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(1) 活動項目毎の結果

① 無焼成レンガの製造

(1-1) ステークホルダーミーティングの実施

ステークホルダーミーティングでは、カウンターパート機関の公共事業局と住宅・

建物研究機関の他、関係機関の参加を図り、本実証事業に係る協議や調査、意見交換 等を行った。

第1回ステークホルダーミーティングの概要 実施日 2015年12月10日

出席者 公共事業局、JICAバングラデシュ事務所、亀井製陶(株)

内容 ・実証事業の内容を説明し、建材のニーズについて意見交換を行った。

・ステークホルダーから出された意見は、無焼成レンガを公共事業の資材リ スト(PWD Schedule)に載せることで「提案企業の無焼成レンガは政府公 認」という事実になる。また、求められているレンガは軽量で安く、強度の ある無焼成レンガが必要と意見が出された。

第2回ステークホルダーミーティングの概要 実施日 2018年6月4日

出席者 住宅・建物研究機関、計画委員会、公共事業局、環境省、JICAバングラデシ ュ事務所、KCB

内容 ・機材引取りの進捗について、住宅・建物研究機関の Project Directorから報 告があった。住宅・建物研究機関側で努力しているも、住宅・公共事業省

(MoHPW)の監査に時間を要している。先方が年度最終月で予算対応に追 われているのと、ラマダン中という事が相まって、事が進んでいない。

・港湾倉庫の 1 年以上の保管料について、KCB のスタッフは 1,000 万タカ

(1,300 万円)を超えている可能性があると報告した。これを受け、減額要 請のレターを発出すべきとの提案などがあったが、住宅・建物研究機関の所 長はKCBのスタッフに実額を早急に確かめるよう指示した。

※ 201910月現在JICA 外貨換算レート:1タカ=1.30

第3回ステークホルダーミーティングの概要 実施日 2018年9月3日

出席者 住宅・建物研究機関、JICAバングラデシュ事務所、KCB

内容 ・KCB のスタッフと再委託先Nayan Enterpriseの現場監督が建屋の完工検査

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を行って完了したことを確認した。立会いに住宅・建物研究機関の担当者、

JICAバングラデシュ事務所の担当者が参加した。

第4回ステークホルダーミーティングの概要 実施日 2019年2月14日

出席者 住宅・建物研究機関、亀井製陶(株)、KCB

内容 ・2月14日にレンガの活用先について住宅・建物研究機関の所長と協議を行 った。日本側からは実証事業中の現実的な生産量は 8,000-10,000 個と伝え たところ、「公共事業局の公共建築物の建設・改修能力向上プロジェクトに は数万個が必要になるため、活用には十分な量ではない。その代わりに住 宅・建物研究機関の外壁のアップグレードに活用できないか」と提案があ った。この提案についてJICAと確認をしたうえで住宅・建物研究機関と協 議を進めていく。

(1-2) 機材輸送・機材設置計画検討

(ア)工場建設サイトの決定

当初は、公共事業局の所有地ナラヤンゴンジ地区の所有地に工場を建設する予定 であり、土地の使用許諾書も入手して、レイアウトの設計や土木工事業者との協議等 を行っていた。しかし、工場建設予定地を現在占有している業者との所有権の問題等 もあり、JICA バングラデシュ事務所と協議した結果、工場設置予定地であるナラヤ ンガンジの土地は安全性の面から使用は難しいと判断した。

代替地として住宅・公共事業省(MoHPW)の一部である住宅・建物研究機関の土 地の提案があり、ダッカ県ミルプール地区にある住宅・建物研究機関の所有地へサイ トを変更することになった。

このため、2016年10月に工場建設サイトの変更及び相手国側カウンターパートに 住宅・建物研究機関が参加することになった件について、JICA バングラデシュ事務 所が住宅・建物研究機関、公共事業局と協議を行い、議事録(M/M)の修正が行われ た。

その後、JICA バングラデシュ事務所がセキュリティ評価を行った結果、住宅・建 物研究機関が提案した土地は不法居住者に囲まれているため、安全性の面から使用 は難しいと判断し、再度協議を進めた結果、2017年2月にミルプール地区になる住 宅・建物研究機関の試験ラボの横の敷地を使用することで同意した。

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図 2 工場建設サイト

(イ)レンガのデザインの決定

現地側の意見を汲み、レンガのデザインとサイズを決定した。公共事業局との協 議、現地での調査結果より、レンガに求める要望として、できるだけ軽量で強度の あるレンガがほしいという意見が多かった。しかし、軽量化には空隙を多くすれば よいが強度とは相反する。このため、強度が損なわれすぎない2穴レンガとするこ とにした。2穴を開けることにより実重量に対して18%の減量が可能である。ま た、サイズは幅240mm、奥行115mm、高さ70mmとすることとした。このデザイ ンは図らずも、2つの丸い穴は日本とバングラデシュの国旗のデザインを連想させ ることができるため、2穴の右下にそれぞれ「JAPAN」と「BANGLADESH」の文 字を入れることとした。これにより日本企業である提案企業の技術のアピール、日 本とバングラデシュの友好をアピールする効果に加え、模倣対策になると考える。

