置作業船が必要とされる。現時点では、新造大型設置作業船の設計は水深50〜75メートル で作業能力を有するジャッキアップ式に焦点が当てられている。さらに沖合での作業には、
ジャッキアップ式以外の船舶設計が必要とされる。
水深75〜100メートルの海域で作業を行う将来の大水深風車設置作業には、セミサブ式浮
体が採用される確立が高い。係るユニットの設計及び建造は新たな市場機会となりえる。
7.2 市場参入への障壁
ジョーンズ・アクトにより、米国沖のウインドファームの建設及び保守市場への外国建造 船の参入が阻まれる可能性がある。米国内航に米国建造、米国所有、米国籍運航船の使用を 義務づけるジョーンズ・アクト要件が、洋上タービン設置・保守事業に影響を及ぼす可能性 がある。風車設置作業に非米国籍船の使用が認められるかどうかは、設置作業船が米国外洋 大陸棚上の2地点間を移動するかどうかについての解釈にかかっている。タワーのみの設置 は輸送にあたらず、おそらく非米国籍/建造船の使用が可能かもしれない。しかし、船舶が 陸から洋上の設置場所に補給品を輸送する場合は内航とみなされるだろう。
ジョーンズ・アクト要件は非常に複雑であり、非米国籍船を特定の状況下で洋上プロジェ クトに利用できるかどうかについては、米国税関局の判断が必要となるであろう。米国外の 造船所で船舶を建造する機会があるかどうかは、米国税関局の判断に左右される。
欧州では外国建造船の使用を禁止する正式の規則は存在しないが、自国の造船所を優先す る国策が存在する。たとえば、ノルウェー沖のウインドファームで使用される設置作業船の 建造にはノルウェーの造船所が優先される可能性が高い。
7.3 洋上風車市場に参入、サプライヤーとなるための選択肢
米国大水深ウインドファーム向け設置・保守作業船の建造市場が米国造船事業者に制限さ れることを前提とした場合、米国造船事業者とジョイントベンチャーを形成して船舶設計と 建造で協力する機会がある。複数の米国造船所が石油及びガス部門向けに浮体式構造物を建 造、改造した豊かな経験を保有している。メキシコ湾に所在するGIFI(Gulf Island
Fabrication, Inc)とシグナルインターナショナルがその例である。
特にシグナルは、浮体式風車設計の共同開発のパートナーとしてのポテンシャルがある。
シグナルはメキシコ湾岸5カ所に工場を保有し、洋上風車支持構造物の建造市場に参入する ことに関心を表明している。しかし、同社は着底式風車向けのジャケット建造市場に焦点を 置いている。シグナルの経営陣が浮体式構造物の設計・建造に実績のある日本企業との提携 に関心を示す可能性がある。
欧州でも現在洋上風車部門で事業を行っている地元企業と合弁事業を形成することが考え うる。主要企業の多くは本報告書の第5章に記載されている。特に、浮体式プラットフォー ムの設計開発を手がけているが開発を推し進めるだけの技術的資源に欠けている小規模な1 社の企業もしくは複数の企業との関係を構築する、または買収することは、興味深い選択肢 となりうる。