中で建設された地熱発電所は ないと思われる。小規模
CDM
の追加性の証明小規模
CDM
において追加性を証明するためには、プロジェクト実施について投資障壁、技 術障壁、一般的な慣行に伴う障壁あるいはその他の障壁のうち1
つ以上あればよい。(f) 削減量の計算(PDD セクション
B.6)
ACM0002
の場合<排出削減量>
ERy = BEy
- PEy - LyERy:プロジェクトによる y
年の温室効果ガス排出削減量[t-CO2 /MWh]
BEy:y
年のベースライン排出量[t-CO2 /MWh]
PEy:y
年のプロジェクト排出量[t-CO2 /MWh]
Ly:y
年のリーケージ排出量[t-CO2 /MWh]
<ベースライン排出量>
BEy = EFy × EGy
BEy:y
年のベースライン排出量[t-CO2 /MWh]
EFy:ベースラインにおける排出係数[t-CO 2 /MWh]
EGy:y
年にプロジェクトによって系統に供給された電力量[MWh]<ベースライン排出係数>
ベースライン排出係数は、以下の式で算定されるコンバイドマージン(CM)排出係数を使 用する。
EFy = wOM × EFOM,y + wBM × EFBM,y EFy
:ベースライン排出係数[t-CO2 /MWh]
<コンバイドマージン(CM)排出係数>
EFOM,y:オペレーティングマージン(OM)排出係数[t-CO 2 /MWh]
EFBM,y:ビルドマージン(BM)排出係数[t-CO 2 /MWh]
wOM
とwBM
はOM、BM
の比率であり、原則50%(wOM= wBM= 0.5)である。この比
率をかえることも可能であるが、その場合には異なる比率を正当化する根拠を示すことが必 要でありCDM
理事会によって精査される。<ビルドマージン(BM)排出係数>
プロジェクト参加者は、計算対象とする発電所について、以下の2つの選択肢のうち年間 発電電力量の合計値が大きくなる方を選択しなければならない。
・ 最近5年間に建設された発電所
・ 最近建設され新たに系統に加わった発電所で、系統における電力量の
20%を占める発
電所(20%が、あるプラントの設備容量の一部分となる場合、そのプラント全体を計算 に含める)EFBM,y
は計算対象とする発電所からのCO 2
排出量[t-CO2 ]
を、それらの発電所から系統に 供給された電力量[MWh] で除して求める。プロジェクト参加者は、以下の2つの選択肢から1つを選択し、クレジット期間中へ変更 できない。
・ オプション
1. PDD
の提出時に入手可能な、既に建設されている発電所に関する最新情 報に基づいて、EFBM,yを事前(ex ante)に計算する・ オプション
2.
第1約束期間については、実際のデータに基づいて事後的(ex post)に 毎年更新する。その後の約束期間については上記オプション1に従って事前(ex ante)に計算する。
<オペレーティングマージン(OM)排出係数>
オペレーティングマージンは、現在、グリッドに連結されている発電施設の電力を代替す る考え方である。
本方法論では、OM は、
・
Simple OM
:CDM
プロジェクトによる発電は、毎時の供給電力量において最後の10%
の電力を供給した発電所からの電力を代替するという考え方
・
Simple adjusted OM
:CDM
プロジェクトによる発電は、低コスト/必須運転(must run)発電所からの電力を除いて、系統に接続しているその他の発電所からの電力を平均的 に代替するという考え方
・
Dispatch Data Analysis OM: CDM
プロジェクトによる発電は、「低コスト/必須運転(must run)発電所からの電力」と「それ以外の発電所からの電力」を、λ:(1-λ)
の割合で代替するという考え方
・
Average OM: CDM
プロジェクトによる発電は、系統に接続している全ての発電所か らの電力を平均的に代替するという考え方の
4
つの手法が示され、適用する手法を選択することとしている。以上からコンバインド・マージン排出係数計算のためのオペレーティング・マージン排出 係数とビルド・マージン排出係数の比率はそれぞれ
0.5
とし、オペレーティング・マージン 排出係数は簡易OM
により算出する。なぜなら、PLNによりディスパッチデータが公表され ていなく、ディスパッチ・データ分析OM
は算出できないためである。また、低コスト・必 須運転発電所の比率が50%以下であることを PLN
の統計から示しておかなければならない。ビルド・マージン排出量の計算は、直近建設された5基の発電所、最近建設され、新たに系 統に加わった発電所で、系統における電力量の
20%を占める発電のどちらか発電量の多い方
をPLN
の統計データから選ぶ。AMS I.D
の場合・設備容量、稼働率によって異なるが、200KW 以上の小規模地熱発電には排出係数は
0.8(t-co 2 /MWh)を用いる。
(g) プロジェクト活動による GHG 排出
地熱発電では、地熱井から噴出する蒸気中の不凝結ガス中に微量の
CO 2
やCH 4
が含まれて いる場合が多い。この量が多くなると削減量が少なく(時には効果がゼロに)なる場合があ り、注意が必要である。Fig. 7.3.2-2に地熱井蒸気中のCO 2
の濃度と排出量の関係を示す。こ れは、蒸気の電力変換効率を7tonne/MWh
とし、横軸にCO 2
の濃度(重量%)、縦軸にCO 2
排出量(t-CO2 /MWh)で示している。参考に Sumbagsel
グリッドなどの排出係数を記入して いる。蒸気中のガス濃度が10wt%近くになると、CO 2
削減効果がほとんどなくなる。インド ネシアの既存地熱発電所の蒸気中のCO 2
濃度はおよそ1w%前後であり、十分な CO 2
削減効果 が期待できる。また、蒸気中にはCH 4
も含まれているが、その量はCO 2
の1/100
以下である。しかしながら
CH 4
はCO 2
の21
倍の温室効果があるので、その排出量は確認しておくべきで ある。Fig. 7.3.2-2 CO 2 Emission by Steam Production
(h) モニタリング方法論の適用
PDD
のセクションB.7
ではモニタリング方法論および計画の適用について記述する。ベー スラインシナリオと実際のプロジェクト排出量の差がCER
として請求されるため、詳細で かつ現実的なモニタリング計画をたてることは非常に重要である。地熱発電におけるモニタリング項目は以下の項目を含む。
・電力系統に供給した電力量(MWh)
・生産した蒸気量(発電および試験時)(tonne)
・生産した蒸気中に含まれる不凝結ガス中の
CO 2
、CH4 (t- CO 2 /t-steam、t- CH 4 /t-steam)
・車両等で使用した化石燃料(重量または体積)
(i) 環境影響評価と利害関係者からのコメント
プロジェクト参加者は越境影響も含めた環境影響の分析に関する書類を添付することが要 求されている。
インドネシアでは、設備容量
55MW
以上の地熱発電所において環境影響評価(AMDAL)を実施し、環境影響評価書(ANDAL)、環境管理計画(RKL)、環境モニタリング計画(RPL)