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図 3 二国の名称を入れたレンガの試作品

(ウ)機材設置計画

■ナラヤンゴンジ地区

当初、工場はナラヤンゴンジ地区にある公共事業局の所有地に建設する予定であ り、レイアウトの設計や土木工事業者との協議等も行っていた。ここでは、工場の 面積を800㎡と予定していたが、資機材配置の工夫により568㎡に縮小することが できた。これにより、工事費の削減が可能となった。

■ミルプール地区

その後、工場のサイトは、住宅・建物研究機関の意向等によりミルプール地区に ある住宅・建物研究機関の試験ラボ敷地内に変更となった。サイト調査により、ナ ラヤンゴンジ地区で設計していた工場建屋と工場レイアウトの設計図が活用できる ことがわかった。製造工程(機材設置)計画と工場レイアウトを以下に示す。

図 4 製造工程(機材設置)計画

「JAPAN」の刻印

「BANGLADESH」の刻印

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図 5 工場レイアウト

(エ)主要設備の製造と日本国内での試験運転

主要設備である原料準備機材(ミキサー、供給機、制御盤、ほぐし機)については、

2015年12月に高浜工業(株)から調達する契約を締結した。

2016年6 月に高浜工業(株)での製造が完成したため、提案企業立ち会いのもと 稼働試験を行った。個別の稼働確認及び、350kgの原料を持ち込んでの混合試験も行 った。設備の金額的制約上、現状では原料置き場が屋外にならざるを得ないため(原 料保管スペース)、気象条件によっては原料の水分状態を安定的に処理するのが難し い。そのため原料の乾燥条件に合わせ、原料7パターンの稼働テストを行った。

図 6 高浜工業(株)で製造が完了した原料準備機材の稼働試験の様子

主要設備のプレス機については、2016年2月に(株)GOTOと機材調達に係る契 約を締結した。

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2016年7月に(株)GOTOのプレス機が完成したため、現地での配合を想定した 原料を持込み、稼働試験を実施した。原料充填、チャージャー動作、枠上げ、プレス 刺さり込み、バイブ、共上げ、製品取り出し、それぞれの稼働状態を確認するため、

一動作ごとを低速で稼働させ、問題がないことを確認した。1サイクルのスピードは 現地にて十分な原料供給状態で、試験の3倍まで上げる計画とした。この稼働試験で 製造した試作品については、日本の一般財団法人全国タイル検査・技術協会(J.T.T.A)

の岐阜試験所で圧縮試験を行った。連続運転ができない為、手作業での供給となり、

混錬や充填のばらつきが予測されたが、平均圧縮強度は16.8 N/mm2(171.4kg/cm2に 相当、バングラデシュ規格BSTIのA級は175 kg/cm2)となり、想定した強度が出た ことを受け、現地での安定生産品で試験を行うこととなった。

図 7 (株)GOTOで製造が完了したプレス機の稼働試験の様子

機材の出荷から税関手続き完了までの状況や経緯を以下の表に示す。

作業 計画 実績 内容 機材の

出荷

2016年 6~7月

2016年 7~1月

遅延理由①

・公共事業局の意向等による工場建設サイト変更によ り建屋建設工事が遅延。

・バングラデシュ邦人殺害事件の影響により遅延。

2017年 3月

遅延による影響

・日本国内の倉庫を借りて一時保管したため、保管料等 の想定外の費用が発生

33 結果

・2017年3月、原料準備機材(ミキサー、供給機、制 御盤、ほぐし機)とプレス機の船積みを完了、チッタ ゴンには4月10日前後に入港手配

・B/L (船荷証券)書類はExpress Mail Service (EMS)で 現地に発送し、荷受は次回現地調査中に実施予定。

税 関 手 続 き

2016年 6~7月

2017 年

4~7月

必要書類準備

・輸入登録証(Import Registration Certificate)は、カウン ターパートの住宅・建物研究機関が輸出入管理長官事 務 所 (The Chief Controller of Imports And Exports:

CCI&E)に依頼状を提出し、2017年7月に入手。

・免税証明書と住宅・公共事業省のレコメンデーショ ン・レターは、住宅・建物研究機関がそれぞれバング ラデシュ歳入庁(National Board of Revenue)と住宅・

公共事業省に依頼状を提出。

2017 年

5月

税関手続き遅延に対する対応

・住宅・建物研究機関のアドバイスに従い、JICA バン グラデシュ事務所から住宅・公共事業省へ働き掛けを 行う。

2017 年

6~2018 年5月

遅延理由②

・税関手続きに時間がかかる。

遅延に対する対応

・引き続き住宅・建物研究機関(HBRI)を中心に働きか けを行う。

2018 年

6月

遅延による影響

・チッタゴン港の港湾倉庫の保管料(ペナルティ料)は

1,210万タカ(1,573万円)になることが判明。

※ 201910月現在JICA 外貨換算レート:1タカ=1.30

2018 年

7~8月

ペナルティ料への対応

・住宅・建物研究機関のTechnical Project Program (TPP) ペナルティ料予算は700万タカ(910万円)のため、

残りの510万タカ(663万円)について、関税予算 の残額をペナルティ支払に予算流用ができないか住 宅・公共事業省と確認したが、認められなかった。

・ 残 り の ペ ナ ル テ ィ 料 は 翌 年 度 予 算 で の 支 払 い

(Deferred payment)としてチッタゴン港当局(CPA)