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  O.8 9 O.6   0.4

 0.2

5

 10 15

締付け軸力 kN

20

図16 マシン油塗布,締付け軸力の違いによるθ。。の変化

一 34 一

 しかし,この直線を左下の方向に延長すると,締付け軸力が3.5kN でθ。,=0となり,この軸力以下では回転変位を与えなくてもゆる みを生じることになる.現実にはこのようなことは起こり得ず,今 後の検討課題である.

(b)ゆるみ限界回転角の実験値からの摩擦係数の推定

 θ。,の実験値を酒井の次式に代入し,ねじ面の摩擦係数μ。一座面 の摩擦係数μw=μとしたときのμを求めたものが表2である。

θ cr一

?鼬ao。81α俸

} + dwptv}

表2 μ。=μ。=μのときのμの推定値

処理      轍

5kN 8kN

12kN 16kN

マシン油

h布

θ。, 0.33。 0.93。 1.51。 2,310

μ 0.17 0.28 0.31 0.35

 μは本来軸力に関係なく一定とされているが,ここでは軸力の増 加とともに大きくなっている.この理由については今後の検討課題

である.

(c)ゆるみの条件が満たされるねじ面,座面の摩擦係数の検討  座面ですべらせるために必要なトルクをT。,はめ合いねじ部です べらせるためのトルクを,締付け時T。・,ゆるあ時T、aとすると,

回転変位によるゆるみの条件は,T、,>Tw>T、gである.

 T。,,Tw, T、、は,それぞれ次式で求められる.

T・t一号(。暮きαμ・+÷〉……〈・)

Tv== {llL  dvgeT  一Hm 一一一一一一一一一一 (2)

Tsg = ={li  (一Eil.1−k−Eik. pts 一 g) 一一一一一一 (3)

 ここで,(1)〜(3)式をそれぞれFf/2で除した, T、f/Ff/2,

Tw/F・/2, T、、/F,/2は,μ、,μ。,ねじ山半角α,ねじのピッ

チp,ねじの有効径d2,座面の等価直径d。から求あられる.

(i) μ。=μW=μの場合

 本実験での値d2=9.026mm, d w=14.7mm*,α=30。,p=1.5mm を(1)〜(3)式に代入すると次式のようになる。

 T,,/F,/2 =10. 42 pt +O. 48  T. /F ,/2一 14. 7 pt

 T,,/Ff/2−10. 42 pt 一〇. 48

 縦軸に摩擦係数,横軸にT、f/Ff/2,Tw/Ff/2, T、a/Ff/2 をとり,この関係を描くと,図17のようになる.図よりT、2/F,/2 は常にTw/Ff/2より小さいので,繰返し回転変位によりゆるみを 生じるのは(T、f/F・/2)〉(Tw/F,/2)となり,この条件を満

たすμは0.11以下となる.

* dwは,ナットの二面幅をB,ボルト穴の直径をD、とすれば,

      ヨ       ヨ      

 dw= (0.608B −0.524Di)/(0.866B −0.785Di)

     の

から求められる 。これに今回の実験での値B=17㎜,Di=11㎜

を代入するとdw=14.7皿nとなる.

一36一

 O.25

: O.20

 O.15

懸0。10

 0.05

  0

0    0.5    1.0    1.5   2.0    2.5    3.0    3.5

       ノ       ノ       ノ

  同点,謡・(TsfFf/2),(鐸ラ、),(謡)

図17 ゆるみの条件が満たされるμ。,μw

(ii) μ。〉μWの場合

 いまμ、=1.2μwとしたときの,

(T sf/ F f/2) X, (T w/ F f/2)   , (T sa/ F f/2) 

を計算すると,

 (T,f/Ff/2) ! 一12. 51 pt w+O. 48  (T. /F f/2)   一 14, 7 ,cL .

 (TsD/Ff/2)   一12, 51 LL .一〇. 48

 これも図17中に示してあるが, (T、g/F,/2)tは常に(Tw/

F,/2) より小さいので,繰返し回転変位によりゆるみを生じるの に必要な条件は, (T、f/Ff/2)t>(T。/Ff/2)!となり,こ れを満たすμwは0.22以下となり,μ、=μwの場合よりも広いμ。,

μwの領域でゆるみが生じることが知られる.

(d)ゆるみ限界回転角の理論的検討

(i) 回転変位±θ、をゆるめ方向から加える場合(0→一θ。→0→

 +θ。→0→一θ。の繰返し回転変位を与える場合)

 座面ですべらせるための必要なトルクをTw,はめ合いねじ部です べらせるためのトルクを締付け時T、f,ゆるめ時T、aとしたとき,

T。f>Tw>T、aが成立しているとする.

 ボルトの弾性ねじれ限界角θ。,2が,θ。より大きい場合はナット のゆるみ回転は生じないので,θ。,2がθ。より小さい場合について 検討する.

