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これらの大学院生は平均して

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年間フラウンホーファーに在籍し、博士取得後に多 くがプロジェクトを通して知己を得た企業に転身する。一方シュタインバイス(

SB

) では、工科専門大学の教授を

SB

センターとして契約、企業向けの技術移転コンサ ルや受託開発の代理店的な役割を任せている。

このようなことから、ドイツでは大学教授が産業界に近く、その需要や技術トレ ンドをリアルに知りえる環境にあるといえる。人材交流によって技術移転がシーム レスに実現しているために、産学連携ネットワークが上手く素地が既に存在してい るのだ。中小企業は研究を外部委託し優秀な人材を確保できる。大学は効率よい外 部資金の調達が可能となり、学生特に大学院生はキャリア選択肢が増える

WinWin

の関係が確立しており、このサークルがドイツ中小企業のイノベーション力を実現 しているといえる。

■ 産業応用へのスピードアップ

ハイテク戦略の目標は一言で言えば、ドイツが世界のイノベーションをリードし、

経済成長と雇用を確保することである。そのために何をしなければならないのかへ の答えが、発明から商品化までの時間をできる限り短縮するということである。具 体的には、基礎研究が行われている大学や研究機関と産業が密に協力することで、

アカデミアは社会の需要を、産業界は技術のシーズを早い段階で見つけ市場かへの スピードをあげることができると言うものである。ドイツでは伝統的に大企業が工 科大などに研究室を作ったり、企業で働きながら博士号取得を目指す研究者が多い。

さらに研究の拠点だけでなく、企業も地方に分散する傾向があり、地域に根ざした 産業クラスターが構築しやすいという傾向がある。であるからこそ、ハイテク戦略 の最重要プログラムとして実施されたのが、

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章で詳述した先端クラスター競争プロ グラムであり、そのほか大小さまざまなクラスター政策が連邦全土で行われている。

さらに、

2010

年以降はインダストリー

4.0115

に代表されるナショナルプラットフ ォームという体制で、複数のステークホルダーを社会的課題を解決するという

1

つ の明確なビジョンでとりまとめ、産官学が一体となった研究開発イノベーションを 進めるクラスターの進化版が登場した。現在はインダストリー

4.0

のほか、スマート シティ実現のための未来都市プロジェクト(

NPZ: Zukunftsstadt116

)、電気自動車 普及とエネルギーグリッド整備のためのエレクトリックモビリティ(

NPE:

Elektromobilität117

)が運用されている。運用モデルは共通で、プロジェクトの立ち 上げ>グランドデザインの設計>ステークホルダーの選定>具体的なプログラムの 作成>標準化の推進>基盤・重点技術の研究開発>人材の育成が順次、時には同時 並行的に実施される。プラットフォームには分野別のワーキンググループが設置さ れ、それぞれの専門分野に特化してロードマップを作って共通ビジョンの実現に邁 進している。こうしたプラットフォームは積極的なマーケティング活動をしている ことも特徴としてあげられる。インダストリー

4.0

を例に取ると、所掌している連邦

115 http://www.plattform-i40.de/

116 http://www.nationale-plattform-zukunftsstadt.de/

117 http://nationale-plattform-elektromobilitaet.de/

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教育研究省、連邦経済エネルギー省だけでなく、プラットフォームに関与している 企業、商工会議所がさまざまな機会を作り、同プロジェクトを売り込んでいる。時 には連邦首相メルケル氏自らがトップセールスを仕掛け、世界中の製造業界の関心 を呼び起こしている。こうした国家レベルの共同プロジェクトには、上述の優れた 中小企業も数多く参加している。

こうしたナショナルプラットフォームには競合と思われる企業も複数参加してい る。日本では、会社や系列の枠を超えて企業が共同のプロジェクトに参画する例は あまり多くない。ドイツでも始めから競合企業が積極的にプラットフォームに参加 したわけではない。こうした公的資金の入ったナショナルプラットフォームで実施 される研究開発はあくまで前競争的な分野、基盤的な技術であるという認識の下、

その後の産業応用はそれぞれの企業努力に委ねるという認識が一般化したことが大 きい。これはハイテク戦略(2006年)導入後、イノベーション創出には何が重要か という議論が積極的に行われてきたことが奏功したといえる。日本でもこうした議 論が盛んになることが期待される。

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