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(日医総研)関係事項

ドキュメント内 日本医師会雑誌第141巻第2号別冊 (ページ 121-129)

1.研究体制

日医総研は,平成9年4月に「人に優しい医療 を目指して」を掲げて,日医が目指す「国民のた めの医療政策展開」をサポートするためのシンク タンクとして設立され,盧国民に選択される医療 政策を企画立案する,盪国民を中心とする合意形 成を作り出していく,蘯信頼できる正確な情報を 作って提供していくことを目的として,研究活動 を行っている.

日医総研の研究成果は,会内の各種委員会,都 道府県をはじめとした地域医師会と会員の意見を 集約して,日医が政策決定していく過程で参考に されている.また,関係省庁や政治の場での折衝 において,日医の医療政策提言の妥当性を示す根 拠として活用されている.

直近の課題の検討,研究計画,研究進捗状況報 告など,研究活動に関する重要事項は,原中勝征 会長(日医総研所長を兼務)以下,全役員の出席 のもと,毎週一回の「研究企画会議」において審 議して,適時適切な運営を行っている.

日医総研の活動は,日々刻々変化する医療情勢 に的確かつ敏速に対応していくことが,何よりも 重要である.これら短期的な課題についての研究 と,基礎的かつ長期的な研究を両軸として活動を 推進している.

また,原子力損害賠償請求に関わる東京電力と の交渉の支援をはじめ,無罪判決を得た医療刑事 事件に関する日医総研シンポジウムの開催(7月)

など,時局の課題にも研究成果を生かして積極的 に取り組んでいる.

政府や厚生労働省等と堂々と対峙して議論する ためには,日医独自の政策立案能力,意見具申力 を高めていくことが必要であり,日医総研への研 究要請は高まっている.

研究領域は,社会保障,医療保障,医療保険,

介護保険,診療報酬,国家財政分析,医療安全,

医業経営,医療産業財務分析,医療費経年変化調 査,国民の意識調査,医療ITなど多岐にわたっ ている.

研究体制は表1のとおりである.

なお,研究成果は,「ワーキング・ペーパー」

にまとめて発行すると同時に,日医総研ホームペ

ージに全文を掲載している.今年度に発行した

「ワーキング・ペーパー」は表2のとおりである.

2.福島県原子力災害からの復興に関する プロジェクト委員会

3月11日に発生した東日本大震災と福島原発 事故によって被害を被った福島県内の医療機関の 復旧・復興を支援するために設置された「福島県 原子力災害からの復興に関するプロジェクト委員 会」について,担当課の年金・税制課を支援して 運営に協力した.

また,東京電力に対する損害賠償請求が,迅速 かつ十分に行われるように,福島県医師会の原子 力損害賠償対策本部と連携して福島県庁,関係省 庁,東京電力など関係先との連絡・折衝を行っ た.

名称 福島県原子力災害からの復興に関するプロジェク ト委員会

委員長 木田光一(福島県医師会副会長)

委員

星 北斗福島県医師会常任理事,井坂 晶双葉郡 医師会会長,金澤幸夫南相馬市立総合病院長,今 村 諭双葉郡医師会理事,関根俊二双葉郡医師会 副会長,石田秀一双葉郡医師会理事,今野 明相 馬郡医師会理事で構成.

日医は横倉義武副会長,三上裕司・石井正三・今 村 聡各常任理事.

経緯・目的

・闍谷雄三福島県医師会長及び東北医師会連合会 から提出された,日医の支援を求める「原子力 災害の賠償等に関する支援についての緊急要 望」に応えて設置された.

・医療機関が被った営業損害の賠償が,迅速かつ 十分に行われるように検討を行い,早期の復興 を支援する.

開催実績

第1回:平成23年8月10日

第2回:平成23年9月22日(福島県医師会にて)

第3回:平成23年10月27日 事務局 年金・税制課,日医総研

活動実績

1.当該委員会の運営支援

2.福島県医師会 原子力損害賠償対策本部の活 動全般を支援

3.簡便な損害賠償請求方式の実現

被災された医療機関からの要望に基づいて,

東京電力の指定様式によらない簡便な請求方 式を交渉して実現した.

4.復旧・復興に向けた関係機関に対する働きか けの支援等.

3.日医総研シンポジウム

医療事故の原因究明と再発防止策,医師法21 条のあり方,医療事故調査のための専門機関の設 立など法制度の改善に向けて,刑事事件になった が無罪判決を得た3つの事件に関わられた医師,

弁護士と学識経験者を招いて,医療事故と刑事事 件のあり方について討議していただいた.

4.医療政策シンポジウム

東日本大震災一周年を迎えた平成24年3月11 日に「災害医療と医師会」をテーマにして,国内 外から救急災害医療の専門家を招いて「平成23 年度医療政策シンポジウム」を開催した.

テーマ

日医総研シンポジウム「更なる医療の信頼に向け て−無罪事件から学ぶ−」

司会:石井正三常任理事

日時 平成23年7月24日(日)10:30〜17:30 日医会館大講堂

基調講演

「医師法21条を考える」

樋口 範雄(東京大学法学部教授)

座長:羽生田 俊副会長

シンポジウム

Ⅰ 東京女子医大事件 弁護人の立場から

喜田村洋一(ミネルバ法律事務所)

当事者の立場から

佐藤 一樹(いつき会ハートクリニック)

Ⅱ 杏林大学割り箸事件 耳鼻科医の立場から

長谷川 誠(元杏林大学耳鼻咽喉科教授)

弁護人の立場から

小林  充(奥田総合法律事務所・元仙台 高等裁判所長官)

Ⅲ 福島県立大野病院事件 弁護人の立場から

平岩 敬一(関内法律事務所)