(a) O一 一〇a

 θ。,2の回転変位を越えると,はめ合いねじ部ですべりが生じるの で,以後はナットのみがθ。までゆるみ方向に回転をする.それゆえ,

θ。一θ。,2だけボルトに対してナットがゆるみ回転して,軸力が低

下する.

 締付けられているボルトとナットが相対的に1回転するときには,

ナットはねじのピッチpだけ軸方向に移動するので,ボルト締付け 部分の長さを2とすれば,ボルトに付加されるひずみεは,ε=

p/2となる.このときのボルト軸力の変化は,ボルト材料の縦弾 性係数をE,ボルトの断面積をAとすると,εEAとなる.したが

って, (θ。一θ。,2)だけナットがゆるみ回転するときの軸力低下 量△Ffは,

 AF f= s E A ( e .一 e ,,2) /2z 一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一 (1)

一38一

となる.この軸力低下によって,締付け軸力F,のとき,ボルトの弾 性ねじれ限界角θ、,2は減少し,θ。,2!となり,

 Ocr2  =Ocr2 (Ff−AFf) /Ff

で求あられる.それゆえ,0→一θ。のときの軸力低下量は(1)式の

(θ。一θ。,2)の代わりに(θ。一θcr2 )を用いた値になる.

この計算を繰返すことにより,ボルトの弾性ねじれ角は急速に一定 の値に収算する.この値を(1)式のθcr2に入れて得られる値が,

一θ。の回転変位を与えたときの軸力低下量である.

 しかし,θ。,は締付け軸力Ffのときのボルトのしまり方向の弾性 ねじれ限界角θ、,1に近い値となることが予測される,θ、,1とθ。,2 は大きな差はなく,したがって, (θ。,一θ。,2)の値は小さいので

(1)式で得られる△F,と,収敏計算によって求めたボルトの弾性ね じれ角を用いたときの軸力低下量と大差はないと考えられる。そこ で,一θ。での軸力低下量は(1)式の△Ffを用いることとする.

(b) 一e..O

 ボルトではθ。,2の弾性ねじれが0となり,更に(θ。一θ。,2)だ けしまり方向に弾性ねじれを生じる.ナットはθ。だけゆるみ方向に 回転していたものが,θ。だけしまり方向に回転し元の状態にもどる

(c) O.+e.

 ボルトは(θ、一θ、,2)+θ。一2θ。一θcr2だけしまり方向に弾 性ねじれを生じ,ナットも+θ。まで同様にしまり方向に回転する.

このとき,次の2つの場合が考えられる.

(C−1) 2θ。一θ、,2<θ。,1のとき

  ボルトは(2θ。一θ、,2)だけしまり方向に弾性ねじれを生じ

る.ナットはθ。までしまり方向に回転する.ただし,ここでもθ。,1 は△F・の軸力低下によりθ、,1(F,一△Ff)/F,となっているが,

ここでは近似的にθ。,1とする.

(C−2) 2θ。一θ。,2>θ、,1のとき

 θ。,1だけ弾性ねじれを生じ,それ以後はT。・>Twであるからナ ット座面ですべりを生じ,はあ合いねじ部ではすべらないので,ナ ット,ボルトともに,しまり方向の回転は起こらない.このときの ナットの回転角は,θ、,1一(θ。一θ,,2)=(θ。,・+θcr2一θ。)

である.

(d)  一トθa→0

(d−1) 2θ。一θ。,2<θ、,1のとき((c−1)に対応)

 ボルトはθ。,1の弾性ねじれが回復して0となり,ナットの回転も 0にもどる.第2サイクル以降は(a)〜(d−1)の過程が繰返されるの で,ナットのゆるみ回転は進行しない.よってねじ締結体にゆるみ は生じない.

(d−2) 2θ。一θ、,2>θ、,1のとき((c−2)に対応)

 ボルトはθ。,1の弾性ねじれが回復し,更に(θ。一θ。,1)だけゆ るみ方向に弾性ねじれを生じる。ナットは(θ。,1+θ。,2一θ。)一

θ。=(θ。,1+θ,,2−2θ。)だけゆるみ方向に回転する。

(e) 第2サイクルの0→一θ、

 ボルトはθ。,2の弾性ねじれが生じ,ナットは(θ。,1+θ。,2−

2θ。)一θ。=(θ。,1+θ。,2−3θ。)だけゆるみ方向に回転する  このときのナットのゆるみ回転角は{3θ。一(θ。,1+θ。,2)}

一ecr2=3ea−Ocri−20cr2== (ea−ecri) 十 {2ea

一40一

(θ。,1+θ。,2)}となる.すなわち,ナットのゆるみ回転が第1サ イクルより{2θ。一(θ。,1一←θ。,2)}だけ増加する.これにより

(d−2)中で示したθ、,1+θcr一2θ。<0がゆるみの進行する条件 となり,このときのθ。がθ。,となることがわかる.すなわち,

Ocr ;}}i 一!2.E .1..1一±ri+ Ocr2

一一一一一一一一一一一一.d−m.一一一一一 (2)

2

の関係が得られ,θ、,はθ、,1とθ。,2の平均値となることがわかる。

 また,θ。,1とθ。,2は(3)(4)式から求められる.

