2-44 第6条:行政機関の責務
2.6 日本との経済・貿易関係等の整理
(1) 世界と日本の食料安全保障
世界の栄養不足人口が
10
億人を超えるなど、農業および食料安全保障は国際的に重要な 問題となっており、一部の食料輸入国等は、開発途上国の農地の借り受けや取得により、穀物等を生産し、自国への安定調達を図ってきている。2009年
G8
農業大臣会合、ラクイ ラサミットやFAO
世界食料安全保障サミット等の国際的な議論の場において、世界の食料 生産の促進及び農業投資の増加の取り組みを図るとともに、責任ある国際農業投資の行動 原則等を策定するために国際機関等が取り組むことが合意された。表 2.6‑1 海外投資家による開発途上国における農地取得等の状況
投資国 農地取得等が
行われた国 主な内容
アラブ 首長国連邦
スーダン 37万8千haに投資
スーダン* とうもろこし、アルファルファ、可能であれば小麦、いも、豆の栽培のために 3万haを確保
パキスタン 32万4千haの農地を購入
エチオピア 紅茶栽培のためのジョイントベンチャーとして5千haを確保 サウジ
アラビア スーダン* 小麦、野菜、飼料栽培のための9,200〜10,117haを借受け、6割はサウジアラビ ア政府による出資
韓国 スーダン 小麦栽培のため69万haを確保
ロシア* 企業買収により 1 万 ha を確保、2012年までに4万haを追加で取得予定 中国 タンザニア 稲作のため300haを確保
バーレーン フィリピン 農業、漁業のための1万haを確保 ヨルダン スーダン 作物栽培及び放牧用に2万5千haを確保 エジプト スーダン 年間200万tの小麦を栽培するための農地を確保 リビア ウクライナ 24万7千エーカー(またはha)の農地を確保
マリ 稲作のための10万haを確保 英国 アンゴラ* 稲作のために2万5千haを借受け
マラウイとマリで12万5千haを交渉中 ナイジェリア 1万haを確保
米国 スーダン* 南スーダンの40万haについて署名 注:*は投資国内の民間企業によるもの
出典:国際食料政策研究所(IFPRI)資料を基に農林水産省で作成
日本は食料供給の6割を海外に依存しており、食料安全保障の強化は日本の外交政策の 基本的目標の一つであり、世界全体の食料生産の促進などにより、グローバルな食料安全 保障を強化し、価格の安定を図ることが日本の食料安全保障ためにも必要である。また、
食料価格高騰に伴い、多くの途上国で飢餓・栄養不足の脅威が増大し、社会不安が拡大す る状況に苦しむ人々の「人間の安全保障」の強化のための支援も日本の責務であると考え られる。
これについて、我が国の農林水産省においても、①我が国への食料安定供給の確保と世 界全体の食料生産能力への貢献を同時追及すること、②国際的な農業投資の動向を踏まえ
2-46
とを目的に、2009 年4月に農林水産省と外務省が合同で、「食料安全保障のための海外投 資促進に関する会議」が設置され、「食料安全保障のための海外投資促進に関する指針
(2009年
8
月)」にとりまとめられた。これについては、両省のほか財務省、経済産業省、JICA、JBIC、JETRO、日本貿易保険が参加している。
このなかで、「大豆、とうもろこし等」に関し、「中南米、中央アジア、東欧など」にお いて投資環境の整備し、政府・関係機関の支援ツールを総合的に活用する官民連携モデル が検討された。日本の大豆の需要量(食用、油糧用等)のうち自給率は
6%(2008
年)し かない。世界の大豆輸出国は、北米、南米が多いが、日本への輸入量の多くはアメリカか らである。ブラジルを除く南米からの輸入はほとんどない状況であるが、上述の官民連携 モデルにより、南米からの輸入量の増加が期待される。
表 2.6‑2 大豆の輸出国と日本への輸出量
2004-2008
の5
年間平均 輸出量(千㌧/年)2008
の日本への 輸出量(千㌧/年)アメリカ 29,744
2,728
ブラジル 23,959
568
アルゼンチン 10,381
2
パラグアイ 3,437
1
カナダ 1,560
325
ウルグアイ 744
-
中国 419
86
ウクライナ 220
-
ボリビア 86
-
インド
6 -
出典:財務省貿易統計より作成
(2) 対日輸出入量・価格の推移
「パ」国の対日輸出量は、2008年で
87
百万ドル、35千トンであるが、その後やや減少 傾向にある。従来は、民間主導であったが、今後は前述のとおり日本政府として、食糧確 保のための輸入に力を入れるため、輸出量は増加することが考えられる。「パ」国の対日輸入量は、年々増加傾向にある。価格ベースでは
2008
年に415
百万ド ル、重量ベースでは2010
年に69
千トンになった。注)価格は、FOB価格 出典:BCP
図 2.6‑1 パラグアイ−日本の貿易の推移
出典:BCP
図 2.6‑2 パラグアイ−日本の貿易量の推移(2005 年を 1.0 とした時の伸び)
(3) 対日輸出入の主要品目
「パ」国から日本への主要な輸出品目は、胡麻であり
2010
年の重量ベースで90%を占
めている。今後は、大豆やとうもろこしなどの穀物が増加することが考えられる。逆に日本からの輸入する主要品目は、自動車類やその関連部品が多い。
表 2.6‑3 輸出入品目(2010 年)
パラグアイからの輸出品 パラグアイへの輸入品 品目 トン % 品目 トン % 胡麻 22,490 90% 自動車類(乗用車、
トラクター等) 60,839 88%
大豆 2,187 8% ゴム製品 4,370 6%
落花生 148 1% 機械類 2,896 4%
その他 250 1% その他 1,363 2%
0 50 100 150 200 250 300 350 400 450
2005 2006 2007 2008 2009 2010
millones $
Parguay->Japon Japon->Paraguay
10 20 30 40 50 60 70 80
2005 2006 2007 2008 2009 2010
1000 ton
Parguay->Japon Japon->Paraguay
0 1 2 3 4 5 6
2005 2006 2007 2008 2009 2010
Parguay->Japon Japon->Paraguay
0 1 2 3 4
2005 2006 2007 2008 2009 2010
Parguay->Japon Japon->Paraguay 金額 トン数