特別弁護人の立場から

澤 倫太郎(日医総研研究部長・日本医科 大学女性診療科)

当事者の立場から

加藤 克彦(国立病院機構福島病院産婦人科)

Ⅳ 「医療刑事裁判の現状と課題」

水谷 渉(弁護士・日医総研主任研究員)

Ⅴ プレスコメント

前村  聡(日本経済新聞社 編集局社会 部厚生労働省・医療班担当記 者〔キャップ〕)

Ⅵ 「医療事故調査委員会への取り組み」

高杉 敬久常任理事

パネルディス カッション

「医療事故と刑事裁判」

パネリスト 上記シンポジウムの演者から7名 座長:寺岡 暉(医療事故調査に関する検討委員

会委員長・元日本医師会副会長),石井 正三常任理事

日時 平成24年3月11日(日) 13:00〜17:00 日医会館大講堂

テーマ 「災害医療と医師会」

司会:高杉敬久常任理事

講演

Ⅰ「東日本大震災とJMATの活動」

石井正三常任理事

Ⅱ「東日本大震災と関連研究への取り組み」

畑仲卓司(日医総合研研究部統括部長,主席 研究員)

Ⅲ「災害と医師会の役割」

ホセ・ルイス・ゴメス・ド・アマラール

(世界医師会長,前ブラジル医師会長)

Ⅳ「米国の救命救急の現状」

ステファニー・ケイデン

(ハーバード大学人道支援イニシアチブ)

Ⅴ「東日本大震災後の復旧はどうあるべきか−公 衆衛生の立場から」

マイケル・ライシュ

(ハーバード大学公衆衛生大学院教授)

Ⅵ「米国の大災害時の医療提供体制」

ジェームス・J・ジェームス

(米国医師会救急医療担当役員)

Ⅶ「平時の戦争としての医療」

小川和久(軍事アナリスト,国際変動研究所 理事長)

Ⅷ「福島第一原発事故と放射線被ばくについて」

明石真言(放射線医学総合研究所理事)

Ⅸ「大災害と救命救急のあり方」

坂本哲也(帝京大学医学部救急医学講座主任 教授)

座長:中川俊男副会長,石井正三常任理事

パネルディス カッション

「災害医療と医師会」,パネリストは上記8名の講 演者

座長:小林國男 帝京平成大学教授,救急災害対 策委員会委員長,横倉義武副会長

5.ORCA プロジェクト

盧 日医標準レセプトソフト(日レセ)の導入・

普及状況

医師会総合情報ネットワーク構想の一環として 平成13年度末に公開された日医標準レセプトソ フト(以下,日レセ)は,度重なる診療報酬改定 への着実な対応と機能改良を重ね,レセコン大手 として一翼を担う状況となっている.平成24年 1月16日現在の稼働あるいは導入作業中の施設 数は11,637で,前年比1,081増と導入数も着実に 増加している.普及活動では,日医ITフェア活 動を年間・全国41箇所で行い,参加人員2千7 百名強に日レセの説明を行った.2月には「日本 医師会医療情報システム協議会」での展示を行う など,機会を捉えて導入数の伸張に貢献する行動 を実施してきた.

日レセの適正な導入のサポートを推進する日医 総研日医IT認定サポート事業所制度についても,

選考試験・認定診査を実施し,「認定システム主 任者」527名,「認定インストラクタ」621名,

「認定サポート事業所」は202事業所となった.

(平成24年1月末現在)

盪 定点調査研究事業

平成20年4月よりテスト導入してきた,日レ セを用いたレセプトデータ収集分析のための「定 点調査研究事業」は,「医事会計定点調査」とリ アルタイム公開「感染症サーベイランス」の二本 立てでの運営を行い,特に平成22年12月よりイ ンフルエンザについて「感染症サーベイランス」

のテスト公開を日本医師会ホームページ上で開始 することに力を注いできた.平成24年1月末に

は2,800を超える参加者を数え,随時使い勝手を

含めた改良に取り組んでいる.

蘯 介護対応

介護保険制度や障害者自立支援法における,主 治医意見書・医師意見書,及び訪問看護指示書の 作成ソフトである「医見書」は,製品改良などの 対応を継続し,22,374件の導入を実現している.

給付管理や介護報酬請求支援ソフトの「給管鳥」

も2,039件の導入を果たし,医療保険と介護保険

の両方で扱う訪問看護ステーション専用の「訪看 鳥」も,約365件の訪問看護ステーションなどで 利用されている.(平成23年12月末現在)

盻 認証局

平成22年度より医療情報化関係のプロジェク トに対応する形で,本格的にICカードの発行を 開始したが,平成23年度は,更に地域医療再生 基金を用いた地域医療連携を実施する地域からの 要請に応じて認証局の対応を実施した.これに加 え,経済産業省の医療情報化促進事業に「医療認 証基盤事業」として参画し,経済産業省が実施す る8つの実証地域の内,3地域で実際に利用開始 している.平成24年度は残りの6地域でも利用 が開始される予定である.また,愛媛県医師会の 協力で,認証局の審査を地域の医師会で実施する 仕組みを検証し,実際に実現可能である結果を得 たことから,平成24年度に愛媛県医師会で実運 用に入る予定である.その他,今期の医療IT委 員会で認証局の稼働についての答申が出たことか ら,その中で指摘された事項(非会員への対応,

組織認証のあり方,他職種対応等)に対して具体 的な対応を進めている.

眈 特定健診対応

健診医療機関の電子化対応を支援する目的で,

フリーソフトとして提供している「日医特定健康 診査システム」はシステムの改良とユーザーへの サポート窓口の運営を継続し,現在約800件の会 員に利用されている.

ドキュメント内 日本医師会雑誌第141巻第2号別冊 (ページ 121-129)

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