Ocr1 =

0 cr2 ==

i¥/2k8−24GQ {E−i.SigEig.pt,+¥+d,pt,}一一一一一(3)

黙{6nlt:1gEls2crpts   一1;一 +d.#.}一一…(4)

 実際には,(a)の過程での軸力低下により,ボルトの弾性ねじれ限 界はθ。,1,θ。,2より若干小さくなるので,θ。,も(2)式で得られ る値より小さい値となる.それゆえ,(2)式によるθ。,では必ずゆる みが生じることになる.これより,酒井はθ。がθ。,2より大きくな ればゆるむとしているが,それよりは大きなθ。でなければゆるみは 生じないことが明らかとなった.

(ii) 回転変位±θ。をしまり方向から加える場合(0→+θ。→0

→一 ニ。→0→+θ。の繰返し回転変位を与える場合)

(ii)一1 θ、,1>θ。のとき

(a) O 一〉 +e,

 ボルトはθ。だけしまり方向に弾性ねじれを生じ,ナットはθ。だ けしまり方向に回転する.

(b)十 0 a一  O

 ボルトはθ。の弾性ねじれが回復し,ナットはθ。だけゆるみ方向 に回転して,ともに元の位置にもどる.

 これ以降のプロセスは,(i)の(0→一θ。→0→+θ。→0)のとき と同じになる.

(ii)一2 θ。,1〈θ。のとき

 θ。,1>θ。でもゆるみが進行する場合があるから,この場合は当 然ゆるみが進行する.しかも,ゆるみ速度は大きくなる.以下はそ

の検討である.

(a) O 一  +Oa

 ボルトはθ。,1まで弾性ねじれを生じ,その後ナット座面ですべる

(b) 十e.一>O

 ボルトはθ。,1の弾性ねじれの回復と(θ。一θ、,1)のゆるみ方向 の弾性ねじれを生じる.ナットはゆるみ方向にボルトと同じ角度θ、

だけ回転する.

(c) O一〉一e.

 ボルトは一θ。,2までゆるみ方向に弾性ねじれを生じ,その後はね じ面ですべりを生じる.ナットは更にθ。だけゆるみ方向に回転する すなわち(θ。一θ。,1)+θ、=(2θ。一θ、,1)だけゆるみ方向に 回転する.この時点での軸力低下は2θ。一θ。,一θ。,2=2θ。一

(θ、,1+θ。,2)に対応した値である.ただし,この場合も上記の 軸力低下によるθ、,2の減少は無視することにする.

一 42 一

(d) 一〇a O

 ボルトはθ。,2の弾性ねじれの回復をし,さらに(θa一θ。,2)の しまり方向の弾性ねじれを生じる.ナットは一(2θ。一θ。,1)+

θ。=一(θ。一θ。,1)までしまり方向に回転する.この時点での軸

力低下は, (θ。一θ。,2)+(θ。一θ。,1)== 2θa 一一(θ。,1+

θ。,2)で(C)と変わらない.θ。〉θ。,1>θ、,2であるから,この値 は正である。

(e)第2サイクルの0→+θ、

 ボルトはθ。,1まで弾性ねじれを生じ,その後ははめ合いねじ部で はすべらず,ナット座面ですべる。このとき,ナットはθcr1一{

2θa一(θ。,1+θ、,2)}=2θ。,1+θ。,2−2θ。まで回転する.

 この時点での軸力低下は(2θ。,1+θ。,2−2θ。)一θ。,1=一

{2θ。一(θ。,1+θ。,2)}に対応したものとなり,これも(C)と 変わらない.この時も軸力低下によるθ。,1の低下は無視することに

する.

(f) 十 e.一>O

 ボルトはθ。,1の弾性ねじれの回復と(θ。一θ、,、)のゆるみ方向 の弾性ねじれを生じる.ナットはゆるみ方向にθ。回転し(2θ、,1+

θ。,2−2θ。)一θ。一2θ。,1一←θ。,2−3θ。の位置にくる.

 この時点での軸力低下は{3θa一(2θ。,1+θ。,2)}一(θ、

一θ。,1)=2θ。一(θ、,1+θ。,2)に対応した値となり,(C)と変 わらない.

(g) O.一e.

 ボルトは一θ。,2までゆるみ方向の弾性ねじれを生じる、ナットは

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